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【CRAの勉強日記⑴】がんの基礎知識

こんにちは。
前にも以下の記事で紹介しましたが、毎日ホットクックに感動しているTaishiです。
作業時間10分で自炊できます…!ほぼなんでも簡単に作れます。えぐい…。

さて、本日の記事ですが、Oncology(がん領域)について記載します。
いつもカジュアルな内容ですが、今日は少し専門性が高めです。

というのも、私は会社で主に腸疾患を専門にしているのですが、皮膚疾患とがん領域も少しずつ担当しています。

そんな中、本日会社より、

「がん領域を担当している者に対して、2月中旬に試験を行う」(阿笠博士の声)

との通達が。
半端に担当している私も受講することになりました。まずい。

とはいえ、がん領域の勉強は一年目からしてきましたし、
いっそこれを機に勉強し直そう!!!と決心しました。

折角noteをやっているので、きっと需要があるだろうと、備忘録として定期的に載せていこうと思いました。

医療関係でない方も、噛み砕いて分かりやすく記載しますので、ぜひ読んでみてください!!!!

◆「がん」について

【がん細胞の特徴】
誰もが知っているがん細胞。では、何が恐ろしいのでしょうか。
がん細胞の恐ろしい特徴を、3点お伝えいたします。

1.自律性増殖:がん細胞は通常の細胞のことを考えず、勝手に増殖を続けてしまいます。
2.浸潤と転移:周囲に滲み出るように広がるのが浸潤、身体のあちこちに飛び火するのが転移です。これらによって新しいがん組織を作ります。
3.悪液質:正常組織が接種するはずの栄養を奪い、身体が衰弱します。

【がん細胞が生まれる理由】
人の身体は60兆個の細胞でできており、毎日細胞分裂により新しく生まれ変わっています。

この時、タバコや紫外線といった危険因子によって、細胞の設計図である遺伝子に変異が起こり、コピーミスによりがん細胞ができることがあります。

そして実は、人の身体では毎日5000個のがん細胞ができています
それらを、免疫監視細胞と呼ばれる細胞たちが壊すことで、人はがんにならずに生きていられるのです。

【がんの原因】
細胞のコピーミスを多く生み出したり、それを壊す免疫系を弱らせる要因ががんの主な原因として挙げられます。

寄与割合が最も高いものが、喫煙と成人期の食事・肥満で各30%ずつとなっており、
健康を害するイメージのもの=がんの可能性を上げる原因、と考えていただければと思います。

【がんが発生してから症状が出るまでの期間】
がん細胞が発生した段階では0.01mm程度で、10〜20年ほどをかけて細胞数約10億個、大きさにして1cmほどとなります。そのあたりから、検査で認知できるようになり、徐々に症状として現れてきます。

その後1〜5年を育成期と呼び、がん細胞がどんどん大きくなっていきます。次第に治療の効果が出にくくなり、最悪死亡する可能性が上がっていきます。

【がんの表記方法】
がん:cancer。全ての悪性腫瘍の総称です。
癌:carcinoma。「上皮組織」にできる悪性腫瘍です。
肉腫:sarcoma。筋肉や骨など「非上皮生」の部位にできる悪性腫瘍です。

上記より、「がん」と平仮名で表記するのが一般的です。

◆「がん」治療の目的

【抗がん剤投与の目的】
以下4つのどれかの目的で使用されます。
A群:治癒→急性骨髄性/リンパ性白血病、ホジキン/非ホジキンリンパ腫
B群:延命→乳がん、卵巣がん、小細胞肺がん、大腸がん、多発性骨髄腫
C群:症状緩和→頭頸部がん、食道がん、子宮がん、胃がん、前立腺がん
D群:期待が小さい→甲状腺がん

【がん3大治療法】
★化学療法
★手術療法との関わり→術前・術後補助化学療法という形で化学療法が行われます。
★放射線療法との関わり→化学放射線療法という形で化学療法が行われます。

◆抗がん剤が利く理由

【がん細胞の増殖速度】
G1期(DNA合成準備期)
→S期(DNA合成期)
→G2期(分裂準備期)
→M期(分裂期)
(→G0期(分裂停止))
→G1期………

通常の細胞は上記のように増殖していきますが、がん細胞の一部はG0期に留まる傾向にあります。
がん細胞は通常の細胞、特に造血系の細胞分裂よりも遅いです。
→抗がん剤を投与した際、細胞死が起きるが、造血系の細胞は早期に回復が可能なため、頻回な投与によりがん細胞の減少を図ることができます。

【抗がん剤の分類】
主に以下3種類です。近年、違った分類のものも多く作られています。
○殺細胞性薬剤:アルキル化薬、白金製剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーぜ阻害薬、微小管阻害薬、抗腫瘍抗生物質
○ホルモン療法薬
○分子標的薬:低分子/高分子化合物

◆NortonーSimon仮説

【NortonーSimon仮説】
Gompertzian model:腫瘍量が少ない時は増殖速度が速く、薬剤による殺細胞量は多いが、腫瘍量が多くなるにつれ薬剤による殺細胞数は少なくなるという仮説です。
→腫瘍量が少ない=増殖速度も減少速度も速い=関数的な殺細胞量が得られます。
→これは、微小な腫瘍を根絶する考え方である「術後化学療法(Adjuvant chemotherapy」の背景となっています。
また、同様の理由より、投与感覚を短く集中することで、高い抗腫瘍効果を得ることができます。

◆がん薬物療法適応の大原則

【がん薬物療法適応の4大原則】
以下4つを満たすことで初めて、薬物療法をすることが可能となります。
①当該がん種に対して標準的治療、もしくはそれに準じる治療として確立されていること
②栄養状態、performance status(PS)が良好なこと
③適切な臓器機能を有すること
④インフォームドコンセントが得られていること

【performance status(PS)】
患者様の状態に合わせて、以下4つに分類されます。
0:全く問題なく活動できる。
1:歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。
2:日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3:日中の50%以上はベッドか椅子で過ごす。
4:全く動けない。完全にベッドが椅子で過ごす。
→基本的にPS2以下の症例ががん化学療法の適応


いかがでしたでしょうか。

この勉強は自分のためなのですが、がんは誰しもがなり得る病気なので、一人でも多くの人に、きちんとした知識を持っていて欲しいと思っています。

実は、私の母も最近乳がんと診断され、手術したばかりです。
幸い初期で発見できましたが、祖父も祖母も父もみんな若いうちにがんを経験しており、私も人ごとではないと思っています。

少しでも多くの方のためになればいいなと思って、しばらく書き続けようかなと思います。
たまに違う記事も書きます。漫画とかYoutubeとか。

ではでは、よい健康ライフを。

サポートいただけますととても嬉しいです!!いつもありがとうございます。