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日本人の精神と伝統を伝える、唯一無二の書道家に。髙橋瀧桜氏インタビュー 後編

書道家 瀧桜先生のインタビュー後編です。
今後どんな活動をされていきたいか、についてうかがいました。

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日本語って、綺麗だなって思う


ー普段は、どのくらい書道をしていますか?

できる時は、2、3時間くらいは練習をやっていますね。
本を見ながら、練習したり、書きたい文字を書いています。
あとは、イベントやパフォーマンスなどは1日がかりでやっていたり、創作活動も行っていたりします。

子どもから大人まで書道に触れてもらう機会をとイベント等も行う瀧桜先生

ー瀧桜先生のInstagramに載せているのは、その時に書きたいなと思った字ですか?

書道家 髙橋瀧桜🌸先生 Instagramアカウントより

そうですね。
日本語の中で、この言葉かっこいいなっていうのがあれば、書き留めておいて、書道で書いています。

ー日本で最近流行っている言葉って、あまり意味を持たないような言葉が多い気がします。一方で、「志」とか「明珠掌在」(みょうじゅたなごころにあり/明珠(=大切な宝)は外の世界には無くて、あなたの手の中にもうある、という意。瀧桜先生が以前Instagramに投稿されていて、インタビュアーがとても好きな言葉の一つ。)のような四字熟語などには、その言葉の中に深い意味がありますよね。
そんな言葉たちを使っていきたいなって最近は思います。

わかる。
和歌とかも読んだりしてみているけど、日本語って綺麗だなって思うし、一つの意味でも、いろんな言葉で表現ができるところもいいなって思います。

自分だけに集中できる時間=書道

ー書道家として活動されてきて、書道をやめようかなと思ったことはありましたか?

2年経ちましたが、一度もないです。
書道やっている時が、本当に一番楽しいです。

ー今、とってもいい顔してますよ!

ありがとうございます(笑)
「体温」もそうだし、字を通して喜んでもらえるのが嬉しいです。

あと今は、スマホを手元に置いていると、そこから通知とかいろんな情報が常に入ってくるけれど、字を書くことだけに集中するっていうのは、すごい上質な時間だなって思います。

ーいわゆる、マインドフルネスな時間

そうですね。なんだろう、すごく気持ちいいです。
何もかもの音を消して、スマホも遠くに置いて、書道だけに集中するっていうのが、すごく自分にとっていい時間。
そういう意味でも、みんなにも書道を体験して欲しいって思います。

ー字を書く、という方法としては、硬筆やボールペン字など色々ありますが、その中でも筆が一番好きなんですか?

ボールペンや筆ペンも好き。
でも、墨の匂いが好きなんですよね。
大きい筆で、大胆に墨の匂いを感じながら、手を真っ黒に汚しながら書くのが好きです。

"日本人"として活動をする唯一無二の存在に。


ー瀧桜先生の好きな言葉はなんですか?

「志」です。
お世話になっている方が大切にしている言葉で、私も大切だなと思っていて。何をするにも、意図を持ちなさい、何のためにやるのか?というのを常に問うようにしなさいと言われてきて、今もそれは大事だなと感じます。

ーでは、瀧桜先生の「志」はなんですか?

書道を通して日本人の精神性の素晴らしさを伝えていきたいって思います。
書道家は、私よりも上手な字を書く人なんていっぱいいて、、、。
インスタを見てても、何でこんな美しい字が書けるんだろう、すごいなって思うこともよくあります。

ー瀧桜先生でも思うんですね・・・!

全然思います。
上には上がいると思うし、綺麗な字を書ける人は、私よりもいっぱいいるから、私はそれだけではなくて、書道を通して、日本人がずっと大切にしてきたものを伝えていきたいです。

ー日本人がずっと大切にしてきたものというと、例えばどんなものだと思いますか?

目の前の人のために、家族のために、日本のためにっていう精神は一つあると思います。

でも、今の日本人は心の余裕がなくなってしまっていて、自分のことで精一杯って感じている人も少なくないと思います。

ー確かに。自分を満たすことさえできなくなってしまっているし、常に周りと比べて、不安や焦りを抱えている人が多い気がします。私もその一人でした。

そうだったんですね。私もですし、共感できる人は多いと思います。

書道(昔の日本人が書いた書)を通して、歴史に触れることもありますが、昔の日本人の感性って美しいんです。
表現も豊かだし。一つの事物を”美しい”と感じて、言葉や和歌などに書き記して残したり、誰かに贈ったりしていたんですよ。
それは多分、自分や相手と向き合う時間が今よりもたくさんあって、想像力が豊かだったのかなと思います。

・・・うん、やっぱり日本が好きだな、素晴らしいなって思います。

ーなるほど。自分の気持ちや相手の気持ちを思ったり、物事一つ一つに想いを馳せたりすることなんてなかなか現代だとできないと思えてしまいますね・・・。


ーでは、そういう日本人が大切にしてきたものを伝えるためにも、今後、やっていきたいことは何かありますか?

まずは、私の作品を通して、日本人が大切にしてきたものを感じ取ってほしいなと思います。

でも、それは、自分自身が日々の生活でも体現していないと、表現できないし、伝わらないものだとも思っています。

ーなるほど。作品の技術を磨くだけではなく、普段の過ごし方も大事?

日々どう生きているかが、表現力につながると思うので。
日常の生き方とスキル(基礎基本)が伴って、伝わり始めるんだと思います。

あとは、自分を知ってもらう場を作りたくて、今後は、個展やパフォーマンスをもっとやっていきたいし、それらを見にきてくれて、私の作品のファンですって言ってくれる人と出会っていきたいです!

ーファンって、他のものではなく、"瀧桜先生のがいい"と思ってくれている方だから、特別な存在ですよね。

そうですね。
私は、作品を見るとき、この作品を書いた人はどんな人なんだろう?って気になるんです。そんなふうに、まずは作品からでもいいので、知ってもらって、そこから好きになってもらえたら嬉しいです。

ーパフォーマンスもされていきたいんですね!いわゆるライブペイントみたいなのでしょうか?

そうですね!

書道パフォーマンスの様子

今も書道イベントをやっているんですが、私の想いに共感してくださる方々と、どんどんコラボしてやっていきたいです。

ー想いっていうのは、日本の伝統文化を大事にしていきたい、ってことですよね。
少し、皮肉めいたことを言うと、「伝統文化を大切にする」って、たまに口だけというか、言ってるだけ、みたいになってしまってることってないですか?笑

わかる!
私もおんなじことを考えていました!(笑)

ーわかっていただけてよかったです。(笑)
では、何をすれば、伝統を大事にする、になると思いますか?

書道も伝統文化だから、書道をやっていれば大切にできてる、っていうのは違うと思っています。
書道をやっているときだけ、とかじゃなくて、普段の生活や行動の中に、日本の伝統を大切にしているかどうかが現れると思います。

ーポイ捨てしないとか?(笑)

そう。笑
米粒を残さない、とか。笑
目に見えないものを大切にしている人が、日本の伝統を大切にしている人って、私の中では思うかも。
感謝をするとかもそうだと思います。
相手を尊重するっていうのも日本人らしさなのかな、、。

ー改めて、日本人らしさ、日本の伝統文化というのを考えると、表現が難しいですね。人それぞれ捉えているものは違うと思いますが。

そうですね。
まさに最近は、書道家にも、伝統文化盛り上げたい、伝統文化の素晴らしさを伝えたいっていう人も多くいるけれど、それってどういうこと?っていうのをよく考えています。

私にはこれしかない。

ーでは、最後に、今、したいことはあるけれど、踏み出せない、というような、書道家になる決心をする少し前の先生のような方に向けて、メッセージをください!

そうですね・・・。
あの時の自分に対して感じることは、やるかやらないかを迷っている時よりも、性格が明るくなったなと思います。迷っている時、ずっと苦しかったから。

とはいえ、当時やっていたことももちろん好きで、楽しかったけど、楽しいって思っている気持ちが、周りに影響を与えるほどではなかったんだなって思います。それはやっぱり、自分が心から楽しんでなかったからなのかな、と。

ー自分がどう思っているかって、周りに伝わりますもんね・・!

本当に。
やりたいことは、早くやった方がいいと思う!!

反対されることもあったけど、それでもやってみたら、楽しいし、
その後に歴史などを学び直して、「使命」が見つかった。
あとは、私は個人活動ではあるんだけど、応援してくれる人もどんどん見つかってきました。

今考えると、私にはこれしかないのになって思うんです。

もちろん過去に行動してきたことも、それらをやったから、今があって、
これしかないのに、って気づけたって思うので、後悔は全くしていないです。

でも、何か自分の中に、やってみたい、チャレンジしてみたいっていうのがあるんだったら、まずは小さくてもいいから、やってみるのがいいと思います。

ーやっぱり、何事もやるしかなくて、挑戦するから変わるし、過去の経験も糧にできるようになるんですね。

そうですね。書道はもうずっと、死ぬまで、筆が持てなくなるまでやりたいなって思っています。

ー瀧桜先生のこれからの挑戦が楽しみです!そして、いつか私の子供の命名を書いてください。笑

もちろん!

ー瀧桜先生、ありがとうございました!

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<編集後記>
瀧桜先生とは、社会人になってから知り合って、もう5,6年ほど(インタビュー時)仲良くさせていただいており、瀧桜先生が書道家を目指す前、そしてなられた後もお話しさせていただく機会があるのですが、今は本当にワクワクと自身の活動について話されている姿が印象的です。
インタビュー中は、日本人らしさってなんだろう、という話題で少しばかり話が白熱しましたが(笑)、本音で意見を伝え合って、お互いの考えを深め合えるインタビューができたのは貴重でした。
瀧桜先生の作品を通して、自分自身が日本人であることの誇りに気づく人が増えて欲しいなと心から願います。

関連リンク🔗
書道家 髙橋瀧桜 Instagram

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