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初めてのタイ② ~宿を探せ~
無事カオサンロードに着いたもののここで重大なことに気づく。
宿を取っていないのだ。
ここから宿探しという重大ミッションが始まる。
宿を探し始めたもののその前に何かを食べなければと思いご飯屋を探した。
といってもカオサンには屋台やレストランなどご飯屋はいたるところにある。
だがメニューが読めないのだ。
写真を見てもそれが何の肉でどうやって調理されているかがわからない。
つまりここでいうご飯屋というのは普通の飲食店ではなく「自分が理解できるご飯がある」ところである。
しばらく路地をうろうろすると一軒のレストランが目に入った。
もう空腹に耐えられなくなっていた僕はそのままレストランへと入る。
席へ案内されメニューを見るが案の定文字が読めない。
その中にカレーのページがあり「カレーなら大丈夫だろう」と思い注文する。
運ばれてきたカレーは少しスープのような感じでスパイスの匂いが食欲をそそった。
この黄色いカレー「ゲーンカリー」を前に僕は一つの疑問が浮かび上がる。
タイってご飯どうやって食べるんだっけ…
手…?
周囲の客を見渡しみんながスプーンとフォークを使っているのを確認し一安心した。
食事を終え宿探しが始まる。
今思い返せばこのレストランの二階がゲストハウスになっていた。
そこでもよかったのだが当時の僕には「飲食店の真上にゲストハウスがあるるわけがない」と思い込み店を後にしてしまった
しばらく歩いたがどの宿に入っていいかわからない。
HOTEL、GUEST HOUSE、旅社…
様々な文字が目に入る。
目の前の通りを渡り、マーケットのような場所にたどりついた。
その中央に一軒のゲストハウスが建っていた。
拙い英語で受付で空き部屋があるか尋ねる。
部屋を見せてもらい値段の確認。
それが高いのか安いのかもわからなかったがもはや歩き疲れた僕は他の宿でも同じことをするのが面倒になり、そのまま宿を決めたのであった。
うろ覚えだがたしか一泊350バーツだったような気がする。
これで一安心。
そう思い部屋でリュックをおろしテレビをつける。
聞き慣れないタイ語が流れているニュースをボケーっと見ながらふと思う。
何かを忘れている気がする…
………
Wi-Fiだ!!
LINEには珍しくたくさんの通知がきていた。
僕をタイに向かわせたOが率いる「(僕を)見届ける会」というグループラインはたくさんのメッセージであふれかえっていた。
「もう離陸したかな」
「今ごろ沖縄の上通過してんのかな」
「もうそろそろ到着だよな」
「入国審査通過したかな」
「あれ?既読つかねぇぞ」
「おい、もうとっくに着いてるよな」
「え、死んだ?」
「トラブルに巻き込まれてたりしないよな…」
etc…
到着した旨を伝えここに至るまでの経緯を話した。
皆自分のことのように喜んでいるのがわかった。
さてこれからどうするか。
ひとまず汗だくになったシャツを洗おう。
そう思いシャワールームに向かいノズルを回すがここでもタイの洗礼を受けた。
シャワーの水圧がとにかく弱いのだ。
シャワーヘッドを立てようものなら水がすぐ下に落ちていく。
そしてなかなかお湯が出ない。
だがそんなことも言ってられない。
床のタイルにシャツを置きボディソープを染み込ませ、足で踏むというアナログな方法で洗濯をしていった。
こうしてタイ初日はなんとか無事に過ぎていった。
明日は何をしようか…
そう考えているうちに気づけばベッドの上で寝てしまっていた。