「リベラル思想の限界と欠陥」あるいは「リベラル思想という河豚{旨いけど調理を誤ると死ぬ}」

より

上記文抜粋
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階級や格差の固定化、社会的地位上昇機会の喪失がもたらす「新しいかたちの貴族制」を徹底分析した『新しい封建制がやってくる:グローバル中流階級への警告』(ジョエル・コトキン著)が、このほど上梓された。「これから世界がどのようなディストピアになるか」について書かれた本書を、思想家の内田樹氏が読み解く。

「意識高い系」がもたらす「新しい封建制」

本書のタイトルから2つのことがわかる。「新しい封建制」が切迫していること。それによって最も大きな負の影響を受けるのがミドルクラスだということである。

少し前に東洋経済オンラインで紹介した『WOKE CAPITALISM「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』と問題意識の多くは共通している。

超富裕層への富の集中、テックジャイアントの国家化、左右のポピュリズムの興隆、ミドルクラスの没落と民主主義の機能不全……どれも最近のアメリカの書物や論文に頻出する文字列である。でも、さすがに「封建制」まで踏み込んだ用例を私は知らない。さて、「新しい封建制」とは何か。

「今日、アメリカその他の国で出現しつつあるのは、新しいかたちの貴族制である。というのも、脱工業経済のもとで、富が少数者の手に集中する傾向がますます強まっているからだ。社会の階層化が進み、多くの人びとにとって社会的上昇の機会が狭まりつつある。(…)社会的上昇の道が閉ざされようとしているなか、自由主義的資本主義(liberal capitalism)モデルは世界中で魅力が褪せていき、いくつかの新しい教義が現れつつある。その一つが、新しい封建制(neo-feudalism)とでも呼ぶべきものを支持する教義である。」(36頁)

世界中の富を占有しているのはテックジャイアントのCEOたちをはじめとする「寡頭支配者(oligarchs)」である。

「世界人口の上位0.1%が保有する世界の富の割合は、1978年には7%であったが、2012年には22%にまで増加したとされる。(…)2030年には、上位1%の富裕層が世界の富の3分の2を支配することになると予想されている。」(37頁)

この寡頭支配を理論的に正当化する仕事を担っているのが「有識者(clerisy)」たちである。中世の封建制では聖職者が担ったこの役割を、現代世界では学者、メディア知識人、宗教指導者たちが演じている。アベ・シエイエスの区分を借りれば、彼らが第一身分と第二身分に当たる。

そして、かつてフランス革命の主体となった第三身分の「平民たち」は現代では中流階級と労働者階級の2つに分かたれる。本書はこの「平民たち」に向けて、「立ち上がって寡頭支配と闘え」と訴えるために書かれている。

ただ、いきなり結論を言って申し訳ないが、本書はたしかに寡頭支配の現状については詳細に記述しているが、「平民たち」がどう運動を組織し、どのような綱領の下に連帯して、闘うことができるのかについての具体的な提言は特にしていない。

もちろん、「どうやって革命を始めるか」を知りたくてビジネス書を手に取る人はあまりいないから、それは本書の瑕疵ではない。その代わり、これから世界がどういうディストピアになるかについて、著者はなかなか豊かな想像力を駆使してくれている。

『すばらしい新世界』と『1984』

英米人にはディストピアを詳細に描くことに異能を発揮する人が時々いる。オルダス・ハクスリー(『すばらしい新世界』)とジョージ・オーウェル(『1984』)がその代表格であるが、テクノロジーの暴走的進化によって世界が焦土になり、人類が未開状態に退化するという「ディストピアSF」はアメリカ人の独擅場である。「ディストピアと化したアメリカ」を描いたSF映画を私はたぶん100本は観ている。

なぜアメリカ人はディストピアを描くのがこんなに好きなのか。私は個人的な仮説を一つ持っている。それは「ディストピアを詳細に描くことによって、ディストピアの到来を阻止できる」という信仰をアメリカ人は深く内面化しているということである。現に、核戦争でアメリカが滅びる話を何百回も繰り返して語ってきたこの80年間、核戦争は起きなかった。

私は著者ジョエル・コトキンも、そのような信仰に涵養されて育った人ではないかと思う。だから、「ディストピアの実相」を描くことにはきわめて熱情的だが、「どうやって革命を始めるか」についてはあまり知的リソースを割く必要を感じなかったのだと思う。「ディストピアの実相を描くこと」そのものが「ディストピア到来阻止闘争」のきわめて有効な形態であるとアメリカでは広く信じられているからである。

だから、この本には「これでもか、これでもか」と現代資本主義の許し難い実相が(非体系的に)描かれるが、話がだんだん深まるとか、前段の記述を踏まえてその後に思いがけない仮説が展開する……というようなことは(あまり)ない。最初の章と最後の章でもだいたい同じことが書いてある。

でも、その代わりにどこから読んでもよい。どこかの頁をぱらりと開いて、そこに驚くべきことが書いてあったら、赤線を引いて、それを知らぬ人たちに告げ知らせることができるし、たぶんそういう読み方を著者自身が望んでいるのだと思う。

フランスのGDPに匹敵するGAFAの純資産額

この本で繰り返し強調されていることは3つある。一つは格差の拡大、一つは民主主義の危機、もう一つが「バラモン左翼」による言説支配である。とりあえずコトキンの主張を順番に紹介してゆこう。まずは格差の拡大について。

「2018年までに、テック企業4社(アップル、アマゾン、アルファベット[グーグル]、フェイスブック)の純資産の合計は、(…)フランスのGDPに匹敵する額に達した。世界で最も資産価値の高い企業10社のうち7社がテック業界に属している。テックジャイアントとも呼ばれる巨大テック企業は、巨額の個人資産を生み出しており、地球上で最も裕福な20人のうち8人はテック業界で財を成した人びとである。40歳以下の富豪13人のうち9人がテック業界の人間であり、しかも全員がカリフォルニアに住んでいる。」(75頁)

そんなことになっているとは知らなかった。全員がカリフォルニアですか。そして、この富の集中は雇用の消失をもたらしている。

「テクノロジー主導の社会では、科学や技術に秀でた『選民』とその他大勢の格差が広がる傾向にある。今日、10億ドル規模のビジネスを立ち上げようと思えば、コーダーや金融の専門家、マーケティングの達人など、ごく少数の集団で十分であり、ブルーカラーや中間管理職はあまり必要ない。」(68-69頁)

デジタル企業の創業者へのインタビューによると、「創業者らの多くは、『少数の非常に才能豊かな人や独創的な人が経済的富のますます多くの部分を生み出すようになり、その他の人びとは単発・短期の仕事を請け負う“ギグ・ワーク”で収入を得つつ、政府の援助を受けながら生活していくのだろう』と考えているようである。」(85頁)

「お払い箱」になった労働者たちは当然貧困化する。

「カリフォルニア州の社会秩序を特徴づけているのは、いまや流動性(社会的上昇)ではなく、階層化である。(…)米国勢調査局によると、カリフォルニア州の貧困率は全米で最も高くなったという。(…)カリフォルニア州の3分の1近くの家庭が、請求書の支払いをするのがやっとの状態であることが明らかになった。現在、カリフォルニア州の住民のうち800万人(うち児童200万人)が貧困にあえいでいる。」(98頁)

「貧困にあえぐ」ことの実相は以下のとおり。

「グーグルなどの企業で働く下流階級や中流階級の労働者の多くは、トレーラーハウスを駐車場に停めて生活しており、車の中で寝泊まりする者もいる。シリコンバレーには、全米最大級のホームレスの野営地がある。」(102頁)

「アメリカのギグワーカーのうち、30代後半から40代(家族形成に最も適した年齢層)のおよそ3分の2が生活費の支払いに苦しんでいる。カリフォルニア州では、ギグワーカーの半数近くが貧困ライン以下で生活している。」(200頁)

啓蒙専制君主のように「開明的」

ただし、この格差の拡大を「寡頭支配者たち」は座視しているわけではない。経済的に過度に窮乏化すると労働者たちが「鉄鎖の他に失うものはない」と自暴自棄になって反乱を起こすリスクがあるからだ。そこで「テック企業の巨頭たちの多くは、過去のビジネスリーダーとは対照的に、福祉国家の拡充を基本的に支持している。」(85頁) 

ここがポイントである。現在のテックジャイアントたちは「金ぴか時代」の富豪たちのような非道な守銭奴ではない。彼らは社会的弱者の生活を気づかい、気候変動や人権やLGBTについても「意識の高さ」を示す。株主に高額の配当をすることよりも、「国民の意識や政策に影響を与えること」(169頁)にむしろ関心を持っている。彼らはかつての啓蒙専制君主のように「開明的」なのである。

「ビジネスリーダーたちのこうした傾向は、寡頭支配層を有識者層(弁護士、学者、メディア関係者など)に近づける」(170頁)

こうして、「芸術家と科学者」の連携が成り立つ。テックオリガルヒと有識者による世界支配という「新しい封建制」がやってくる。

「このモデルは寡頭制社会主義(oligarchical socialism)と呼ぶのが最もふさわしい。資源の再分配は、労働者階級と衰退する中流階級の物質的要求を満たすことになるであろうが、社会的上昇が促されることはなく、寡頭勢力の支配が脅かされることもないであろう。」(86頁)

寡頭支配者たちは「政治的に正しい」政策を現行の国民国家の政府よりも手際よく実行することができる(なにしろ個人資産がそのへんの国民国家のGDPを超えるのである)。

カール・ローズの『WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』も同じことを指摘していた。

一般市民が合法的に自分たちの利益になる政策実現をめざす場合には、政党や労働組合や市民運動を組織し、議会に代表を送り、法律を採択させて、政府に実行させる……という手間をかけなければいけない。でも、「開明的な」寡頭支配者に懇願して、彼らが「いいよ」と言ってくれて政策がすぐに実現するとしたら、民主主義などという手間暇をかける必要があるだろうか?

賢い独裁者が平民の要求を実現してくれるなら民主主義は要らない。そういう考え方もできるだろう。そして、テックジャイアントたちは「わりと賢い独裁者」のように見える。だったら……。

こういう考え方は明らかに民主主義の土台を掘り崩すものだ。でも、こういう主張はもうアメリカでは珍しくない。

つい先日読んだ「世界はAIを統治できるのか」という論文の著者は「大手テクノロジー企業は、自らが創造したデジタル領域において、事実上の独立した主権をもつアクターとして行動してきた」と認めている(Foreign Affairs Report, No.10, 2023, p.47)。

自分たちが開発したテクノロジーがどんなもので、何ができるかを完全に理解しているのは企業だけである。そのテクノロジーが軍事転用されて地政学的関係を一変させたり、完全な国民監視システムを創り上げたり、大規模な雇用消失をもたらすリスクがある以上、テックジャイアントはもう「従来の主権概念を超えた」存在であると言わなければならない。

もし、これから先、AI規制の国際的な協定を策定する気なら、企業のCEOたちを交渉のテーブルに政府と同じステイタスで招くしかない。その時、テックジャイアントは単立の国民国家と同格の政治的アクターに叙任される。

「世界統制官」を担う「バラモン左翼」

かくして、民主主義はテクノロジーの進化ゆえにかつてない危機に瀕している。この民主主義の無効を理論的に正当化しているのが知的エリートたちである。

彼らは「世界統制官(World Controllers)」(これはハクスリーの『すばらしい新世界』に出てくる職名である)の役を担う。「教師、コンサルタント、弁護士、政府職員、医療従事者など、物質的生産以外のしごとに従事している労働者」(111頁)が、世論形成に深く関与して、かつてカトリックの聖職者たちがしたように寡頭支配の「正当性付与者」として働くのである。

コトキンが「バラモン左翼」と命名するこの「有識者」たちはとりわけ大学に巣くって、若者たちを洗脳しているらしい。

「1990年に『リベラル』または『極左』を自認する教授の割合は全体の42%であったという。2014年になるとその割合は60%にまで跳ね上がった。数年後、一流大学51校を調査したところ、リベラル派と保守派の比率は最低でも8対1、開きのあるところでは70対1であることがわかった。(…)ハーバード、イェール、スタンフォード、コロンビア、バークレーなど、国のリーダーを多数輩出している名門ロースクールの教授陣のうち自らを保守派と称しているのは10%にも満たない。」(129-130頁)

思わず「ほんとかよ」とのけぞるような数値だが、このデータが本当ならば、アメリカのアカデミアは「ほとんどイデオロギーの再教育キャンプのようなもの」であり、「大学は、オープンマインドな知識人を養成するのではなく、狂ったように福音を説く説教者まがいの次世代の活動家を育てている」(131頁)という著者の指摘は正しいであろう。

「意識低い」労働者と連帯できない「知的エリート」

コトキンによれば、その結果、学生たちはもう古典を読まず、歴史を知らず、批判精神を失い、強権に従属し、言論の自由の制限さえ受け入れる傾向が強いとされる(134頁)。

若者たちが民主主義に愛想をつかして、強権的な政体に惹かれているという指摘は確かに現代の政治文化の一面をとらえていると私も思う。現に、「マイノリティに不快を与えるとみなされる言論の規制にミレニアル世代の約40%が賛成」(134頁)しているというのは日本についても妥当すると思う。

とりわけ「環境保護主義」の若者たちは異説に対してはなはだ非寛容である。しかるに、寡頭支配者たちはこの「政治的に正しい」イデオロギーに対してはなぜかずいぶんと親和的な構えを示している。つまり、環境保護主義については、支配者と知的エリートの若者たちの間では意思一致が成り立っている。

でも、過激な環境保護主義によってとりわけ忍耐や不便や支出を強いられるのは、貧しさゆえに「環境にやさしくないライフスタイル」(例えばガソリン車を移動手段に使うような)を取らざるを得ないミドルクラスや労働者たちである。

現代の知的エリートたちはもう「意識低い」労働者たちとの連帯を受け入れない。かくして、プロレタリアとその同伴知識人たちの間の「150年以上にわたる連携は終わる」。それは階級闘争の時代は終わったということである。階級闘争を通じての資源の再分配よりもより効率的でフェアな分配方法を寡頭支配者と有識者が設計してくれる時代が到来する。

テックオリガルヒとバラモン左翼の脳内で構想されている未来社会はおそらく「多くの人が望まない未来」(262頁)になるであろうとコトキンは予測する。富が一極集中し、都市化が進み、家族が減少し、社会的流動性は失われ、政策立案はエリートに委ねられ、民意は政策決定に際して考慮されなくなる。

というのは、例えば気候変動に対するアプローチは市民生活に「戦時体制」に類するきびしい生活上の不利益と制約を要求することになるが、それが実現できるのは強権的な政体だけだからである。コトキンによれば、「問題が複雑になればなるほど、民衆の意見を無視したエリート主導の解決策が必要になる」という「寡頭制の鉄則」がこれからの統治の基本になる。(280頁)

「新しい封建制」の到来を阻止するのは日本なのか

民主主義にとっては絶望的な話ばかりだけれども、果たして現代の第三身分に革命のチャンスはあるのだろうか? これについてコトキンはほとんど実用的な知見を伝えてくれない。

「今日求められているのは、中流・労働者階級にとっての機会の拡大という第三身分の向上心に応えることを主眼とする新しいかたちの政治である」(284頁)とコトキンは書くが、それは「病気になったら、めざすべきは健康である」というのとあまり変わらない。まったくその通りであるけれど、でも、どうやって?

疑問符を頭上に点じながら最終頁までたどりついたところで、コトキンはいきなりこんなことを書いて私の度肝を抜いてくれた。

「日本は、たとえ経済の成長が止まっても、その代わりに精神的なものや生活の質の問題に関心を向けられる高所得国のモデルとなっていると考える学者もいる。日本は将来世界を征服するようなことはないであろうが、高齢化が急速に進む一方で快適な暮らしが送れる、アジアにおけるスイスのような存在になりうると考えている専門家もいる。」(290頁)

ちょっと待ってくれ。日本が「新しい封建制」の到来を阻止する橋頭堡になりうるなどという話をここでいきなり振られても困る。

いや、たしかに世界各国の富裕層の人たちが「精神的なもの」や治安のよさや美食や温泉やスキー場を楽しむために日本を訪れ、「アジアのスイスだな、ここは」と満足顔をするということはもうすでに起きている。

でも、その場合のわれわれ日本人の未来は「富裕層向けリゾートの下働き」として「アジアのスイス」を下支えするというなんだかあまり楽しくなさそうなものに私には思えてしまうのだが。

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抜粋終わり

意識が高い~てのは、実は「思い上がった傲慢」なのですは。

魔境みたいなもの。

多くの「知識人」なり「指導層」が、「魔境の住人」である。

一番手っ取り早いのは、そういう奴らを放伐することである。

この「意識高い」てのは、リベラル思想の一つの「到達点」であると思う。

その「リベラル思想」は。元来は「西欧近代の富裕層が、自分の資産を守るための思想」であったのですよね。

そういう風に発達したり発展すると、当然「自分ら以外の人間を家畜化して保育し飼育する」ってなるのも、必然と思う。

それを別の方向で爆発的に「逝っちゃった」のが、クメールルージュのポルポト派による大虐殺なのですは。


その「リベラル」の欠陥とそれを覆い隠した欺瞞。あるいは「リベラル思想」が「キリスト教改革派」の出自を誤魔化してきた、おおくの詐欺・謀略・殺戮が、露わになりだしている。

まあこの「リベラル思想」自体が、「キリスト教改革派」っていう、邪教の欺瞞の思想でもあったのだから・・・キリシタンの内田樹氏が、上記のコラムを書いているのも、その表徴かもしれない。

イスラエルという「西欧&キリスト教の欺瞞の象徴」・・・・・・・・

より

上記文抜粋
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ウクライナ代理戦争とガザ虐殺は、西側の偽善と道徳的破産を致命的に露呈している⚡️SCF

その他1616

Ukraine Proxy War & Gaza Genocide Fatally Expose Western Hypocrisy and Moral Bankruptcy — Strategic Culture

Strategic Culture:10/11/2023

西洋が支配する古い秩序は、莫大な痛みや苦しみが伴うにもかかわらず、終わらせなければならない。

欧米の指導者や機関は、パレスチナ人に対する大量虐殺に加担したことで、前例のない不評を買っている。これは、ウクライナにおけるNATOの代理戦争によって、さらに増幅されている。

西側の戦争犯罪への加担が暴露されただけでなく、西側の指導者たちの衝撃的な二重基準と偽善が全世界に公開されている。彼らは嘘つきで、精神病質者で、犯罪者なのだ。

私たちが目撃しているのは、深く歴史的なことである。民主的で道徳的な権威があると思われていた西側のイメージが、大きく崩れ去ったのだ。

世界中で、イスラエル国軍によるガザやヨルダン川西岸でのひどい民間人虐殺に反対する大規模な抗議行動が起きている。ワシントンDC、ロンドン、ベルリン、パリを含むヨーロッパと北米の都市では、何百万人もの市民が抗議のデモ行進を行っている。イスラエルによる国家犯罪だけでなく、同様に重要なことだが、パレスチナ人の大量殺戮を助長している自国政府の堕落した罪の意識にも抗議している。

民衆の怒りは、政府や議会内の一般職員や外交官、その他の労働者たちによってさえも表明されている。労働者たちによる抗議は、イスラエルに西側の武器を輸送する港を封鎖した。欧米のメディア企業内のジャーナリストたちも、組織の偏向報道を糾弾し、妥協に満ちた報道が大量虐殺を幇助していると訴えている。

ジョー・バイデン米大統領をはじめとする欧米の指導者たちは、大量虐殺に加担しているとして、公衆の面前で罵声を浴びせられている。抗議者の中には、ユダヤ人団体やナチスのホロコーストを生き延びた個人もいる。

国民の怒りに拍車をかけているのは、抗議行動は違法だと主張する西側機関の反動的な反応である。当局は、デモ参加者がテロリストのシンパであり反ユダヤ主義者であるという非難されるべき主張に基づいて、デモ行進を禁止しようとしているが、失敗している。大量虐殺を非難するために動員された何百万人もの一般市民に対するこのような中傷は、欧米の政府やメディアに対する軽蔑をさらに募らせるだけだ。

ガザでは、野蛮で凶悪な市民(主に女性と子ども)の大量殺戮が、4週間以上にわたってノンストップで続いている。10月7日、パレスチナの過激派組織ハマスがイスラエル人を数百人殺害したことが引き金となったが、その後の大量虐殺にはまったく不釣り合いだ。40,000人以上のパレスチナ市民が殺害され、負傷したと報告されている。封鎖された領域では、230万人の全人口が非道的な集団的懲罰を受けている。米国とNATOの兵器を使ったイスラエルの砲撃による子供の殺害は、特に恐ろしい。

米国、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、主要7カ国(G7)はいずれも、この虐殺に対する停戦を求めることを拒否している。その代わりに「人道的な一時停止」を要求しており、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権は最近、自国民の反乱を恐れる欧米の指導者たちからの圧力で、間違いなくこれを受け入れている。しかし、このような哀れな「一時停止」は、侮辱に侮辱を重ねるだけだ。

ロシアや中国、国連の大多数を含む全世界が、罪のない人々の大量殺戮を即刻やめるよう求めているのだ。再軍備やさらなる殺戮の連鎖のための無意味な「一時停止」ではない。西側諸国政府によって実現されたシオニスト政権による数十年にわたる卑劣な占領と侵略に耐えてきたパレスチナの人々のために、歴史的な正義を求める新たな激しい呼びかけが世界中で行われている。

アメリカの武器は、アメリカの納税者が負担し、特権的なドル騒動によって間接的に世界の他の国々も負担している。そしてアメリカ政府は、140億ドルの追加援助によって殺戮マシンの供給を増やすつもりだ。バイデンのホワイトハウスと国防総省は、イスラエルがアメリカの火力をどのように使うかを抑制するためのレッドラインはないと堂々と言っている。すでに25,000トンの爆薬がガザに投下されているが、これは1945年8月にアメリカが広島に投下した原爆2発分の威力に相当する。

この地域に集結しているのは、原子力空母を含む米国とNATOの軍艦による強大な艦隊である。自衛権」というインチキな主張のもとで、イスラエルを支援するという米国とNATO政府の公式立場を考えれば、西側諸国が大量虐殺を全面的に支援していることは避けようがない。この忌まわしい政策は、西側諸国民と全世界にとって明白である。

西側諸国の指導者、政府、メディアの偽善と二枚舌は、彼らが戦争犯罪人であるとして非難されている。ほんの数カ月前まで、同じ西側の大物たちは、ウクライナでの戦争犯罪の疑いでロシアを非難していた。バイデン、フォン・デル・ライエン、ショルツ、マクロン、スナク、そしてその他の西側諸国の指導者たちは、ウクライナに対するロシアの犯罪の疑いについて敬虔な説教をしていた。

ロシアがNATOに支援されたキエフ政権をほぼ打ち破った今、西側メディアや西側政府による戦争についての言及はほとんどない。

それにもかかわらず、驚くべきことは、西側の指導者たちの間に、パレスチナにおける大規模な戦争犯罪に対する真の懸念がないことである。

バイデンと西側の共犯者たちは、イスラエルの国家テロを武器化し支援しながら、「罪のない死を悼む」ことについて話している。

ガザとヨルダン川西岸で起きている蛮行は衝撃的だ。さらに忌まわしいのは、大量虐殺を可能にした西側諸国の明確な罪である。

この犯罪が明らかにしているのは、西側国家権力の絶対的な凶悪性である。イスラエル政権の犯罪は、西側帝国主義の現れであり、西側権力の真のグロテスクで腐敗した本質である。何十年もの間、実に何世紀もの間、アメリカとヨーロッパのパートナーたちは、民主主義の模範であるかのように見せかけ、同時に地球上の他の国々を搾取し、堕落させてきた。

そして今、その欺瞞と腐敗が完全に露呈している。戦争に明け暮れた植民地主義と帝国主義の歴史は、メディアの支配と自称する魅力によって、あまりにもしばしば隠蔽されてきた。集団的西側」(世界的な少数派エリート)が本当は何を目指しているのか、それは死と破壊なのだ。

大きな問題は、巨大な国民の怒りと軽蔑が、どこまで、どこへ向かうのかということだ。歴史的な反乱が進行中だ。次に何が起こるのか?民主主義を装って西側諸国を支配してきた資本主義寡頭政治の退廃的独裁政権を打倒するために、建設的に動員することができるのだろうか?

ひとつ明らかなことがある。西側のエリートシステムは、修復や再生が不可能なほど損傷している。パレスチナ人民の十字架刑は、パンドラの箱を作り出した。西側の腐敗は、深く、組織的で、歴史的な腐敗である。

欧米列強の大量虐殺的犯罪は、今度ばかりは見過ごすことも説明することもできない。二枚舌と破綻は、根幹にダメージを与える。

しかし最終的には、より良く、より公平で公正な世界への希望が持てるかもしれない。しかし、まず第一に、西洋に支配された古い秩序は、莫大な苦痛と苦悩を伴うにもかかわらず、終わらせなければならない。

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抜粋終わり

今後「欧米人が、世界政治の指導的に立つ」こと自体が、忌避されるようになるだろう。

NWO・世界政府って構想すら、「白い悪魔の遺産」として、葬り去られるだろう。

WOKE・意識高い・という言葉を、もっと蔑称として使うべきなのである。

より

上記文抜粋
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女性や子どもの殺戮を止めるように訴えた直後、市民殺害を肯定した仏大統領

 10月7日にパレスチナの武装グループがイスラエルを攻撃する前、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフは汚職容疑で逮捕、起訴は免れないと言われていた。この点、スキャンダルまみれのジョー・バイデン大統領と立場は似ている。バイデンの場合、ウクライナでロシアに敗れた事実を隠しきれなくなったという問題も生じている。

 ハマスの攻撃は「奇襲」だとされたが、ガザが強制収容所化している現実を知っているイスラエル人は政府の主張を怪しんだであろうが、さらに、イスラエルの新聞ハーレツなどはイスラエル軍が侵入した武装集団と一緒に人質のイスラエル人を砲撃したり戦闘ヘリで攻撃したと伝えている。イスラエル市民をイスラエル軍は殺害したということだ。(​ココ​や​ココ​)

 また、攻撃が始まった直後、イスラエルの子ども40人が斬首されたという話が流れ、アメリカのジョー・バイデン大統領やイスラエルのニル・バルカット経済相も子ども40人の斬首話を広めたのだが、作り話だったことがすぐ判明している。

 その一方、ハマスの攻撃を口実にしてイスラエル軍が始めた攻撃は民族浄化作戦にほかならない。空爆で脅してガザの住民をエジプトへ、ヨルダン川西岸の住民をヨルダンへイスラエルは移住させようとしていたようだが、これは実現できず、地上戦を戦わなければならなくなった。たとえハマスとイスラエルとの間で話し合いができていたとしても、イスラム世界で燃え上がった怒りの炎は簡単に消えないだろう。

 そうした怒りはイスラム世界を超え、世界に広がっている。フランスでもイスラエル軍による虐殺に抗議する声が高まり、エマニュエル・マクロン大統領はイスラエルに対し、ガザの女性や子どもを殺さないように訴えざるをえなくなるのだが、ほどなくしてマクロンはイスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領に対し、イスラエルによるパレスチナ市民の殺害を批判しているわけではないと「弁明」している。

 欧米帝国主義の終焉は近いようだ。

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抜粋終わり

より

上記文抜粋
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ロシアのパレスチナへの公式な方針転換 (ルンバよりは賢い積り)
2023-11-13 22:44:31
 ロシアからの移民が多数いるイスラエル に対して、ロシアはある程度「温和な」態度を示してきていました。
 が、ついに、態度をはっきりさせたとのことです。

引用した最後の部分は、ここの主さんが言う
「イスラエルの最善の落としどころとしては、1993年オスロ合意しかなかったが、欲を出し過ぎて自分から滅亡に向かってまっしぐらに暴走しています。
そもそもオスロ合意とは冷戦崩壊で後ろ盾を失ったPLOが無きの涙で調印した極度にパレスチナが譲歩した一方歴な代物。本来は1994年の全人種による総選挙の南アと同じ一人一票の民主主義の大原則しか円満解決の方法はありません。正当な、全ての難民の帰還権を認めれば、イスラエルは即座に崩壊します」
(rakitarouのきままな日常 への投稿よりコピペ)と近いようでもあり、近くないようでもありです。

[Russia's Public Pivot to Palestine by Pepe Escobar]で検索してください。November 7, 2023

日本語訳は「耕助のブログ」さんの
[No. 1973 ロシアのパレスチナへの公式な方針転換]にあります。

英語検索でヒットする The Intel Drop で読むのでしたら、いろいろ便利です。

ごく一部抜粋引用。

>> ロシアのプーチン大統領が10月30日、自国の安全保障理事会{1}、政府高官、安全保障機関のトップに対して直接演説したものである。

>> プーチンは明確な言葉で「米国とその衛星国の現在の支配エリートたち」を、「その血みどろの利益を得るために利用している世界的な不安定状態の主要な恩恵者」と表現した。「彼らの戦略も明らかだ。世界の超大国としてのアメリカは弱体化し、その地位を失いつつあり、世界経済の動向から判断しても、誰が見てもそれを理解している」

>> プーチン‥‥‥「米国とその衛星の支配エリート層がパレスチナ人の悲劇、中東全般における大虐殺、ウクライナ紛争、そしてアフガニスタン、イラク、シリアなど、世界の多くの紛争の背後にいる」ともう一度繰り返し強調した

>> プーチンの演説の2日後、パレスチナに関する国連特別総会でロシアの国連常任代表ワシーリー・ネベンジャが示したイスラエルとパレスチナに関するロシアの公式見解である。

ネベンジャはイスラエルは占領国であり、「自衛権」を有していないことを明確にした。これは2004年の国連国際裁判所の協議判決によって裏付けられた事実である。

当時、同裁判所は15票中14票でイスラエルが東エルサレムを含む占領地パレスチナに巨大な壁を建設したことは国際法違反だと判断した。

>> ネベンジャは法的な観点からテルアビブやNATOが延々と言い募る「自衛権」の主張を無効にしたのである。

>> ネベンジャが国連に介入した2日後のセルゲイ・ラブロフ外相とクウェートのサバ・アルサバ外相との記者会見{5}

>> ラブロフははっきりと述べた。「アラブ世界の一致した意見を知ることは、我々にとって基本的に重要になるだろう」。これはワシントンに臣従するスンニ派政権を特にターゲットにしたメッセージだ。そして、彼らが行動を共にするようになれば、「この非常に困難な問題に対するアラブの解決策を支持する」となるのだ。

>> 地図を見ればわかることだが、ヨルダン川西岸からガザ地区までの2国家による解決策は現実的な目的からすれば、もはや破綻している。多極化の指導者たちにとってそれを認めるのは心が痛むことかもしれない。シオニスト・プロジェクトにとって唯一の実行可能な解決策が、ユダヤ人とアラブ人が平和に共存する単一国家という至上命題であることを認識するには、時間がかかるだろうし、公の場での言論も変化するだろう。

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抜粋終わり

「米国とその衛星国の現在の支配エリートたち」=「その血みどろの利益を得るために利用している世界的な不安定状態の主要な恩恵者」

=WOKE・意識高い系

私は、今でも愚かな「自由と民主主義を信奉する」リベラルでもあると思う。

でも、それを「生のまま食って、死ね」とかいう意識高い系や似非知識人・「米国とその衛星国の現在の支配エリートたち」=「その血みどろの利益を得るために利用している世界的な不安定状態の主要な恩恵者」の言いなりになるのは、ごめん被る。

リベラル思想は普遍性もあるが「西欧の金持ちの守銭奴思想」「キリスト教改革派」って猛毒が確実に含まれていている。

それを「適切な調理無し」で食うという、自殺をするのは、断固拒否する。

それが「リベラル」なり、理性的態度だよね。

欧米の破壊と天皇消滅が、人類存続の大きな条件。

天皇の無い 蒼い空を取り戻す

慈悲と憐みの富む社会になりますように。

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