台東クロウ

物書き。「ヴィランズの王冠 ―あらゆる悪がひれ伏す異能―」「無限成長のカード使い~無限にスキルをゲットしてダンジョン攻略で成り上がる~」など。Twitter:https://twitter.com/taito_crow

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物書き。「ヴィランズの王冠 ―あらゆる悪がひれ伏す異能―」「無限成長のカード使い~無限にスキルをゲットしてダンジョン攻略で成り上がる~」など。Twitter:https://twitter.com/taito_crow

最近の記事

『無限成長のカード使い』コミカライズ1巻発売中です!

こんにちは、台東クロウです。 「無限成長のカード使い~無限にスキルをゲットしてダンジョン攻略で成り上がる~」コミカライズ1巻が発売中です! コミックナタリーさんやアキバBlogさんに紹介して頂きました! 何卒よろしくお願い致します!

    • ピッコマノベルズでもう一作品連載させて頂くことになりました

      こんにちは、台東クロウです。 「兇手一族の末息子は五大魔王の力を宿して回帰する」が第2回ピッコマノベルズ大賞第3シーズンの1次審査を通過致しました。 第1シーズンの「無限称号のレベル1ハンター」に続いて2作目のピッコマノベルズ連載となります。 面白い作品がお届けできるよう尽力して参ります。 「無限称号のレベル1ハンター」は既に連載を開始しているので、こちらも読んで頂けると嬉しいです!

      • ピッコマノベルズ大賞1次審査通過作品「無限称号のレベル1ハンター」がピッコマにて公開されました!

        こんにちは、台東クロウです。 ピッコマノベルズ大賞の1次審査を通過した作品「無限称号のレベル1ハンター」がピッコマにて公開されました! あらすじ ゲートと呼ばれるダンジョンへの入り口が発生するようになった現代。富や名声を求めてダンジョンのモンスターを狩る者たちをハンターと呼ぶ。どれだけモンスターを倒してもレベル1のまま成長しないハンター「神武 猛」。ある日、他のハンターにボスを押し付けられた猛は、死の間際にランクS称号を手に入れる。その獲得条件は『レベル1のままモンスター

        • 『無限成長のカード使い』がコミカライズされました! 本日公開です!

          こんにちは、台東クロウです。 カクヨムと小説家になろうに公開している作品「無限成長のカード使い~無限にスキルをゲットしてダンジョン攻略で成り上がる~」がコミカライズされました! 本日よりマンガBANGにて公開されております! 漫画は晴瀬ひろき先生に担当して頂いております。 原作のイメージ通りの面白い作品にして頂いていますので、ぜひ上のリンクから読んでみてください! 原作 原作を読みたい方はこちらからどうぞ! カクヨム 小説家になろう https://ncode.

          「星空をふたりで紡ぐ」第38話(最終話)

           大空の部屋まで来たところで、星河は躊躇っていた。部屋の前をあっちこっちに行き来しながら、大空を訪ねる勇気を少しずつ固める。本当は朝に来ようと思っていたのに自室で決意している間に昼になり、こうしてここでうろちょろしているうちにまた時間が過ぎていく。このままでは日が暮れてしまう。よし、あと一回、もう一回だけ廊下を行き来したら訪ねよう。そう思って歩き出したところで、部屋の戸が開いた。 「何をしてるんだ? お前」  大空が呆れたようにこちらを見てくる。何をしているのかは自分だっ

          「星空をふたりで紡ぐ」第38話(最終話)

          「星空をふたりで紡ぐ」第37話

           麗奈との勝負が終わってから一週間ほどが経ち、星河は再び天原閣の一角に来ていた。天原閣一階の奥まった場所にある囲碁雑貨『とらや』。新規開店したばかりのその店は可愛らしい店員がいるということで話題になり、癖の強い独自絵であるごとら君でさらに人気が上昇、連日かなりの賑わいを見せている。 「いらっしゃいませとらー。せ、星河っ!? どうしてここにっ」  虎の耳と尻尾をつけた義姉は、星河の姿を見て狼狽した。相変わらずとても可愛い。 「可愛い。もう一回やって、お義姉ちゃん」 「駄目

          「星空をふたりで紡ぐ」第37話

          「星空をふたりで紡ぐ」第36話

          「それじゃあ麗奈さんと仲直りできたんだ。良かったね、星河ちゃん!」 「ありがとう、優花ちゃん」  いつものように碁会所で碁を打ちながら、事の顛末を優花に教える。お世話になった人を思い浮かべるおまじないが効いたことや、識月が面白い団扇を持っていて笑ってしまったことも。 「あの団扇、優花ちゃんが用意してくれたんですか?」 「そうだよー。面白かったでしょ?」 「はい、笑ってしまいました」  仏頂面の識月があの団扇を持っているところを思い出しただけで笑ってしまう。それに、と上機

          「星空をふたりで紡ぐ」第36話

          「星空をふたりで紡ぐ」第35話

          「良い勝負だった。この久遠院空牙が、新開星河を正式な花嫁として認めよう。もちろん、三年後の約束を忘れてもらっては困るがね」  空牙が宣言するのをぼんやりとしながら麗奈は聞いていた。負けた。それでも不思議と気分が良い。全力を出し切った。その結果が敗北だったとしても否やはない。きっと、星河と向き合って戦うことができればそれで良かったのだなと思う。今までの麗奈はそれすら出来ていなかったから。それに、次は勝てばいいのだ。ただ前に進もうとする意志だけが大事なのだから。 「認めない!

          「星空をふたりで紡ぐ」第35話

          「星空をふたりで紡ぐ」第34話

           決まったか。識月はそう思った。  本来の実力差を見れば麗奈が圧勝すると思っていた。それがまさかここまで食い下がるとは。識月から見ればどちらも悪手だらけの拙い碁ではあったが、ところどころに褒めるべき場所はあった。  現在は星河の手番。この盤面、細く難解な筋ではあるが正着が一つだけ存在する。だが、それを星河が見つけることはできまい。無難な手を選べばその瞬間に麗奈が勝利するだろう。  麗奈が勝つ。そう思っているのに、どこかで星河に期待してしまう自分がいるのを感じる。あの瞳が

          「星空をふたりで紡ぐ」第34話

          「星空をふたりで紡ぐ」第33話

          『あれには才能がないな』  いつか大空は麗奈のことをそう評した。 「取り消さねばならないな」  あの時の六子局は、格上に萎縮したような手を打つような、そんな碁だった。常に格上を食らうことでしか上に登っていけない国家棋士には到底向いていない、そう思った。だが、どうやら大空の判断は誤っていたらしい。麗奈はおそらく星河の視線に怯えて普段通りの実力が出せなかったのだろう。  今や麗奈と星河の局面は五分だ。複雑に入り乱れた黒石と白石の争い、どちらかが一歩間違えれば形勢が大きく傾

          「星空をふたりで紡ぐ」第33話

          「星空をふたりで紡ぐ」第32話

           星河の身体に生気が戻ったのを見て、余計な一言を言ったと麗奈は思った。しかし、この星河と戦わなければならなかったとも思う。相反する二つの思いに葛藤しながら、麗奈はさらに星河を追い詰めるべく厳しい一手を打つ。  この局面、はっきりと黒を持つ麗奈が良い。今のうちに差を広げるべく中央を競り合う。さらには白の断点を見据えて左上隅の星にツケる。麗奈とて今まで遊んでいた訳ではない。星河が打っていなかった六年間もずっと打ち続けていた。雷の指導を受けてさらに強くなった。 (私があなたの遥

          「星空をふたりで紡ぐ」第32話

          「星空をふたりで紡ぐ」第31話

           星河の様子がおかしいことに麗奈は気付いていた。星河はこんなにぼんやりとした表情で囲碁を打たない。いつも楽しそうに打つ、そんな少女だった。だからと言って、立ち直るような言葉をあげようとも思わない。こんな真剣勝負の場にそんな精神状態で来た星河が悪いのだ。弱っている時に打つ碁もまた実力だ。  だから、言葉をかけてはいけない。麗奈はそう自分に言い聞かせる。  そう、言い聞かせなければならなかった。だって思ってしまったのだ。星河の碁はこんなものではない。私を怯えさせた少女は、こん

          「星空をふたりで紡ぐ」第31話

          「星空をふたりで紡ぐ」第30話

           星河と麗奈の勝負は、空牙が指定した条件で行われる。場所は天原閣の十二階、辰の間。国家棋士が私用で使うことのできる個室だ。開始は十三時、持ち時間はそれぞれ三時間。夜には決着がつく。  対局者は新開星河、新開麗奈。立会人は久遠院空牙、新開れい子。それに、久遠院大空、四条識月、真田雷が同席することになった。午前中に対局のあった大空が辰の間に来た時には、全員が揃っていた。 「いやあ、豪華な面子になったねえ」  と空牙が笑う。称号持ち三人が立ち会う対局など公式戦でも中々無い。ま

          「星空をふたりで紡ぐ」第30話

          「星空をふたりで紡ぐ」第29話

           泣いても笑っても明日で全てが決まる。星河はいつも通りに碁会所で打っていたが、今日だけは明日に備えて早く帰ることにした。 「頑張ってね、星河ちゃん! 対局する前はお世話になった人を思い浮かべるんだよ!」 「うん、ありがとう優花ちゃん。優花ちゃんのことも思い出すね」 「星河ちゃん!」「優花ちゃん!」  抱きついてきた優花を優しく包容する。 「序盤もだいぶ強くなりましたからね。今の星河お姉さんなら麗奈さんにも勝てると思いますよ」 「ありがとう善仁くん!」  優花と一緒に善

          「星空をふたりで紡ぐ」第29話

          「星空をふたりで紡ぐ」第28話

           街中で虎の格好をした義姉に会うと大変気まずいということを、星河は初めて知った。しばし二人で沈黙してお見合いしていると、店の中から大男が出てくる。 「ようお嬢ちゃん、オレの店に来てくれたのかい?」 「あっ、雷様。こんにちは」  雷とは識月との六子局の時に会ったきりだ。どうやら雷がこの店の店主らしい。こんなところにお店を出していたのか、とお店の中を覗く。囲碁関連の雑貨が並んでいるのは他の店と変わらないが、可愛らしい虎の絵が雑貨に書かれていて星河は目を輝かせた。 「可愛い!

          「星空をふたりで紡ぐ」第28話

          「星空をふたりで紡ぐ」第27話

          「クカカッ! 強くなったじゃねえかオイ!」  雷が麗奈を褒め称えた。ついに雷を相手に四子で勝利したのだ。ギリギリ半目差の勝利ではあったが、称号持ちを相手に四子で勝てたのは自信に繋がる。麗奈は深く頭を下げた。 「ありがとうございます、雷様」 「アンタの執念が実を結んだ結果さ。自分を誇っていい。まあ、俺の指導が良かったおかげもあるだろうがな!」  雷は本当に付きっきりで指導をしてくれた。そのおかげで、序盤、中盤、終盤のどれも以前の麗奈とは比べ物にならないほどに強くなっている

          「星空をふたりで紡ぐ」第27話