【感想】チーム・ジャーニー #2
「あなたの想像を超えるチームを作って欲しい」
私がチームリーダーになってしばらく経ってから上司が私にかけてくれた言葉だ。
それから数年、この言葉の意図はずっとわからないままだった。チーム・ジャーニーを読んでようやく分かってきた気がする。
『先導者はやがて「自分」を手放す』 (第14話)
先導者はチームの成長に伴い、やがて意思決定のボトルネックとなる。その人の能力がその組織のキャップになってしまうのだ。
私はつい半年ほど前にその立場を降りた。その役割をメンバーに任せたのだ。そんな私がこの本で読んで気づいたことを書きたい。
私はIT企業でエンジニアリング・マネージャのポジションとして在籍しているが、求められる成果は多岐にわたる。組織運営だけでなく開発チームの中に入り、チームを先導しフルスタックエンジニアとしての成果をあげる。
だが、「私は機能しなくなっていた」
新規事業の立ち上げから参画し、サービスの成長に従い求められることが多くなっていった。一人で背負いすぎていた。何よりもチーム・マネジメントを理解していなかった。当時の私は「皇帝」のような存在だったと、この本を読んで気づいた。
限界を感じて様々な書籍を読み漁り、結果として「チームリード」としての役割を降りて、よりエンジニアリング・マネージャとしての立場に重きをおいてメンバーの成長にコミットすることにした。一歩引いた立場になった。
開発もほぼしなくなった。
それから半年ほど経過し、チームはより活気的、自律的になり私がメインで開発していた頃以上の成果をチームメンバー全員で出せるようになった。チームは私の意思ではなく、チームの意思で進化をしているように見えた。
そんな姿をみて、上司が私にかけてくれた言葉の意味がぼんやりと分かり始めていたときにチーム・ジャーニーに出会い、より意味がわかるようになった気がする。そのチームの作り方が書いてあるように見えた。いくつかは私の経験と類似しており、読み進めるたびに鋭い洞察やヒントがあり、たくさんの気づきとふりかえる機会をくれた。やり切ったと思っていた私にさらにチームをよくできるというモチベーションをくれた大切な1冊の本になった。
チームの存在意義『一人では不可能な成果をあげる』(第1話)
チームで自律的に学び、進化していく。私の想像を超える成果を出し続けていく。
チームで開発することは面白い。