頑張って霜降りせいや文春騒動を法的解釈してみる
※あくまで素人意見なので普通にめちゃくちゃ間違ってる可能性があります。指摘あれば直すし、どうしようもなく違う時は消します
法学部を卒業して1年がたち、職場で新たに覚えることも多くそもそも真面目に授業を受けていなかった人間からは法律知識はほぼ抜け落ちた……ところだったのだが、この度職場で形式的に設けられている「法務支援員」なるものに法学部出身という理由で選ばれてしまった。ちょっとは学び直さないとなーと思っていた所に今回の騒動だったので、自分の法学部時代の感覚を取り戻すのも兼ねて色々調べてみた。
(ここから書くのは法的なことでありモラルとかとは少しだけ離れたところの話なのでご了承ください)
1.せいやの行為について
zoomであれを見せる行為は、当てはまるとすれば「公然わいせつ罪」だろう。(準強制わいせつ罪を当てはめるには「強制」の要素が足りなさすぎる、zoom切ればええやんとなるので)
とりあえず「zoom 公然わいせつ」で出てくる記事を見てみる。(弁護士の署名もあるしある程度正しいとして見る。)
https://www.google.com/amp/s/news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/18252738/
この記事の肝は「インターネット上で1対1でも『公然』なのか?」というところで、記事ではアダルトチャットに関する裁判事案より「チャットの相手方が誰だかわからなくて入れ替わってもわからないし、利用者が増えてもわからないから不特定又は多数の者が試聴する可能性を排除できないので、公然である」という判例を紹介している。(この判例面白そうなのに調べてもこの記事くらいしかでてこなかった、わざわざ会社のパソコンの判例システムまでみたのに)zoomに関しては運営が監視してる噂もあったはずだし、そこの意味でも公然と言えるかもしれない。
そして記事の最後では、「全員が全裸で参加するというルールで行った」場合について、「公然性がある場合、全員について、公然わいせつ罪の共謀共同正犯を問われる可能性」があるとしている。つまり、公然わいせつに「見ている人の合意」は関係ない。(そもそも構成要件に合意はないし)
つまりせいやが勝手に見せたか女性側の合意があったかなんてのはせいや側の罪があるかないかには全く関係しない。ついでに公然わいせつ罪は非親告罪だから理論的には今からでも罪に問われる可能性はある。まあ実際は個人間で見せたくらいの話だと警察は捕まえにこないらしいけどね……
2.女性側と文春の対応について
現時点でハニートラップか一方的な見せつけかなんて分からないからそこには触れずに、女性と文春が確実にやった行為(女性:スクショして文春に渡す、文春:スクショを加工してネットに流す)について書く。
リベンジポルノ法(https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=426AC1000000126)を見てみると、第2条で「リベンジポルノにあたる画像とはなにか」、第3条で「なにをするとリベンジポルノなのか」が書かれている。
まず、第2条第3項では「私事性的画像記録」の1つとして「衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」と規定している。今回の画像で当てはまるとすればこれだが、モザイクがかかった状態でも「露出」といえるのだろうか?
そこで実際の判例を見てみると、リベンジポルノ法の最初の適用例の要約がでてくる。(https://www.tkc.jp/law/lawlibrary/saishin/2015/09/25540674)この判例は「被害者の胸等が写っている写真」を「被害者の顔や胸の一部にモザイク処理等を施し」てばらまいた事案である。この判例にのっとるのであれば、局部にモザイクをかけたとしてもリベンジポルノ法の対象となるだろう。
第3条に関しては、女性と文春で適用項目が変わってくる。文春は「2 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者」に当てはまり、女性は「3 前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者」に当てはまる。
そしてこの法律を最後まで読んでも、「ばら撒くに至った」経緯については一切触れられていない。つまりこちらについても先程と同様「(局部を見せた行為に)同意があったかは関係ない」のである。
リベンジポルノ法は親告罪なので、被害者側(つまりせいやさん)が被害届を出せば捜査が始まる。これまでも芸能人の性行為現場が週刊誌に載ったケースはあり、その時大事にならなかったから女性側も気軽に売ったのだろうが、性事情のスキャンダルで報道の自由と天秤にかけられるのはあくまで政治家などの場合で、芸能人の性事情を暴露して捕まらないのは芸能人側が訴えないからにすぎない。本当に被害にあってそれこそ「復讐」の意味で売ったのだとしたら、その方法は間違っていた、としか言いようがない。
余談だが、たとえ復讐の意志がなくてもリベンジポルノと認定された例があるらしい(wiki情報、例によって判例みつけられなかった)。つまりいぐちんランド事件も井口さんがその気になればリベンジポルノとして扱われうる。(噂によると無修正だったらしいしそもそも猥褻物陳列罪適用案件だけどね)
3.結論
合意がとれてようが一方的に見せられようが、Zoomでち○こは見せちゃいけないし、他人の自慰画像を売ってはいけません。
……もちろん本当に裁判になれば合意の有無は関係してくるけど、それはかける罰の重さを決める時であって、罪の有無自体は変わらないのではないか、と思われる。
「事実関係がブラックボックスの中にあるのにリベンジポルノと断定していいのか?」というツイートをいくつか見たけど、リベンジポルノに被害者側の落ち度は関係ない、という認識を持っておくことでもし自分が被害者になったときに余計に自分を責め立てることなく相手の責任を問えるから自衛のためにもきちんとした認識でいましょうね。あと間違っても自分が加害者側にならないようにしましょう。
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