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就活や採用に不安を感じている人に知ってほしい。「就活と採用のあれこれ」

先日、「就活と採用のあれこれ」という題の研修をさせていただきました。

キッカケは、SNSで「これまでキャリアに関する仕事を約10年経験があるので、よかったらキャリア相談のりますよ~!(^^)!」というゆるい投稿をしたところ、6名の学生さんや社会人の方からお声がけいただき、それぞれ就職活動や転職活動について相談をもらった、ということでした。

タイムラインで流れてしまうSNSでそれだけお声かけいただいたので、もし研修という形で実施したらお役に立てるのでは?と思い、ZOOMを使ってのオンライン研修の形で実施してみました。すると直近のピンポイントな日程にも関わらず9名の方にご参加いただき(感謝!)、結果としても10点満点中、9.6点!これはちょっと自信になりました。笑

それくらい就活や採用についてって、見えない部分が多いんだと改めて思い、必要な人にはそこをオープンにしていけたら、とこのnoteを書きます。

このnoteで得られること

このnoteで書いていく内容は、以下のようなことです。

・私が大学を卒業してから私自身がキャリアで試行錯誤してきたこと

・就労支援の経験から得た就職に必要なあれこれ

・採用人事の経験から得た企業側の視点

・そしてそれらをむやみに怖がる必要はないということ。

そして、このnoteをぜひ読んでほしいの人はこんな方です。

・就職や転職活動に迷い感があり、
不安や自己肯定感の低さを感じる人

・社会に出たものの、迷子で、
この先どうしようか不安が募っている人

・迷いがあるけど、キャリアカウンセラーなどに
わざわざ相談するのは気が引けると思っている人

・企業の新米人事採用担当者で、
この方法でよいのか迷っている人

・就労支援、キャリア支援をしている支援者・カウンセラーの方

あくまで私個人の経験から得た知見なので、これが社会の「正解」というわけではありません。ただ、ある意味正解のない世の中で、自分なりのこの先を見通していく1つの解釈をお伝え出来たらなと思います。きっとご自身の中でアレンジできる何かがあるはずです。

本気で書きますのでスタバドリンク一杯分に設定しましたが(2020.12.7 無料公開に変更しました)、必要な方はぜひ読み進めてください😊

1.わたしのこれまで

私は大学卒業後、’とりあえず’就職したクリニックを3年で辞め、バイトをしながら夜間の専門学校に通い資格をとって転職、という経験があります。それから働くことに困り感のある方の就労支援を約8年経験した後、一般企業(東証一部上場)にて採用人事の仕事をしています。

有名大学を卒業して大手企業に就職、みたいなきれいな経歴ではありませんが、言えるのはその過程で本気で試行錯誤をしてきたので、今、心から仕事が好きですし、自分らしい、割と幸せな人生を送れているんじゃないだろうか、なんて思えています。幸運だったのは、その「試行錯誤をする方法」を理解できたことです。これも正解はありませんが、自分なりのその方法が身についたことが一番の私のキャリアかもしれません。

それは一言でいうと、「自分と向き合い続けた」ことで、その時の悩み、躓き、本心みたいなところを葛藤しながら、その時々の自分の中の答えを探していくことです。きついときは回避したり休むこともありますが、基本的には向き合い続けること。そしてそれを相談できる人や環境を持てたことです。

2.そもそも採用って何だろう?

私の場合は、採用って何だろう?の前に、社会に出てすぐの頃は、そもそも「社会、や会社って何だろう??」ということすらよくわかっていなかったかも…。ウィキペディアによると、以下のような記載があります。

企業(きぎょう、英: business)とは、営利を目的として一定の計画に従って経済活動を行う経済主体(経済単位)である。社会的企業を区別するために営利企業とも言う。

何かしらの利益を目的として、計画を立てながらそれを達成していくために活動しているのですね。

私の解釈では、何かしらのミッション(社会の役に立つような目標)を達成するために、ビジョン(こういう方向に向かいたい!)を持ち、それに沿った人たちが集まって一緒に働いている団体、です。進みたい方向が決まっていて、そこにどう歩みたいかも計画を立てながら進んでいるので、その過程で必要な人やモノを供給しているのです。人を採用したり、設備やモノを買ったり。

ここで企業が人を供給したいときに行うのが「採用活動」で、求職者側からすると「就職・転職活動」です。

3.採用は半分は「運」

新卒なら一括採用がまだ主流なところがありますが、中途採用を行っている企業もたくさんあります。第2新卒~定年後再就職まで、もう垣根はだいぶ低くなっている気もしますが、企業による差は相当激しいです。また、同じ企業でも業績やタイミングによっては採用をかけたり止めたりコントロールしながら動いていると思います。

就職活動のときに必ず見る「求人票」。この内容は企業が言葉を選びながら真剣に作るので、求職者の方はよく読んだほうがよいです。条件面だけではなく、使われている単語1つ1つにその企業のカルチャーや意図が出ているはずです。即戦力を求めているのか、人柄重視なのか、スキル重視なのか、どれだけの条件が提示できるか。

半分が運、なのは、その求人票で採用されるのは、「そのタイミングでの募集に合った人材」だからです。実は採用する側も悩ましいことが沢山あって、

・本当に素敵な人が何人も応募をくれたけど、採用できる枠が1つしかない
・お人柄もスキルもすっごく素敵なんだけど、給与が合わない
・めちゃくちゃ経験ある人だけど、今回の募集は管理職候補じゃなくてプレーヤー層・・・

などなど。上げたらきりがありません。人事側も、採用したくても採用できないっていうことが結構あるのです。求職者側からすると、不合格の場合メールでその旨が通知されるか、悲しい場合だと通知すらない、という場合もあると思います。ここが、本当にせめて開示してほしいと思いますよね…


本当に難しいポイントで、不合格になる理由は求職者の方の資質だけではなくて、企業側のいろんな要素やタイミングが複雑に入り混じって今回は…となることも多いんですね。なので、不合格=NGというわけではありません。
人格否定される気持ちになる…というのが本当にこの形での就活の辛いところですが、見られているのはそこだけではないのです。ただ、やっぱり内定が出やすくなる努力、というのはできるんですね。それをここからご紹介していきます。ただ、これはハウツーの部分もありますが、ご自身でしかできない、試行錯誤です。

4.書類や面接では何を見てる??

だいたいの企業は、まず書類やエントリーシートから、という入り口だと思います。準備するのって大変ですよね。PCでもいくつも項目の入力がありますし、言いたいことを言語化して、それを慎重に書く。紙で提出する場合も、間違えないように、とか、PCで作成する場合もそれを印刷したり、メールで添付する場合は写真もデータを準備してPDFにして・・といずれにしても手間がかかると思います。

その書類、人事担当者はどれくらいの時間で見ていると思いますか?これは私の場合、ですが、なんと1つの書類あたり「30秒~長くても2分程度」なのです。

中途採用の場合、履歴書と職務経歴書を提出するのが一般的と思いますがそれでも変わりません。たとえば50名応募があったら50名分の書類を見るだけでも1人1分でも50分、2分見ていたら100分かかってしまうわけです。採用担当だと、通過になった方との日程調整、実際の面接などほかにも業務はたくさんあるので、1日8時間労働としても、書類選考に使える時間は限られているんですね。

なので、ポイントは「見やすく」は大事です。
・清潔感を大事にきれいなものを準備する(使いまわしバレます!)
・手書きにこだわらずPCでよい。(PCが最低限使えるということも伝わります)
・レポートのように長々とした文章はやめて、箇条書きも使って読みやすく(特に職務経歴書)
・志望動機はぜひ記入する(HPなどをよく読んで、どこに共感したのか、どんなことをしたいのか)

「あぁ、この人会ってみたいな」と思わせるのがコツです。好きな人に贈るラブレターといったらイメージつくかもしれません。きれいな便せんを選ぶでしょう。丁寧に書くでしょう。相手を想像しながら気遣いながら言葉を選んで想いを書くと思います。読むのも人です。そんな思いで書いてもらったら、伝わります。

そこが伝わったら、次が面接のことが多いと思います。
面接では、まさに「今回採用したい人物像とマッチするかな?」というのが企業側が見ている視点です。いろんな質問がくると思いますが、ここでもぜひ自分の言葉で話をしてください。

就活に関しては、スーツをきて、自己紹介、お辞儀をして・・と形式ばったところに意識を持って行かれる方が思いのほか多く、本来の自分らしさが出せていない方が多い気がします。採用担当も人です。対等に話をして大丈夫なのです。緊張しても大丈夫、言葉につまっても大丈夫。

ただそこでポイントになるのは、
・企業のことを事前に調べて把握できているか
・自分のことを掘り下げて認識できているか(自己分析)
です。

企業研究は、事前にホームページなどをよく読んで、自分で得られる情報は得たうえで面接に行くのがベストです。こんなミッションで、ビジョンで活動している会社なんだな、こんな雰囲気かな?仕事内容は自分に合うだろうか。どんな人材を採用したいと思っているのか?などイメージしておき、その上で面接に臨んでください。それをしたうえで分からない部分は遠慮なく質問してOKです。可能ならその会社で働く人に話を聞くのもよいし、WEB上にあるその会社に関する記事などを読むのも有効です。

また、その企業に対して自分が合うのか?判断するための自己分析も大切です。企業が進みたい方向と自分の価値観は合いそうか?活躍できそうなスキルを自分は持っているか?どの程度持っているか?強みや弱みの整理、これまでしてきた挑戦や失敗、その時の工夫は何をしたか。これまで一緒に活動してきた人たちとはどう関わっていたか、その際何を大切にしていたか、自分にまだ足りないと思うのは何か、等です。

苦しい作業、一番迷いがある作業だと思いますが、誰しも辛いところです。しんどい場合は、自分ひとりではなく、家族や友人、学生であれば大学などのキャリア支援室、社会人の方もキャリアカウンセラーなどをぜひ頼ってください。人からのアドバイスで自分だけでは気づけなかった強みが見つかったりします^^

そして、面接の際には結構最後に「何か質問はありますか?」と聞かれると思います。ここでは、「自分が働くのはほんとにこの企業でいいのか?自分に合うのか?」という視点でぜひ、聞きたいことを聞いてください。早期離職の防止にもなりますし、意欲も伝わります。
これは私の採用担当経験からですが、面接官について質問するのも有効です。「〇〇さんはどうしてこの企業に入られたんですか?」「働いてて楽しかったことや、正直きつかったことなどあれば教えてください!」など面接官個人のことを聞かれると、おぉ、やるな!と思ってしまいます笑。興味持たれるのはやっぱりうれしいんですよね。

5.採用担当者の視点

ここはほんとは求職者の方向けにお伝えする内容ではないかもしれないのですが、研修の際にとっても好評だったので書きます。求職者の方からみると人事担当者って強く見えたり怖く見えたり(笑)することもあるかもしれませんが、やっぱり「人」なんですね。

これを読んでくださっている人事担当者の方がいらっしゃるとすれば、採用担当として活動されていて、自社のことをどれくらい理解されているでしょうか。あなたが採用したいと思っている人は、会社が採用したい人とマッチしているでしょうか?(書きながら自分にグサリときます。(´;ω;`)

採用担当者も人なので、どうしても、無意識の「バイアス」がかかってしまうことがあると思うんですね。自分というフィルターを通して会社も求職者の方も見てしまう。面接で人を判断するってとても難しいことだと思います。

私は先輩に学んだり本を読んだり、試行錯誤した結果、できるだけバイアスを減らして公平にフラットに判断できるように「コンピテンシー面接」と「価値観面接」という方法で、面接していました。

コンピテンシーというのは、高業績者に共通して見られる行動特性のことです。社内で活躍している人の特徴を抽出して、その行動の経験がある方、ありそうな方を採用していきます。

たとえば飛び込み営業をしていくポジションだったら、新しいことを怖がらず、チャレンジ精神があり、答えのないことの試行錯誤を楽しめるかどうか。アシスタントのポジションであれば、人に気を配れて、臨機応変な対応ができ、コツコツ業務ができるか、など。

コンピテンシーは高ければ高いほど良いというわけではなく、その募集枠において求めているレベルとマッチするかもポイントです。新卒だとポテンシャル評価されることになりますが、ただただ気持ちで「頑張ります!!」は評価できません。実際に過去にそのような行動、経験をされたか。またはその行動ができそうな工夫や試行錯誤の体験があるか、その思考回路を持っていらっしゃるか、が判断するところです。候補者の方からすると可能性で評価してほしい、というところもあると思いますが、背伸びしても入って周りとのレベルが違うとしんどくなってしまいます。仕事での経験がなくても、部活やアルバイト、プライベートの経験の中で近しい経験があればぜひアピールしてください。

コンピテンシーに関してはたくさん本が出ているので、興味のあるかたはご一読をおススメしたいのですが、私はコンピテンシーだけでは上手な採用は難しいな、と感じていました。そこで合わせて「価値観面接」としてその方のお人柄、価値観についても質問していました。自社のカルチャーに合うか、ビジョン・理念に対してどのような背景で共感しているのか?会社が進みたい方向性との乖離はないかどうかを確認するためのものです。

同じ企業で働いている人って、どこかしら共通点があります。その会社のカルチャーですね。結婚した夫婦が似てくる、と近いものかなと思います。

具体的には、自分で自分の性格をどう思う?お休みの日はどう過ごす?
どんなふうに生きていきたい?この会社で何が実現できると思う?ワークライフバランスの考え方?性善説?性悪説?この転職で本当に叶えたいことは何か?建前ではなく本音のところでそれは自社にマッチする?というような質問で、その方のお人柄をキャッチしていきます。

そしてそれがご自身の言葉でお答えいただけるか、という部分で、どれくらい自己分析ができていらっしゃるか?というのもわかります。100%できている必要はありませんが、その職種によってはそこも大切なポイントになってくるかな、と思います。

6.採用担当を経験しての個人的な想い

また、個人的には求職者の方と同じくらい、採用担当者の自己分析も大切だと思っています。当然のことながら仕事の役割として採用担当をしているのであって、間違っても求職者の方よりも何か上であるわけではないですし、自分の判断が人の人生に大きく影響することは自覚しておくべきです。その上で、絶対の正解がない採用の業務において、自分は何をすべきか、自社をどう理解するか、求職者の方にどう対応できるか、そして例えば体調が悪い日にも面接は実施しなければならないわけで、その時の判断をどうしていくか。日々内省を繰り返して、企業の一員として採用活動を通して何を社会に還元できるのか考え、実践する。内定承諾がゴールではなく、面接などを通して会社の顔として多くの求職者の方にお会いし、ファンになっていただくこともできるかもしれませんし、たとえお見送りになる方にも、何か持ち帰っていただけるような対応ができるかもしれません。

就職活動はある意味生き残り戦のようなイメージがありますが、それ以上に社会で人が働くためにお互いに依存して成り立っている部分も大いにあるはずです。就職活動の躓きは多くの人にとって傷つき体験になりえるものですが、そこを変えていけるのも1採用担当が工夫できることだと思います。


7.今就職や転職において、つらい思いをしている方へ

色々と書いてきましたが、企業や就職活動の構造が少し理解いただけたでしょうか。仕組みが分かるだけでも不安が減るかな、と思います。一方で、どう試行錯誤しよう?と迷う方もいらっしゃるでしょうか。

書いてきたように、就職活動は個人の努力だけではなく、相互作用があり、その結果として合否が出るものです。

もし今何かが上手くいっていないとしたら、その相互作用によるものかもしれません。企業の事情かもしれません。でもやはり自分の工夫も必要で、もう少し試行錯誤したり努力する必要があるのかもしれません。

そんなとき、以下のことを試してください。

・安心して相談できる人を1~2人確保する

・自分の経験やスキルについて棚卸する。その際の自分の気持ち、大切にしている価値観を言語化する。

・そこを踏まえて、いろんな企業をみる。自分の琴線に触れるような求人があれば求人票だけではなくHPなどの情報もよく読む。

・その上で、書類や面接の際は、その琴線に触れた部分について、どこにピンときたのか、自分の経験の引き出しからつながった部分を抜き出し、言語化し、採用担当者に伝える。できれば、そこで何ができるのか、というところまで伝える

・社会人としてよりいい方向に進むための試行錯誤を日常でも続ける。

面接などで採用担当者の気持ちが揺らぐのは、その過程で試行錯誤できる人間力です。それが人間の最大のコンピテンシーだと思いますし、可能性があるところです。でも一人でチャレンジする必要はありません。きつくて、大変なことを1人で我慢しなくて大丈夫です。自分から人にSOSを出せる勇気を持ってください。

採用担当者もいろんな人がいますが、結構多くの担当者が、関わる人の役に立てたらいいな、と思っています。

大丈夫です。人に頼り、情報を集め、それについて試行錯誤を続ければ必ず突破口はあります。正直、1人での試行錯誤では道のりが遠くなるかもしれません。それくらい社会は複雑だし、人間は弱いです。だから、勇気を出して人に頼ってくださいね。

このnoteの情報が、あなたの一歩を少しポジティブなものにできていれば嬉しいです。読んでいただき、ありがとうございました。
あなたの力が発揮できる、素敵な場所に巡り合えますように!

※もし私個人のキャリアの試行錯誤にご興味お持ちの方がいらっしゃれば、こちらからお読みください^^ 私の経験が少しの後押しになればうれしいです。

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かずみ|Mental Health Socialworker
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