【レポ】映画「コンフィデンスマンJP~英雄編~」の世界へようこそ
1月14日。仕事終わりのレイトショー。公開日に見てきました、「コンフィデンスマンJP~英雄編~」。TVドラマから映画になり、「ロマンス編」「プリンセス編」に続くシリーズ第3弾。
僕はこの作品を見るためにFOD(フジオンデマンド)に一時的に加入し、わざわざDVDを買うほどこのシリーズが大好きでして、英雄編もめちゃくちゃ楽しみにしておりました。
感想を結論から言うと、「めちゃんこ良かった」です!
ストーリー
というわけで、コンフィデンスマンであるメインキャスト・ダー子・ボクちゃん・リチャードがそれぞれ敵として戦うという筋書き。3人同士の戦いって新鮮。さらに3名の「ルーツ」に触れます。
3作目ともなると「コンフィデンスマンやから、どうせどんでん返しがあるんやろう」と思って見てしまうファン。どんでん返しが来るのは分かっているけど、どんな方法で、どこまでが筋書きなのか。期待する裏切りに応えつつ、その期待を超えるってなかなかハードル高いです。
インターポール、スペインマフィア、日本の警察、通りすがり。どれが「ダー子の子猫ちゃん」なのか。それとも全員ガチの敵なのか。はたまたメイン3名の誰かが・・・。
途中まで、リチャードの出番がなさ過ぎるわ、出てきたら出てきたでダークな雰囲気やわで怪しさムンムンに感じてました。五十嵐も3人それぞれのスパイみたいに動くし。でもやっぱり通りすがりの真木よう子さんが4代目ツチノコを名乗る敵かなあとか、松重さんも怪しいなあ、いやインターポールの瀬戸くんが怪しい・・・ゲストがやっぱり怪しいかと、脚本通りに踊らされた客は僕です。
そして幸楽のお父さ・・・じゃなくてツチノコの角野さんとのやり取りを通して深堀されるメイン3名。数々の騙し合いでお宝をものにしてきた3人が本当に欲しいものは何か。本当に大事なモノは何か。
・・・と言いつつ、最終的にボクちゃん以外は「筋書き」なので、実のところは分からなくて、結局つかみどころがない感じで終わるのもコンフィデンスマンらしいなと思います。キャラのミステリアスな部分も魅力ですからね。もどかしいけど、全部解明されちゃったら魅力半減。
驚異的な伏線回収、騙し合いの醍醐味とも言える「ロマンス編」。感動要素もありつつ「嘘と真実」という作品のテーマを深堀した「プリンセス編」。
それに続く第3弾ということで結構ハードルが高い中、よくぞ越えた、という感じ。
登場人物それぞれの視点で章立てされていて、最後に大どんでん返し、というだけでなく、序盤中盤でも伏線回収・・・に見せかけた伏線演出が面白かったです。
映画3作でそれぞれ良さが違うのが良くて、「英雄編」としての独自のアプローチと、シリーズお約束のあれこれが散りばめられててGOODでした。
お約束のあれこれ
「目に見えるものが真実とは限らない」から始まる、シリーズお約束のタイトルコール。これ聞くとまさに「コンフィデンスマンの世界へようこそ」されるんですよね。毎回テーマに即して中身が変わるのも面白いんです。
確か今回は①「織田信長は本当に本能寺で死んだのか」、②「ナポレオンの辞書に不可能の文字はなかったのか」、③「チンギスハンはジンギスカンを食べたことがあるのか」だったと思います(細かいニュアンス違うかも)。「英雄」にちなんでますね。
その他、蔑ろにされる五十嵐、結局いいようにされるボクちゃん、いいとこどりする波子、ダー子に完全に遊ばれている赤星。札束銃。いつものお約束も、しつこいと白けますが、いい塩梅で入ってました。「お、きたきた」と、クスっと笑えるくらいがちょうどよいですね。
エンドロール後のお約束、ホー・ナムシェン。今回は2.5次元ミュージカルというから、〇ニプリみたいなのイメージしてたら、まさかの鳥獣戯画。〇イオンキングでした。アイドル、時代劇と来て行きついた先。何でもありやな。メイクが割とガチのCATSメイクでクオリティが高かったです。ばっちり松重さんや城田くん、生田さんも出てます。
キャスト
「豪華な俳優の豪華な使い方」と言われるキャスティング。
メインゲストのマルセル(瀬戸康史)、ゴンザレス(城田優)、麗奈(生田絵梨花)、丹波(松重豊)、よきご活躍でした。
特にマルセルはMVPですね。終盤の隠しきれない小物感含めて、良い悪役。着用しているスーツの色が徐々に変わっていくのが「ネタ晴らし感」がありました。あとメイクしているとはいえ、瀬戸くん肌がきれいです(そこ?)。
過去作ゲストとしては「プリンセス編」メインのミシェル/コックリ(関水渚)。普段ちゃんとフウ家当主を演じていても、コックリの姿に戻るとコックリになるんですね。それにしてもちゃんと当主として活躍しているようですごいですね。嘘から出た実とはこのこと。
そして名物。ちょい役が豪華すぎる件。
ジョージ松原(山田孝之)はもうお約束レベルですが、真木よう子、高嶋政宏、徳永えり。そしてセリフすらなく写真だけの阿部寛。結局阿部さんはなんやったんやろう…。もしかして次作の伏線?
あとマルセルの側近が厚切りジェイソンだということに、エンドロールで気付きました。メガネ取ったらただのイケメン俳優やないか。Why Atsugiri Jason!!
そして。出演はもちろんないのですが、名前だけ出てくるスター(竹内結子)とジェシー(三浦春馬)。「ロマンス編」のメインゲストでもあり、ダー子に深く関係する人物という設定でした。
序盤に「身の危険を察知して身を隠した」と言及されていたので、これで出番は完全に終わりかなあと思っていたら、まさかの終盤にヘルプ役として出てきて、ちょっと泣きそうになりました。というか泣いた。
「英雄編」だけに、まさに「スター」なんかは出番いくらでもあったやろうに…と思うと悲しいですが、姿は出てこないけどちゃんと存在していて、無理な登場でもなく白々しくない。すごくさりげない、お二人への愛情を感じられる「出演」でした。
第4弾はあるのか
というわけで、コンフィデンスマン第3作「英雄編」の感想でした。きっとDVDも発売してくれるはずなので、楽しみに待ちたいと思います。早ければ秋冬くらいかな?
そして第4弾をばぜひに、と願っています。僕はあまりドラマとかハマらない人間なのですが、コンフィデンスマンは珍しくドはまりした作品なので、第4弾でも第100弾でも楽しみにしています。
全部ストーリー分かった上で、もう1回見に行こうかなあ。