結局、君何がやりたいの?
「結局、君何がやりたいの?」
これは、僕に対して周囲の人が感じていることだと思う。
2020年は多くの人とプロジェクトを進めなければ、僕が実現したい社会をつくれないと考えている。
そこで、このnoteでは、なぜするのか(Why)・どのようにするのか(How)・何をするのか(What)をお伝えしたい。
前提として、僕の人生のミッションは【教育格差の縮小】である。
Why:なぜ教育格差を縮小したいのか
JICA海外協力隊として東アフリカのエチオピアで教育普及活動に従事していたときの衝撃的な体験が僕を強く動かしている。
エチオピアでは、日本とは違い、路上でたくさんのストリートチルドレンが物乞いをしていた。
物乞いをしている子どもたちの中には手足がなく、地面を這って声をかけてくる子どももいる。
毎日同じ場所で、同じ人が、同じように物乞いをしている。
そんな光景が広がると感覚がマヒしてきて、次第になんとも思わなくなっていたが、ある雨が降っていた日だけは何か違和感を感じた。
いつも路上にいるはずの手足のない子どもや大人の姿が見えなかったからだ。
「彼らは普段、どこから来てどうやって帰っているのだろうか?車いすなどを持っているようには見えないので、誰かがこの場所まで連れてこないと移動できないのではないか?」
この問をきっかけに知った衝撃的な事実が僕の人生の価値観を変えた。
その事実とは、物乞いのために手足を切り落とされる子どもがいるということ。
「乞食マフィア」と呼ばれる犯罪組織が、より儲かるからという理由だけで、通行人からの同情を誘うために子どもの手足を切断しているというのだ。
「こんなことがあっていいのか?」僕はそう思った。
それと同時に、自分の置かれてきた環境なんて、めちゃくちゃ恵まれた環境だったんだと気付かされた。
僕は鹿児島県の田舎の経済的に苦しい家庭で育った。
母親の年収は平均的だったが、父親がパチンコやスナックでつくった借金を代わりに返済していたからだ。
僕自身は、大学受験の失敗を機に完全に腐ってしまった。
大学時代は「自分もどうせ父親のような人生を送るのか」と勝手に絶望し、毎日のように酒を飲み、浮気をし、借りていた奨学金を握りしめてパチンコ屋に向かう日々を送った。
しかし、エチオピアでの衝撃的な事実を知って、僕は本当に自分のことを恥じた。
物乞いのために手足を切断される子どもたちに比べたら、自分が生きてきた環境で人生を諦めるのは甘すぎるからだ。
僕は自分を恥じない生き方がしたいと思った。
だから、「生まれた環境によって人生が左右されてしまう」不条理を解決するために、これからの人生をかけて、この格差の問題に取り組んでいく。
How:どのように教育格差を縮小するのか
ここで一つの疑問が残ると思う。
なぜ「教育」なのか?ということだ。下図を見て欲しい。
例えば、日本の「母子世帯の貧困」という課題の場合、雇用システムや育児に対する偏った考え方などの様々な要因が複雑に絡まっている。
画像出所:「経済産業省次官・若手プロジェクト」資料
そのため、貧困が世代を超えて親から子へと受け継がれてしまう貧困の連鎖を断ち切るためには、親への経済的支援のような対処だけでは間に合わない。
対処だけでなく、予防していく必要があるのだ。
その予防となるのが子どもへの投資、つまり「教育」である。
経済学では教育は「投資」とみなされており、その投資対効果が1番高い幼児期の子どもに必要な支援を集める必要があると考えられる。(下図)
そのため、幼児期の子どもがいる家庭を中心にアプローチし、教育格差縮小を図る。
What:教育格差縮小のために何をするのか
そこで、2020年、僕は足立区を中心に2つの事業を展開する予定だ。
①足立区こども宅食
②シングルマザー「職住近接」
1つ目は、足立区こども宅食プロジェクトだ。
画像出所:足立区HP
現在、日本の子どもの7人に1人が貧困状態と言われており、足立区は未来へつなぐあだちプロジェクトとして、子どもの貧困対策を本格的にスタートさせている。
しかし、既存の支援方法には大きな課題がある。
それは、待っているだけでは本当に支援が必要な子どもたちにアプローチできないということだ。
必要な支援が届かなければ、どれだけ素晴らしい支援でも意味がない。
待つのではなく、食品提供をフックに支援が必要な子どもにアプローチし、既存の素晴らしい支援の仕組みとの接続を図る。
2つ目はシングルマザーの「職住近接」の実現だ。
平成28年厚生労働省が発表した「各種世帯の所得状況」によると、夫婦二人世帯の貧困率は10.7%なのに対し、シングルマザー・シングルファザーの貧困率は50.8%と半分以上の割合である。
僕は親から子への貧困の連鎖を断ち切るために、シングルマザーの貧困問題に取り組む。
上述したように、母子世帯の貧困の原因は様々な要因が複雑に絡み合っているが、育児と仕事を両立できずに低収入で働いているシングルマザーは多い。
そこで、居住地で働ける環境をつくることで、出勤という概念がなくなり、子どもの急なトラブルに対応できたり、フルタイムで働けるようになる。
結局、君何がやりたいの?
僕がやりたいことは、教育格差の縮小。
生まれた環境で人生が左右されてしまう現実を変えたい。
そのための事業を2030年までに現在世界の人口の約半分がいるアジアで、2050年までにアジアと同じくらいの人口になることが予測されているアフリカで展開する。
2020年は日本、特に足立区を中心に教育格差の縮小に取り組んでいく。
なので、この記事を読まれた方は、ぜひ足立区のキーパーソンや事業に関係のある方を紹介してほしい。