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予防業務の仕事内容について④外郭団体の育成編

消防の仕事といえば、消火活動や救急・救助といった現場活動をイメージされる方が多いかもしれません。

しかし、消防には影の立役者ともいえる「予防業務」という仕事があるんです。一般の方からすれば、印象が薄い仕事かもしれませんが、私は予防系消防士として、この仕事を世に広めていきたい。

ということで、シリーズ第4弾「外郭団体の育成編」です。これこそ、知る人ぞ知る分野なのではないでしょうか。

そして今回はシリーズの最終編となります。



消防の外郭団体とは?

そもそも、消防の外郭団体って何⁈というところから入っていきたいと思います。これは、ザックリいうと”消防と連携して防火防災に取り組む団体”です。

消防の内部組織ではなく、別組織なのですが、その活動や事業を補完するなど消防と緊密な関係の組織です。
人事面においても、組織の事務局を消防職員が務めるなど、事実上消防側が動かしているケースも多くあります。

具体的には、「少年消防クラブ」や「女性防火クラブ」といった組織が有名なところです。これらは、全国的に組織されており、県単位で連絡協議会をもち、連携や情報交換を行うことで活動の活性化に努めています。

さらに、全国単位でも全国少年クラブ交流会や女性防火クラブ全国集会などの活動が行われており、もしかしたら「子供の頃参加したよ!」という方がおられるかもしれません。

どんな仕事をしているのか

では、実際にこれらの外郭団体の活動に消防職員がどのように関わっているのかをお伝えしていきます。

それぞれの団体においては防火防災の研修が主な活動内容になってきます。

例えば、少年消防クラブでは夏休み期間を利用して「サマーキャンプ」を行い、消防士体験を行ったりします。私の所属する本部では消防学校の施設を活用し、放水体験や救助訓練の体験といった取り組みを行っています。

また、女性防火クラブでは、防火防災についての研修会を消防局で行い、自発的に学びを深めてもらったり、視察研修で県外の防災施設の見学に行ったりするなどの取り組みを行っています。

これは私の所属本部の一例なので、自治体ごとに多種多様な活動があると思います。いずれにしても、消防職員が事務局を務めるなど、団体の活動の中核を担っており、活動の企画・運営等の業務を行っているといえます。

女性防火クラブの組織改革に関する記事が防災情報誌に取り上げられましたので、リンクを貼らせていただきます。

団体の組織運営について同じような悩みを抱えている消防本部の方には参考になると思います。

↑2023年10月号「北から南から」のコーナーに記事が掲載されています

まとめ

今回は「外郭団体の育成業務」について書かせていただきました。

前シリーズで紹介させていただいた「査察業務」や「審査・検査業務」は法令に基づき仕事を進めることに加え、”規制する”という意味合いが強い業務内容でした。

打って変わって今回の「外郭団体の育成業務」は様々な世代の方々と関わり、火災予防や防災について学んでもらう場を作っていく業務です。
ここでは、コミュニケーション能力やプレゼン能力が問われます。

正解がないだけに難しさもありますが、クリエイティブな仕事であり、人に何かを教えたり伝えたりすることにはやりがいを感じます。

現役の消防士の方々も興味を持たれた方は一度やってみることをおすすめします。そして、これから消防士を目指す方もキャリアの参考にしていただければ幸いです。

最後まで記事を読んでくださりありがとうございました。


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