第9節の振り返り vs群馬
バイウィークが明け、リーグ中盤戦のスタートです。お世辞にもスタートダッシュに成功したとは言いがたいシーズン序盤でしたが、ここから巻き返すことができるでしょうか。
期待の新戦力 荒谷
今節の注目ポイントはなんと言っても新加入の#11荒谷。今の仙台にはいなかったタイプのSFです。#2星野、#9ヤン、#23半澤はDFで輝くタイプ、#22石橋はシュータータイプですが、荒谷はボールハンドラータイプ、いわゆるエースムーブができる選手です。Game1でコートインすると早速ボールを持ち、積極的にドライブを仕掛けていきます。今シーズン移籍前まで2試合、10分とほとんど試合に出ていないかったので試合勘が鈍っていないか不安でしたが、最初の数プレーこそバタつきましたが、すぐにリズムをつかんでいました。パスが味方と合わないシーンもありましたが、ここは試合数を重ねれば解決するでしょう。
そして改めてプレーを見ると、1on1スキルが高いです。”悪魔の左手”、”大学バスケ1on1最強”の名は伊達ではありません。ドライブでしっかりゴール下まで侵入できています。
加えて、随所にパスセンスの高さを感じさせるプレーがありました。シンプルなキックアウトだけでなく、#45ネイサンへのフワっと浮かせるパス、#6クリスへのDFの背面を通すパスなど、今節は得点につながりませんでしたが独創性のあるパスが目立ちました。昨シーズンの荒谷のハイライトを見返したのですが、合わせのパス、加えてカッティングもめちゃくちゃ上手いです。この辺りは得点への嗅覚を感じます。ビックマンだけでなく、ヤン、半澤あたりがここにカッティングで合わせられるようになれば、OFがもっと良くなりそうですね。
ただ、ボールを持つタイプですがPGとしてゲームを組み立てるタイプではなく、#13阿部と同じであくまで自身の1on1の延長線上に選択肢としてパスがあるタイプです。おそらく自分が仕掛けることでリズムを掴むタイプなので、PG起用ではなく、SG/SF起用が適していそうです。
加えてGame1は12得点と好調でしたが、Game2では群馬も荒谷対策として#4トレイをマッチアップさせ、これに苦しみました。フィジカルで押し負けて自分の意図するコースにドリブルができないという印象だったので、サイズがある選手のDFは苦手そうです。(色んな要素が阿部を彷彿とさせる…)
巻き返しのカギを握る3P
前回のnoteで触れた通り、ウイング陣(星野、ヤン、半澤)の3Pがここからの巻き返しのカギです。ここが決まればもっと得点が伸びるはず。ただ今節も3Pは入らず(Game1 1/3、Game2 0/4 )。特に星野と半澤が気になります。まず星野は1本目の3Pが外れると次から同じシチュエーションでシュートを打たずフェイクからのドライブにするシーンが気になります。これがTOにつながるシーンもあったので打ち切って欲しいです。
そして半澤。シュートから少し力みを感じます。ツーモーションだからそう見えて当然かもしれませんが、どこか滑らかさを欠くというか、手打ちになっているというか。フリースローは好調なので決してアウトサイドシュート自体が苦手というわけではないはずなので、復調に期待しましょう。
一方良い意味で気になったのは#22石橋。大阪戦で自信をつけたのか、プレーしているときの迷いが減っています。シンプルに貰ったら打つと意識しているのでしょう。そして、打ち切る意識が高い分、相手のDFが必死でシュートチェックに来るのでドライブが効いています。越谷戦のGame1の終盤で石橋→半澤のパスがクラッチシュートにつながったシーンがとても印象に残っているのですが、当初の印象よりドライブが上手いです。今節もドライブからの得点、逆サイドへのキックアウトなど良いプレーがありました。この調子で継続&シュートが入らないとドライブ警戒で引いて守られるので3Pを決める、また決まらなくても打ち続けて欲しいです。
不思議なマッチアップ
荒谷の活躍はポジ要素でしたが、結果は連敗。純粋な力負け感は否めませんでしたが、今節通じてマッチアップに疑問を感じる場面が散見されました。
まずスターター。#14青木(欠場)、半澤に代わってヤン(5試合ぶり)#13ディクソン(7試合ぶり)がスターターに。ヤンはトレイ対策かと思っていたのですが、トレイのマークマンはまさかのディクソン。そしてヤンが#29細川に。
僕は素人なのでHCにどんな意図があったのかはわからないですし、2人ともDFが良い選手であることは否定しません。ただ、それぞれDFの得手不得手があり、そこを考慮できているのかが気になりました。
まずヤンの強みは再三言っている通りビックマンともマッチアップできるフィジカルです。島根戦ではエヴァンス、越谷戦ではソアレスなど体を張ってミスマッチの外国人ビックマンとファイトしてチームを支えてきてくれました。
その一方、ディクソンのDFの魅力はボールマンへのバックコートからのプレッシャーDFです。そのため、ボールを保持するPGにつけるのが最善だと思っています。
そんな中でこの試合はディクソンをトレイに、そしてヤンを細川にマッチアップさせました。ディクソンは高さのミスマッチがあったため上からシュートを打たれる場面もありましたが、シュートが落ちたこともあり、そこまで失点したわけではありません。ただ、トレイは常にボールを保持する訳ではなく、自分が仕掛けるタイミングでボールをもらうので、ディクソンのプレッシャーDFが活きていないように感じました。
ヤンvs細川も特に失点につながった訳ではないのですが、果たしてこれはヤンにさせるべき仕事なのか。僕がヤンのビックマンへのDFを過大評価しすぎているのかもしれませんが、ヤンを使うなら基本的にPFとマッチアップさせるべきだと思っています。それこそ、群馬なら#3パーカーとマッチアップさせたかったです。ヤンvsパーカーにしてスタメンをネイサンからキッドに変更することで、①キッドがビックマンのDFをしなくていい②ベンチから出てくるティーマンにネイサンをぶつけられる、この2つのメリットがあると考えていました。
今シーズンのナイナーズにおいてキッドは間違いなくOFの中心的存在です。だからこそ、DFでのキッドの負担をもっと減らしたいと思っています。ただ、それはDFを頑張らないという意味ではなく、ビックマンとのマッチアップを減らすという意味です。自分よりサイズで勝るビックマンとの勝負を毎試合強いられるのはキッドにとって大きな負担だと思います。ここをヤンに頑張ってもらいたいです。これが上手くいっていたのが越谷戦です。群馬も越谷と同じ外国籍の編成(SF、ビックマン2人、帰化ビックマン)の編成なので越谷戦で上手くいっていたあのラインナップを試してほしかったなというのが個人的な思いです。
今回も読んで下さりありがとうございました!
次節こそホームで勝利を!