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人についての短文

人は座標のようなものだと思う。
物理的にも、同じ座標に居続ける他人は存在しない。
その座標から見た認識は、すべて独自のものを含んでいる。

時間的に見れば、座標はなにかを指し示しているように見える。
私たちはなんとなくそのなにか、もしくは座標にむかって進んでいるように見えて、舟から深い海の底に下ろされている錨を中心にして、伸ばされたロープによって円運動をしている。
平衡によって錨が外れたら、次の錨を中心に円運動を始める。

私たちは座標からの視界を持っていて、座標の位置を上空から眺める視点も持っている。
しかし、座標からの視点と上空からの視点は分離していない。
上空だけでなく、あらゆる場所に偏在しているにもかかわらず、一つの点として存在している。

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