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子宮全摘出(開腹手術)手術から後日談

手術当日から退院までを整理してみました。


1)手術当日(2024年10月1日)

当初11時くらいを予定していた手術の開始時間は、前の手術がおしたようで結果的に13:30ころになった。手術日前日、夕方に下剤飲んで繊維質の少ない夕食を済ませてから21時より絶食絶飲。(その時は、2日間の我慢!と思ってたけど、7日間続くことに。)当日は朝から浣腸(人生初)して腸の中を綺麗にして手術を待つのみで、することがないので、とりあえずエコノミー症候群にならないための圧着タイツを履いて、歯を磨いたり、トイレ行ったりして時間を潰す。朝の説明では手術後に点滴の管を入れると聞いていたけれど、「変更になりました。」と言って研修医さんに点滴の針を装着される。これ、私からみてもはっきりと緊張しているんだな、ってわかるくらい何度も血管を触って確認して、消毒した後にももう一回触って確認して、ていうくらい何度も確認しながらやってくれた。内心、本当に大丈夫かな?って思ったけど、この点滴針には、この後、10日間、退院の2日前までお世話になることに。

手術の準備ができて、いよいよ手術後に身につける褌みたいなパンツとか腹帯、バスタオルなどを持って、浴衣型の入院着を着て看護師さんに付き添われて手術室へ。ドラマとかでベッドとかストレッチャーで移動する場面見てたけど、現実はもっと自力移動で、自分の髪キャップとかは自分でする、とか何気にへぇと感心。

準備が整い、言われるがままに身につけているものはパンツ一丁(バスタオルをかけた状態)で手術台に上がり、最後にもう一度、執刀医と麻酔医に挨拶をしたら点滴針の確認などしてから、早速吸引マスクを被せられる。緑のマスクが口と鼻を覆うように乗せられて、今から注入しますね、と言われた途端に吸気麻酔薬?と思われる独特な匂い、同時に点滴にも麻酔入ってるんですか?って確か聞いて、もう入ってますよ、と言われたあたりで記憶がとだえ、次に気づいた時には手術がおわった後のことだった。

2)手術で発覚した癒着、いろいろな予定外

手術後、麻酔が薄らいで目が覚めた時、なんかすごい体に違和感、執刀医より、腸と癒着してたのを剥がすのに時間がかかったこと、これから1週間は絶食となること、入院期間は1週間前後の予定だったのが2週間となること、姉が面会にこようとしてたけど時間に間に合わず今日はもう面会が無理なこと、などが告げられた。13時頃に手術が始まり、3時間の予定だったからまだ16時くらいの予定だったのが、もうすでに18時を回っている様子。(実際手術室は窓もないから外の様子とかわからないんだけど、部屋に戻る途中か周りの雰囲気でもう夜になっている感じがした。また、後から聞いた話、私がまだ麻酔が覚めていない時に、母に対して医師からの説明は、直腸にも癒着があったということ、母はそれを聞いて、今後、人工肛門が必要な体になっちゃったのか?とえらく心配したらしい。)

私はなんだか時間感覚も身体の感覚も違和感しかなくて、気持ち悪さが込み上げてきたり、深呼吸をするように言われても出来なくて、体が震え出すと言う謎の事態に。取り敢えず、深呼吸をして落ち着くように言われ、吐き気がするならば、と、吐き気どめが、いつの間にか装着されていた右手の甲の点滴用針から注入され、なんとなく落ち着く。それでも尿管の違和感が一番大きかったけどそれは翌朝まで仕方ないのでなんとか気にしないように意識を散らして安静状態になってベッドに移し替えられて自分の病室へ。
酸素マスクは手術後5時間してないといけないと言うことで、口の上に乗せられていたものの、固定されてなくて置かれているだけの状態でどんどんズレてくる。そしてそのせいでiPhoneの顔認証が使えず、片手でパスコードも打てず、ロックが解除できない。足にはフットマッサージが装着されてずっと動いてるんだけど、膝を少し立てたりすることはできるので試みるも、角度によっては尿管の存在感がアップ。寝返りは可と言われても、両わきばらにドレーンが一本ずつ入ってるからなんか怖くて動けず、口の中は乾いて気持ち悪いし、あまりきちんと眠れずに翌朝まで耐える。

悶々とあまり眠れずに目が覚めた朝、巡回の看護師さんよりまず第一声が、お水は飲んで良いと言えことで、ペットボトル買ってきてもらう。自分で歩けるなら尿ドレーンを外せますけど、どうしますか?の問いには、一も二もなくぜひ今すぐに外して下さい!と回答。順番がいまいちはっきり思い出せないが、手術後に初めて飲んだ水、歯磨き、尿ドレーンを外された感覚の3つは手術後最初の希望の光というか、ものすごくありがたく感じた。

尿のドレーンを抜かれたらとりあえず自分の足でトイレに行かないといけない。電動ベットを使わないと起き上がれないくらい体が重く感じるし、ちょっとでもお腹に力入れようとすると痛みが走る状態なので、とにかくゆっくり時間をかけて、お腹には力を入れないように腕の力を利用して、看護師さんが見守る中ベットの端に座り、靴を履く。この時ほど、自分のベットがトイレまで最短距離に位置していることに心から感謝する。それと、トイレに行くたびに尿の量を測らないといけない。手術前は紙コップで何度かやってて、ちょっと大変だけどまぁできる、という感じだったけど、手術から丸一日くらいは便座に座るのもお腹にくるので、看護師さんに便座の下に計量用の変形洗面器みたいなものをセットしてもらうことに。なので毎回ナースコールするんだけどそれが申し訳なかったな。。。三日間は尿の量を記録する必要があったので、徐々に1人でできるようになって2日目の後半くらいからは自分でトイレをいけるようになり、ちょっとホッとした。

3)手術から7日間の絶食

癒着などがなかった場合は、手術後2日目から流動食が食べられるらしいが、癒着が多かったために腸を休ませて、経過を観察する必要があるということで、7日間は水だけしか口にできない。手術後に説明されてわかってはいたものの、病室の他の人には食事が運ばれてきて、その匂いが漂う病室のベットで水を飲むことしかできない、という状況は結構辛かった。
そして、そんな中でもおならと排便を確認できるまでは腸の働きが再開したと言えないため、漢方薬が処方される。水だけしか飲んでない口の中に、ご飯がわりに入ってくる漢方薬、ほんと嫌だった。。。その上、腸の動きが活発になると、何もないのにガスが移動するのでお腹が痛い。。。手術前の下剤でほとんど何もないはずなのに、なぜかちょっとずつ便が出る不思議。排便もちゃんとできてるので!ということを主張して、漢方薬は結構早めに飲まなくていいことになった。その勢いで、絶食期間も短くならないかなーと思ったけど、結局短縮されることはなく7日間きっかり絶食となった。

食事ができないのに漢方薬を飲んでいる間は、漢方の味が口に残るのが嫌で、薬を飲んだらとにかく歯を磨くを習慣にしていた。何も口にしていないせいか、この頃舌に生えている?白い突起みたいなものがフサフサに育っていた(気がした)。なんか気持ち悪かったので、歯を磨くついでに舌も歯ブラシで綺麗にしたり、とにかく気を紛らわせるようにして過ごした。

そして、水もただペットボトルのものを飲むだけでなく、冷たい水は口の中で少し温めてから飲む、朝一は病棟にある電子レンジで人肌より温かいくらいの温度にして飲む、など、温度を変えて楽しんでいた。負け惜しみ?かもしれないけど、水のおいしさを再認識できた貴重な経験だった。絶食期間中は、水をいかにおいしく飲めるか試してみたり、可能な限り病院内を歩き、傷の痛みが和らぐことや、ベッドの昇降機能を使わずに起き上がれるようになったりすることに喜びを感じながら、ひたすら耐える時間だった。手術直後、両手に点滴の針が刺されていて、お腹の左右に一本ずつドレーンがつながっているという状態から、右手の点滴が抜かれ、左側のドレーンが抜かれた頃にやっと流動食が開始に。

絶食期間中に大いに気を紛らわしてくれたのは洗髪タイム。手術から3日間くらいは前屈みになるのも辛そうだったし、どこまでお願いしていいのかよくわからなかったため、髪がべたっとなっていくのを感じながら、もうちょい我慢できるかなー。と思っていた。(入院初心者?だと、トイレの補助とかの本当に必要なこと以外は看護師さんにどういう頻度でどういうふうにお願いするのが良いのかわからず。。。)何にせよ、ドレーンが抜けるまではシャワーもだめだったため、この洗髪タイムと、温タオルをもらって体を拭きながら着替える時間が本当にありがたかった。特に手術から4、5日くらいは夜中に寝汗をかいて、気持ち悪くて起きる、ということもしばしばあったので、朝一の検温の時に時間があるときに温タオルと着替えの補助(左手の点滴はずっとあったため、点滴を外してもらわないと着替えられない)をお願いして、着替えタイムを心待ちにする日々だった。そう言えば、最初の頃は蒸しタオルを顔に当てると居酒屋に行きたくなって、ちょっと辛くなっていた時もあったなぁ。済んでしまえば大したことでないさりげないこと一つ一つに一喜一憂している時だったなぁ。

4)ドレーンや点滴が抜けていく。やっと!!

最大で両腕に点滴、左右の脇腹に一本ずつドレーンが入ってて、全部で4本管が入ってた。右手の甲に入っていた点滴針は、抗生物質など注入する用で、手術の2日後くらいに外れたけど、そのあとはしばらく3本の管はなかなか抜けなかった。
10月8日(手術7日後)、手術からきっかり1週間。午前中に管が細い方のドレーン(お腹の臓器と皮下脂肪の間に入っている)が抜かれ、お昼ご飯から流動食が開始に。流動食を食べた後に、ドレーンから濁った液が出てきた場合は、腸が損傷しているということなので、再度絶食になります。と言われていて、もしそうなったら精神的にキツそう。。。とちょっと心配だったのだけど。。。なんとか二度目の絶食は回避できて、3食流動食をいただく。医師からは、「流動食って言っても、本当に液体であまり美味しいものでもないので申し訳ないですが。。。」と言われていたのだけど、7日間水飲みで過ごしていた口と胃にとっては、ものすごく久々の味がついている食事が!という感覚でもの薄味の重湯と、普通の塩味のコンソメスープが、ものすごくおいしく感じる。そして、胃や腸がてんやわんやになっている感じも伝わってくる。普段の一食とは比べ物にならないくらいの少量の食事ではあるけど、時間をかけてゆっくりいただいて、改めて食べ物のありがたみに感謝。流動食を3食続けた後、3食3分粥、3食5分粥を経て、普通食に移行していく模様。
この日の夜に左手の点滴が抜かれた。ああ、やっとこれで自分で着替えができるし、下着もつけれる。夜に寝汗かいても大丈夫。と、一気に解放された気分に。

10月9日(手術8日後)、流動食を食べてもドレーンから濁った液は確認されず、腸は問題なく回復している模様。この日の午前中に手術後初の診察を受け、一番太くて気になる存在だった右側のドレーン(ダグラス窩に入れられていた。詳細はこちら>> https://www.kango-roo.com/learning/4312/ )が抜かれ、ついにチューブなしの体に!ついでに、週明けになるのかと思っていた退院日が2日後の10月11日に決定。退院後に家事を手伝いに東京に来てくれることになっていた母親に退院日を伝えたり、今後の予定を相談したりして俄かに色々動き出した感じ。食事は、この日のお昼から3分粥に。徐々に普通の食事に近づいてくる感じが嬉しい。食事のメニューには、消化器手術後食と書かれていて、もう完全に子宮の手術じゃなくなってる!と心の中でつっこむことに。

10月10日(手術9日後)、食事も普通に食べてかまわなくなった、ということで職場の先輩2人がお見舞いに来てくれた(本当は、1週間前に来てもらう予定だったけどもまだ絶食中だったため予定変更に)。美味しいスイーツを差し入れに準備してくれていたようだったのだけど、病院で出される食事も完食できないくらい食欲がなかったので、食べ物の差し入れは無しにしてもらい(会社に来ていた人たちに分配されたらしく、後から何故かお礼を言われた)、病院の下にあるスタバでコーヒー飲むにとどめる。絶食期間中もたまに香ってくるコーヒーの匂いに刺激されていたけど、やっとそういうものを口にできる状態になれたことを改めて実感する。

5)手術後10日で退院、帰宅後の落とし穴

退院直前はほぼ普通に歩ける状態になっていたので、時間がある限りは病院の中をひたすら歩き、お腹が痛くなったら休んでちょっと本を読んだり、仕事をする、という時間を過ごしていた。普通に開腹手術をした人はもうすでに退院しているタイミングだったので、結構動けたし、かなり回復した状態だと思っていた。

病院から家までは、ちょうどいい公共交通機関がないこともあって、奮発してタクシーで。これは意味で何度か入院経験のある姉からのアドバイスに従ったのだけど、本当にそうしてよかった。料金も(事前にチェックしてたから大体目処がついてたけど)2000円いかなくてホッとした。

問題は、その後。帰宅後に油断したのが非常に良くなかった。退院の時は一人だったので荷物を全部自分で持つ必要があるのだが、重い荷物を持つのは結構お腹にくる。
家に帰ってから、食べるものがないから最寄りのスーパーに買い出しに行こうとするも、果てしなく遠く感じる。でもお腹も空いたし、入院中に食べれなかったものも食べたい、と結構無理してもうちょっと近いマイバスケットへ買い出しに。牛乳やヨーグルトなどの定番食材と、お惣菜2、3パック買っただけなんだけど、ものすごく荷物が重く感じる。病院で、最後の方は1日7000歩くらい歩けてたけど、あれは荷物がない状態だったし、全然違うのね、と改めて日頃意識せずに腹筋が活躍していることを認識。ご飯を食べ終わる頃にはもう疲れ切り、お腹も痛み出す始末。退院するタイミングは選べたのだけど、こんなことならお昼ご飯を食べた後に退院にすればよかったかも、という後悔の念が湧いてきた。

10月12日(手術11日後)、退院の翌日には、入院中に見舞いに来れなかった叔母と、退院後の家事などを助けてくれる母が来ることになっていたため、さらにちょっと無理をしてしまい、お昼前には顔面蒼白に。結局、この日と次の日まで夜は熱をだして寝込むことに。
この時の教訓:退院しても全快じゃない。無理はダメ、ぜったい。

6)手術から4週間

退院後に無理して発熱した後、不正出血やらちょっと食物繊維多めの食事を摂るとお腹痛くなるやら、お酒は飲めないやらで、いつになったら日常に戻れるのだろうかと後ろ向きになったりしつつも、痛みがない範囲で歩いたり、疲れない範囲で仕事したり、ちょっとずつ体力を取り戻していくようやれることをやってきた。

10月29日、手術から4週間経った時点で、お腹の傷は一部テープば剥がれてもう表面の皮膚はくっついて傷跡が残っているだけの部分もある状態(手術時に貼られたテープは自然に剥がれるまでそのままにするよう言われているので大部分は貼ったまま)になり、1日で9000歩くらい歩いても特に痛みや熱なども出てこない状況に。食欲はすっかり元通りだけど、食欲のままに食事をすると、高確率でお腹(多分小腸)が痛くなるので、普段の半分くらいの量にとどめている状態。
一つ嬉しかったのが体重の減少。入院した当日の体重から、1週間後にはマイナス2キロちょい(子宮をとったし、絶食期間中だったから当然と言えば当然)で、その後点滴が外れて常食に戻った頃にはさらに2キロくらいマイナスで、入院時の体重から4キロちょっとマイナスをキープ。
絶食1週間は結構辛かったけど、医師に管理されながら断食道場に行ったと思えば、予期せぬ貴重な経験をさせてもらった、と思える。次回の診察通院まで後3週間弱あるので、それまでは今の生活を維持して、体重も維持したいものだ。

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