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くらうぇい
2018年2月14日 07:37
剣士が一人、夜闇を歩く。既に月は昇り切り、そこらで騒がしかった多くの店も灯が消され始めた頃。ますます冷え込んできた夜風にフォロゼ式外套と波打つ漆黒の頭髪を揺らし、隻腕剣士グリンザールは道行く人に紛れ、街の片隅にある小さな酒場へと向かっていた。「おおい、竜の仔」酒場近くまで来たグリンザールの耳に、聞きなれた男の声が入ってくる。グリンザールは酒場の壁によりかかって蹲る灰毛長髪の隻眼詩人を見出して