東方見聞録~聖地巡礼の旅~(後編)
ドーモ、タイラダでんです。よくいらっしゃいましたね。
なんだかんだでおよそ1ヶ月経とうとしていますが、10月末の旅行の顛末記、その後編をお送りいたします。写真が多めなので多少重いかもしれません。ご了承あれ。
前編はこちら
1 3日目(10/30 豊橋~飯田線の旅)
さて皆さん、皆さんはアニメの聖地巡礼と言えばどちらを思い浮かべられますか? 大洗? 鷺宮神社? 佐賀県?
え? 南極……?
みなさんにとってはそうかも知れませんが、僕にとっては違います。僕にとっての聖地とは、そう、長野県にある「田切駅」なのです。
どの作品の聖地か知らない? そうかもしれません。この駅が舞台となった作品とは、今を去ること1991年に発売されたOVA『究極超人あ~る』だからです。実に28年前! グワーッ!
まめちしき……『究極超人あ~る』とはゆうきまさみ原作のSFギャグ漫画。私立春風高校に転校してきたアンドロイド「R・田中一郎」と彼の所属する光画部のドタバタな日常を描いた作品。「文化部にスポットを当てた作品」の先駆けともいわれる。
ここを最初に訪れたのは10年以上前でしょうか。聖地としては基本な~んにもなく、ホームの待機所にファンが書き込める大学ノートが置いてあるだけという状態でした。
ところが、去年の夏に作品のファン有志が非公式で「アニメ聖地巡礼発祥の地」なる碑を立ててしまったのですね。(ヘッダーの写真のやつです)
というわけで、3日目はこの碑を見に行くことにしました。
さて、目的地の田切駅ですが、JR飯田線(この路線自体がアニメの舞台でもあります)の駅になります。この飯田線、豊橋と長野県の辰野駅を結ぶ全長195Km、その区間に実に94駅(ほぼ無人駅)が存在するという、いろいろな意味で唯一無二の路線なのです。
田切駅は豊橋から数えて77駅目(たぶん。適当に数えましたので違っているかも)。各駅停車で行くと6時間程かかります。初めて訪れたときに切符売り場の駅員さんにガチで心配されたのはいい思い出ですな。
流石に今回は特急も利用しつつ田切駅に向かうこととします。それでも4時間強かかりますが。
さて、旅程は豊橋から特急『ワイドビュー伊那路』で天竜峡までいき、そこから各駅停車に乗り換えて……となります。
車窓からの一枚です。本当は横を流れる天竜川なんかを撮れると一番良いのでしょうが、この飯田線、車窓からの眺めは樹々→トンネル→樹々→トンネル(以下5回ほど繰り返し)→川!→カメラを構えたら樹々→トンネル(以下5回ほど繰り返し)という感じで、なかなか難しい。
しかし折角のいい眺め。出発から2時間ほどで到着した天竜峡駅で少し風景撮影に勤しむこととしました。
観光案内のような一枚になってしまいました。
いいお天気だったのがサイコーでしたね。
空も川面も、いい色をしていました。
……この撮影をしている最中に、ジョン久作さんから「逆噴射小説大賞」投稿作のタグが消えてしまっていることを指摘いただいて、あたふたスマホから修正したのもいい思い出です。
ジョンさん、いつもありがとうございます
そんなこんなでお乗り換え、各駅停車でさらに約2時間の旅路です。
……4時間も電車に揺られるのは大変ではないか、ですと? ダイジョーブダイジョーブ。そんなときの強い味方が僕にはいます。
(ドラえもんが道具を出すときの音)
『Kindleリーダー』~!
これさえあれば、たとえ一日中電車に揺られていても無問題ですよ! さあ、どれから読みましょうかねえ、とりあえず積んでいた(電子書籍でこの表現もおかしなものですが)『あなたの人生の物語』でも読みましょうかねえ。
あ、面白い……おっといけない、夢中になりすぎると乗り過ごしてしまうかもしれません。
いや、でも面白い……これは集中して読まなくては……
………
……
――って、到着しているではないですか! アブなーい!
と、いうわけで無事に目的地「田切駅」に到着です。
そしてこれが、アニメを見た人なら「おお」といい、見ていない人には何の感慨も抱かせない階段です。
聖地巡礼の醍醐味というのは、作中と同じ空間に身を置くことによって物語を追体験するところにあると思うのですが、始めてきたときはもう本当に隅から隅までアニメで見たとおりだったことに感動したものです。
では2回目である今回は……やっぱり変わらずそのままであったことに、なんだか妙な安心感を抱いてしまいました。
前回訪れたときから10年以上たち、あの頃から僕自身も含めいろいろなものが変わってしまっているのに、変わらぬ姿で迎えてくれる場所がある。うむ、悪くないですね。
おっと、違いますね。そもそも変わったからここを訪れたのでした。といううわけで碑をパチリ。
そう言えばこの碑、あくまで非公式なので作品名を明示していません。それではこれが何なのかわからないじゃあないですか、という方は碑の裏側を見てみましょう。
不自然なゴシック体に着目ですね。こういうの、粋だと思いません?
駅から午後の青空がいい感じに撮れましたし、満足満足。
というわけで2番目の聖地をしっかり堪能し、帰途へとつくのでした。帰りは飯田駅まで戻り、そこから高速バスで戻ることとします。
またまた3~4時間の旅路となりますが、まあ問題ないですね。いでよ、ひみつ道具!
(ドラえもんが道具を出すときの音)
『Kindleリーダー』~!
………
……
…
あれ?
『Kindleリーダー』、見当たらないんですが?
またかよ! またモノなくしたのかよ!!!!!!!
前回のやらかし
落ち、堕ち、落ち着くんだ。素数を数えろ。素数が一匹、素数が二匹……
行きの列車で読んでいたことは間違いない。ですから、おそらく田切駅で慌てて降りたときに落としてしまったのでしょう。とにかく、レッツ問い合わせだ!
検索してみると、問い合わせフォームに入力することで、早ければ翌日にJRから連絡が入るというシステムになっていました。祈るような気持ちで細かい特徴などを入力し、とりあえず明日の連絡を待つこととします。
大丈夫、大丈夫、前回も「なーんだ」という感じで終わったではないですか。今回もnoteに書くネタができたと思って前向きにとらえましょう!
うん? 待ってくださいよ?
言い訳するようで申し訳ないのですが、僕はしょっちゅう一人旅を満喫していますがこんなに連続で物をなくしたことなどありませんでした。
それが今年に入って2度も同じやらかしをしてしまっています。その2回に共通することと言えばたった一つ。「この旅の顛末をnoteの記事にしよう」と画策していたことだけ……!
なるほど。つまりnoteが全て悪いんですね。納得できました。いつまでたってもルビを実装しないし、なんて悪い子! 悪い子!
すみません。全て僕の不注意のせいです。
そんなわけで、テンションを微妙に下げつつ3日めは終了したのでありました。
2 4日め(10/31 豊橋~日本平)
気を取り直して4日め。いよいよこの旅路も最後です。最終日に向かうのは静岡県にあります――
『日本平動物園』です。いやあ、一度来てみたかったんですよねここも!
レッサーパンダの風太くんで一躍有名になった動物園ですが、それ以外にも僕のスキなネコ科の動物の展示がとてもいい感じだと聞き、その噂の真偽を確認すべくこうして馳せ参じたというわけです。
さあ、写真撮るぞ―!
まずはキリンの親子から。
顔のアップ、好きなんです。視力が弱いからカメラのレンズ越しのほうがよく見えることもあって、ギリギリまで近づいて撮影することが多くなります。
コレなんかもそうですね。ネコ科のアップは超かっこいい。そう思いませんか?
うむ。満足です。
カッコイイの次は、カワイイを喰らえ!
またアップ。われながらどんだけ好きなのでしょうか。
いい顔。
いい顔その2。
いい顔その3。
猫パンチ。
お気に入りその1です。類人猿は最高の被写体の一つだと思います。
お気に入りその2。いい雰囲気でしょう?
いやあ、素晴らしい動物園ですね。ここはいわゆる環境エンリッチメントにも力を入れているようで、全部が全部とは行かないでしょうが大部分の動物がのびのびと暮らせているようでした。
まめちしき……環境エンリッチメントとは、様々な飼育上の工夫により動物本来の住環境に近づけようとする取り組みのこと。飼育動物のストレス軽減、異常行動の抑止などにつながる大事な考え方なんだね。あと、単純にコレに取り組んでいる動物園は写真が撮りやすい環境であることが多い
のんびり。こういう姿、実は野生動物が何の心配もなく暮らせているからこそ見せてくれるものなのですね。その辺がわかっていると「動物園の動物は寝てばっかりでちっとも面白くない」なんて反応がいかに的はずれなものかわかるってものではないですか? ましてガラスを叩いたり驚かしたりして反応させるなど愚の骨頂ってものです。映画館でスマホを弄るに等しい行為。恥を知りなさい。
「そんなことしたらだめだぞ!」
そんなこんなで日本平動物園、しっかり堪能いたしました。さて、名残惜しいですが佐賀に帰ることにしましょうか。
ん? なんか電話がかかってきましたよ。知らない番号から。
全く、人が動物園を満喫しているときに何なんですか! なんかの営業とかだったらただではすみませんぞ! ガツンと言ってやりましょう!
もしもし!
あ、JRの方ですか~! え! Kindleリーダー無事見つかった! はあ、結局終点の伊那市駅までたどり着いていた? いや~無事に見つかって一安心ですよご連絡どうもありがとうございます~
え? 自宅に送っていただける? 着払いになるけれども構わないかですって? もちろんですよすみませんお手数をおかけします~え? 梱包はどうするかですって? いやいやそんなお手間をおかけするわけには行きませんので適当に袋かなんかに詰め込んで送ってもらって結構ですよ~すみませんすみませんなにとぞよろしくおねがいいたします~はい~
ふう。
というわけで、3泊4日の東海地方聖地巡りの旅、これにて終幕となります。どこもかしこも素晴らしいところばかりで大変満足度の高い旅でした。しかしながら一回では満足できない場所ばかりであったこともまた事実ですので、いずれまた赴くこととなるでしょう。
以上です。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
追記……後日、Kindleリーダーはこれ以上無いというほどしっかりした梱包で自宅に送っていただきました。伊那市駅の駅員様、素晴らしい対応、誠にありがとうございました!