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「灰都ロヅメイグの夜」って?



 先日、生まれて初めて二次創作の小説などを書いていました。

 その小説の創作元となる小説「灰都ロヅメイグの夜」についてちと紹介したいと思います。

 「灰都ロヅメイグの夜」は「ニンジャスレイヤー」を代表作とする創作グループ「ダイハードテイルズ」の一人である杉ライカ氏が過去に公開していたダーク・ゴシック・ヒロイック・ファンタジ、<エターナル・ダスクス>シリーズの一編です。

 正確に言えば、その<エターナル・ダスクス>シリーズの内、呪われた隻腕剣士「グリンザール・スペルズベイン」を主人公とした<スペルズベイン・サガ>という物語があり、「灰都ロヅメイグの夜」(以下「ロヅメイグ」)はそのうちの一編という事になります。

 物語は主人公たる隻腕剣士「グリンザール」と相棒である隻眼詩人「ゼウド」が一仕事終えた後、拠点とする巨大積層都市ロヅメイグに何故か這う這うの体で帰還する所から始まります。

 そして今、謎に満ちた数奇な運命を宿すという意味で、この上なく灰都におあつらえ向きの、若き二人の探索者が、夜の街路橋を進んでいた。無慈悲なるエターナル・ダスクの荒野をゆく彷徨人にして、灰都ロヅメイグの雑踏の中にも生き、時に血みどろの修羅と怪奇の渦の中にも生き、だが決して何者にも賞賛を与えられることはない、暗い英雄の道のりを歩む二人の男だった。彼らは決して自らの信ずる運命と信念と美徳を失っては居なかったし、この世界で多くのものが辿る酩酊と停滞と退廃の道を進むこともなく、ゆえに堕落しても居なかった。しかし、これまで数多くの危難と、奇怪にして目眩むような冒険を潜り抜けてきた勇敢にして抜け目のない二人の放浪者にしては、此度は何事か様子が異なっているようではあるまいか……。(1)

 <永延の黄昏>とも称されるこの世界『エターナル・ダスク』の現状、彼ら二人の関係性、お互いに伏せている大目的と出生の秘密……ひとときの休息の中それらに触れつつ、彼らの過去が呼び込んだ因縁、かつての禍根が生んだ恐るべき復讐の牙がそれぞれに襲い掛かります。 それも、この世界の裏に蠢く忘れられし神秘を伴って……。

 <スペルズベイン・サガ>において時系列的に初期とされるこの作品は、<エターナル・ダスクス>の重厚なる世界観に触れるのに持ってこいの名作です。

 もし興味をそそられたならば、いくつか試し読み可能な章があるので、其方からこの世界の雰囲気に触れてみていただければ幸いです。

(1章は以降と違い、読者を「君」と呼びかける、かつてのゲームブックめいた物語となります。)


 極めて映像的な筆致で描かれる、血が跳ね、肉が千切れ、鉄が閃き、呪詛が紡がれる暗き黄昏の英雄譚。 貴方もこの永久に続く旅の道行きに、一歩踏み込んでみてはいかがでしょうか。


※(1):「灰都ロヅメイグの夜 2:我らが故郷」より引用。

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