【感想】人生の勝算 (幻冬舎文庫)
著者:前田裕二
読んでいる最中に何度も感情を揺さぶられることがあった。書籍を読んでこんなに目頭がアツくなったことは初めてかもしれない。立場や境遇は違えど私自身の経験と多少なりとも重なる部分があり、共感したのかもしれない。
今、道に迷っている私にとって、このタイミングでこの書籍に出会えて本当に良かった。今の自分に必要なことが書かれていた。
読んでいる最中に何度もフラッシュバックのように過去のあるシーンが頭をよぎった。
2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災のことだ。当時、私は東京に出て社会人になっていたが、弟は学生で仙台在住だった。地震の後に弟に送ったメールは1週間以上返信がなく、しばらく連絡が取れない状態を日を過ごした。もうダメなんじゃないかと何度も思った。結果的に様々な偶然が重なり無事だったが、あの出来事が自分にとって何か大事なことであることに気づいた。
3つの大事なこと
1. 絆の大切さ
2. 努力の大切さ
3. 人生という壮大な航海において「コンパス」を持つことの大切さ
「これからの人生で何を成し遂げたいのか。」
その問いに向き合い続けている私には、とてもよい書籍だった。
「コンパスはあるか?」
今の私はコンパスを持っていない。だからこそ、隣の芝生が青く見えてしまう。何も決めていない状態で表層だけの良さで選択し、あとで後悔することは目に見えていることをズバズバと突きつけてくる。
自分が何をしたいのかを示すコンパスがないと、人生という荒波の中で、すぐに迷ってしまう。
えぇ。かなり迷ってます。
よって、まずは船を漕ぎ出すよりも先に、コンパスを持つための努力をすべきだと思います。あとは原動力させしっかりしていれば、どこへでも行けます。
そう思います。コンパスを持つためには自己との対話を重ね続けることでしか得られない。そして簡単ではないことを知った。
だから、新しい挑戦をする時は、動き出す前にまずは自問してみましょう。
コンパスは持っているか?と
今は持っていない。だが糸口は見つかった。
人に好かれることの大切さ
どんなに能力やスキル、情報をたくさん持っていても最後は愛嬌だそうだ。任せる、お願いする側からすれば信頼できる人にお願いしたいのは当然だ。
モチベーションとコンパス
頑張る = 見極める + やり切る
自分の進む道は、現時点で少なくともこれで間違いないと言える。信じ切れる、というところまで見極め作業を徹底すれば、モチベーションは身体から湧いてきます。
よく現場では、「走りながら考える。考えながら走る」という表現が使われます。ベンチャー企業なので立ち止まっている時間がもったいないのかもしれない。スピードが大事ですから。
ただ、起業する際に、事業を始める際に、とりあえずの見切りではGOサインは出ないはずだ。ある程度の勝算があると見えるからGoサインが出るはずだ。
その見極め作業の徹底を「自分の進む道」に対して丁寧・誠実に行ってきただろうか?
選択と集中
ビジネスでは、当たり前のように言われる表現。人の人生についても同じ。
人の人生の質を高めるには選択と集中
自分にとって大切なことを選び、決めていないと、自分以外の他者の幸せが羨ましくて仕方なくなるかもしれません。... 選ぶ、ということは、同時に、何かを捨てることです。何かを得ようと思ったら、他の何かを犠牲にしないといけない。
ハッとした表現だった。
アジャイルの世界では「決定を遅らせる」という考えがある。敢えて、必要になるその時まで「決めない」ことでアジリティーを高めていく戦略と認識している。つまり、「決めない」対象とはそれほど重要なことではないことを示唆しているように思う。
逆に早く選択し実行しなければならないことがある。
不確実性、リスクをより早く減らしていくことだ。ビジネス上において早めに学習しわからなければならないことだ。
つまり、限られたリソースの中で何を選択して、何に集中的にパワーを投下していくのか決めていくのだ。
人の人生は、新規事業をアジャイルに遂行するもののようだ。
何を選択し集中していくのか。何を成し遂げたいのか。
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