見出し画像

【エンタメ横断ニュース】コミックシーモア売上初公表、Brave groupがサンリオと資本業務提携(24/9/7)

こんにちは!マンガIPのライツを担当している村田です。

今週のエンタメ横断ニュースを5つ紹介します。


メタバース収益化の株式会社V、スクウェア・エニックス、伊藤忠などを引受先として資金調達

ニュースサマリ

株式会社Vは、日本ベンチャーキャピタル株式会社、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ等を引受先とする第三者割当増資を実施。累計調達額は約2.4億円。

分析、所感

メタバースの収益化事業を手掛けるV。下記の3事業が主な事業とのことです。

①メタバース領域参入支援事業
②Discord立ち上げ運営支援事業
③バーチャルアイテムEC事業 

このバーチャルアイテムEC事業に個人的に可能性感じておりまして、バーチャルアイテムのEC市場「バーチャルコマース領域」国内最大シェア獲得を目指すとのこと。

例えば、「無色転生Ⅱ」のVR Chat向けアバター衣装を制作していたりして、つまりはメタバースアパレル企業なんですよね。そこのポジションを今の早いタイミングからスクエニ、ソニーなどIP保有企業から資金調達をして、取りに行く動きがすごな~と思いました。

コミックシーモア売上高初公表。国内最大級の812億円

ニュースサマリ

NTT100%子会社のNTTソルマーレは電子書籍ストア「コミックシーモア」がサービス創立20周年を迎えるにあたり、戦略発表会を開催。
2023年度(2024年3月期)が812億円で過去最大、11期連続の増収増益。最高日販は9億円以上、月間利用者数は4,000万人以上を突破。812億円という売上は、国内電子書籍業者の中で最大級と発表。

分析、所感

コミックシーモアが売上を公開しましたが、競合サービスの電子書籍ストア「めちゃコミ」の売上が売上高571億円ですから、国内電子書籍業者の中で最大級というのは本当なのでしょう。国内電子書籍業者というのがミソでして、韓国IT系のピッコマが売上1000億円です。(シーモアの取り扱いコンテンツはマンガのみではないが、ピッコマはマンガ単体)

シーモアの見せ方としてはマンガが業界最大級読めるサービス。戦略発表会もマンガのトピックばかりでした。売上データを分析して出版社にアドバイスをしている、というのも面白かったです。

ある作品では、1巻や2巻ではなく3巻の売上が一番高いというデータがありました。スタッフで理由を分析すると、広告で話題になっているコマが3巻にあり、3巻から買うという人が続出したのです。作品全体の販売を促進するために、1巻と2巻を無料にするというキャンペーンをKADOKAWAさんに提案し、この施策でヒットにつながった例もありました。

実は国内最大級 「コミックシーモア」がデータからヒットを生む仕組み - Impress Watch

シーモアは機能面、UI・UXの改善も力を入れていますが、他社との差別化ポイントはマンガ家の獲得だとも言っています。自社編集部を作って、自社IP保有にも力を入れてきました。

品ぞろえに関しては,国内のほとんどの出版社のコンテンツを扱っているのですが,これは同業他社も同じであまり差がありません.
他社との差異化として当社は,電子書籍化が進まない作家を地道に説得したり,ソルマーレ編集部を創設してオリジナル作品の発行支援をしたり,独自コンテンツサービスにも重点を置いています.
オリジナル作品に関しては,マンガ家の商業デビューやメジャーデビューを全面的にサポートする「コミックシーモア毎月マンガ賞」を,毎月応募受付し実施しています

電子書籍・ゲームという変化の激しい市場だからこそ「変化を好機」としてお客さまに支持されるサービスに挑む (ntt.co.jp)

早々に売上高1000億円目指すとのことで楽しみですね。

Brave group、サンリオと資本業務提携契約を締結

ニュースサマリ

Brave groupはサンリオからの出資を受け、両社IPのグローバル化とバーチャル領域における事業拡大を見据えた資本業務提携契約を締結した。

1.サンリオが運営するデジタルPFサービス事業との連携(公式 IP ホルダーとファンがつながる創作プラットフォーム「Charaforio(キャラフォリオ)」やバーチャルイベント「SANRIO Virtual Festival」など)
2.Brave groupが運営する日本国内・海外VTuber事業との連携
3.両社が所有するIPのコラボレーション企画・製造・販売事業

分析、所感

サンリオは中期経営計画で3本の矢を掲げています。

3の矢が「IPポートフォリオ拡充とマネタイズ多層化」なのですが、XR事業、web3事業に力を入れるとあります。具体的にはプレスリリースにもありますが、バーチャルイベント「SANRIO Virtual Festival」、「Charaforio(キャラフォリオ)」の訳ですが、ここでBrave groupと提携するということですね。

サンリオといえば、ハローキティなどのサンリオキャラなどのグッズを思い浮かべますが、サンリオはグッズ事業に頼り過ぎたことを反省しています。

サンリオはグッズ依存から抜け出そうと海外での強化、マネタイズの多層化を図っていますが、Brave groupはRIOT MUSIC、Smarprise、Brave picturesなど音楽、グッズ、ゲーム、メタバースエンジン、アニメスタジオなどエンタメビジネスの多種多様な機能を持っており、サンリオとして良いパートナーになれる企業なのです。

今週のニュースは以上です。分析、所感は間違っている理解や知識があるかもしれませんので、もし気づいたらご指摘ください・・・。それでは、また来週お会いしましょう!

いいなと思ったら応援しよう!

村田泰祐
いただいたサポートは書籍購入費に充てます!