グッドパッチのUX組織がデザインする中途入社オンボーディング
こんにちは!グッドパッチのハヤシです。
僕は、未経験からUXデザイナー職として2023年10月に事業会社から転職してまいりました。
そこで今回は、グッドパッチでは「中途入社してからスムーズに活躍できるようなオンボーディング施策をとっているんだよ」ということを、自身が所属するUXデザイナー組織にフォーカスしてご紹介します。
現在転職を考えている方の中で、「(いわゆる表層の)デザインとこれまでの自分の仕事とは無関係でしょ」や「デザイナーとしてのバックグラウンドがないとダメなんじゃないの?」とか「デザインの専門家集団の中に入るのはちょっと怖い」みたいに感じている方が、グッドパッチに安心してジョインできそうと思ってもらえるとうれしいです。
そもそもオンボーディングって必要なの?
オンボーディングとは、「On-boarding」という表記の通り、本来は船や飛行機などに乗り込むことで、人事領域においては組織に加わる新しい人材を迎え入れて早期に戦力化させることを指します。
どれだけ優秀で能力がある人材であっても、全く新しい職場では即日即戦力にはなれません。なぜなら、まずは「組織や業務や風土など場の理解」から始まり「背景や事態を咀嚼」したうえで初めて「自分なりのアウトプットができる」という流れがあるからです。
学生時代に置き換えると、どんなに陽キャでオシャレで賢いイケてる転校生であっても、初日からクラスを盛り上げることはできないようなものです。
初日は自己紹介のあと休み時間にクラスメイトとお喋りしたり、他の教室やトイレの場所を教えてもらったり、給食や学活など含めた一日の流れを体感することが必要です。
それから数週間かけて、帰りに寄り道して友達とダベったりすることでキャラの認知を獲得し、ようやく授業中のジョークがウケたりオチャラケたりができるわけです。
多くの転校生とは違って、中途入社者は自ら望んで新しい組織に入ってくるため、高いモチベーションもあります。組織側もビジネスとして人材を迎え入れているため、双方にとって適切なステップや環境で、早期に戦力化=活躍できることを目指すことが必要となります。
新入社員が入ってきてから最初の90日間で適切な研修を行わなければ、その後の定着率にも影響するという説もあるようで、オンボーディングは今は必要不可欠といえます。
グッドパッチのオンボーディング施策のご紹介
グッドパッチのUXデザイナー組織では、大きく分けて4つのオンボーディング施策を取り入れています。
1. オンボーディングメンターとの1on1の制度
グッドパッチ全体では1on1文化が定着していて、どの組織の人、どの役職の人にも気軽に1on1を申し込んだり質問することができる雰囲気があります。
UXデザイナー組織では現在4つのグループがあり、各グループ長となるリードとの1on1が毎週設定されています。そこでは、期ごとの目標進捗やアサインされたクライアントワーク案件への相談・フィードバックなどが実施されています。
それ以外に、新規の中途入社者が組織や業務に馴染む過程で悩んだり困ったりしたことをメンタリング・サポートする目的でメンター制度を設けています。
年齢や経験、相性を考慮したメンターがアサインされ、少なくとも入社から1ヶ月間は週1回30分〜1時間程度で1on1を実施します。1ヶ月後以降は双方の希望や必要性によって実施有無や頻度を決定します。(僕の場合は入社6ヶ月を経過していますが、今でも隔週1時間で実施してもらっています)
メンター1on1では、主に以下のことを実施しています。
・UX組織以外の社内の知り合いを増やすサポート
・社内手続きのやり方、社内ツールの使い方、社内ルールの伝授
・特にクライアントワークやUXデザイナー職を未経験で入社した方には知見や作法の伝授
・アサインされた案件に慣れてきたら、業務へのフィードバックや参考情報の共有
・他の案件や営業提案の進捗や共有
・雑談
リード陣との1on1の時間では、全くアサイン案件に関係ない細かな困りごとを質問する時間に使ってしまうのはもったいない、とか、このレベルの質問は誰に聞けばいいのか分からない、みたいなことが発生しても、何でも相談できるメンターとの1on1で気軽に解消できるようになっています。
自身だけでは取得できない他の社内の動きも把握できたり、他のメンバーについての情報を得られるのも嬉しいところかもしれません。特に、案件にアサインされると同じ案件メンバーであるPMやUIデザイナーとの交流に限定されがちになり、UX組織同士での会話が少なくなってしまいがちなので、同じUX組織の方と話せるのは良い刺激にもなります。
2. UX Cafe
UX Cafeとは、「毎日30分朝or夜に開催される、自由に出入りできるSlack上のハドルフィードバック会」です。堅苦しく説明しましたが、”リードやメンター以外の人にも相談してみたい・広く意見を聞いてみたいけど、誰に聞けばいいか分からない”を解決する雑談の場です。
相談だけでなく最近見つけた良いデザインのサービスや商品の共有などを含めて、UXデザイナー同士が気軽にコミュニケーションできる場が設けられています。
事前に相談事項を挙げられていたりすることもありますが、そうでないときはUXデザイナーが交代で務めるUX Cafeのファシリテーターである「店長」が、臨機応変に参加者を和ませつつ話題を振って最後にはまとめてくれるという存在になっています。
このあと紹介する「スタンプラリー」も、このUX Cafeで、新入社員のあるあるな悩みである「グッドパッチのUXデザイナーとは」という問いから派生して生まれたものです。
(個人的に、グッドパッチでは一社員の挙げた課題から解決までのスピードが早いなと体感した一つのエピソードです)
3. 追体験インタビュー
最後に「追体験インタビュー」をご紹介します。これは、新入社員である中途入社メンバーに、過去案件のプロセスを追体験してもらうことで、今後アサインされる案件のプロセスを設計・推進する際の参考にしてもらおうというオンボーディング施策です。
候補となる過去の案件一覧の中から興味を持ったプロジェクトを選び、担当していたUXデザイナーにインタビューを実施し、プロジェクトの概要や流れ、苦労や工夫した点などを教えてもらいます。それらの内容を整理したものを社内情報共有ツールに記事としてアップする流れになっています。
今後の業務の参考にしてもらうことだけなく、社内メンバーと交流する機会の提供やグッドパッチでのツールに慣れてもらうことも目的としています。
このインタビュー記事を作るポイントとして、以下が提示されています。
・具体的な手法ではなく、プロセスを組んだ背景や意図を聞き出す
・過去案件は既にナレッジとして蓄積されているが、足りない部分を深堀りしたり従来経験と違った観点(ゴールやマインド等)を盛り込む
・今後の情報共有ツールでの蓄積/検索がしやすいようタグを設定する
追体験インタビューを終えることで、漠然と想像していた業務内容の解像度が上がるとともに、今後自身が携わる業務の中で意識しておくべきことなどがクリアになっていきます。
僕個人としては、インタビューを通して先輩社員たちも悩みながらプロジェクトに取り組んでいたんだなと実感し、親近感が湧きました。
4. オンボーディングスタンプラリー
これまで3つの施策をご紹介してきましたが、体験した僕自身は非常に良かったと感じた反面、それぞれの施策が独立して動いているイメージがありました。
僕のケースをお話しすると、特にUXデザインロールという職種柄にはなりますが、業務範囲が広い&UXデザインの定義が様々あるというのも起因して、入社してからいつまでにどれくらいの状態になっていれば良いのか、どこまでに何をしておいたらよいのか、何を持って活躍できる状態なのか、という不安が出てくることがありました。
そこで、オンボーディング設計として、入社後のインプット情報・必須体験の一つとして、入社後にどこまで何を経験したらどれくらいの水準なのか、またオンボーディングの全体ボリュームや進捗を可視化する目的で「オンボーディングスタンプラリー」を作成しました。
このスタンプラリーは、入社1ヶ月で進めることを前提にしており、「ナレッジの習得」「UXメンバーの把握」「UX組織や制度の把握」の3つのパートに分かれています。これがあることで、1ヶ月後の期待値とゴールがぱっと見で把握できるようになっています(入社3ヶ月のスタンプラリーも作成する予定です)。
もちろんこのスタンプラリー自体の使い方や計画、進める上での悩みは上述したメンター1on1の中で相談できます。
なお、「オンボーディングスタンプラリー」を終えた社員からは、使った感想や進め方などのフィードバックを受けることで、スタンプラリー単体だけでなくオンボーディング体験全体の改善がなされるようになっています。
おわりに
グッドパッチのオンボーディング施策をいくつかご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
期待値という言葉をオンボーディングスタンプラリーの箇所で使わせてもらいましたので、ここまで読んでいただいてグッドパッチへの転職に少しでも興味を持った方に、率直な期待値調整をさせてもらえればと思います。
グッドパッチは国内で唯一デザイン会社として上場しており、業界ではある程度有名な企業かもしれませんが、企業規模としては240名程度で、入社してみるとまだまだ中小ベンチャー企業であることを実感する人は一定数いると思っています。企業成長真っ只中のため、良くも悪くもまだ社内制度や組織が固まりきっておらず流動的だということです。
オンボーディング施策で挙げたものは僕の入社前後にできたものもあり、課題提起と解決が日々行われていること、そして日々より良い状態に向かっている企業フェーズであることを理解していただければと思います。
スタートアップから大手企業まで経験した僕にとっては、個人の意見や行動で驚くほど変化できる企業であるとグッドパッチを捉えており、スタンプラリー制度も声を挙げてから1ヶ月ほどでリリースできたり、これからメンタル面のサポートだけでなくスキル面の研修制度も設けられる予定もあったりと、課題解決にとても前向きに取り組んでいける組織です。
直近は毎月のように中途入社の方にジョインしていただいていて、組織がどんどん大きくなっています。
これからも、会社が用意したかたちだけのオンボーディング施策ではなく、既存社員と中途入社社員みんなが一丸となって組織全体に好影響を与えられるオンボーディング体験をデザインしていきます!
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グッドパッチのUXチームには、UXリサーチやサービスデザイン、プロダクトマネジメントなど、様々な志向性とバックボーンを持つメンバーが多く在籍しています。
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