伝えたいこと【1】TVが本当とは限らない経験
20年ほど前のお話です。
当時勤めていた会社の上司の奥様が、横領と死体遺棄の容疑で逮捕されました。町工場で経理を担当されていた奥様の勤務先の社長が、工場で他殺死体として発見されたのでした。警察の見立てでは、殺害現場が工場ではなく遺体が運ばれてきた形跡があったこと、工場の会計帳簿に不明な出金が多数あったことなどから、上司の奥様が容疑者となったようです。この事件の結末がどうであったかは、私は知りません。上司もすぐに会社を辞めてしまい、連絡することもなくなったからです。
ただ事件の発生直後は、小さな町の出来事にも関わらずTVのニュースやワイドショーなどでそこそこ取り上げられました。
驚いたのはその内容でした。
①上司のお父様が営んでいた乗り合いの「釣り船」が「クルーザー」
②上司の趣味、中古外車を含む3台の所有車が「高級外車3台」
③奥様がアパートの一室を借りて行っていた、ブリーダーとエンドユーザーとのペットの仲介が「ペットサロンの経営」
と、TVで紹介されていたことでした。
確かに嘘ではありません。が、事実でもありません。かなり誇張表現されているように感じます。
すでに廃業はしていたようですが、お父様の釣り船は生業に使っていたものですし、上司の外車はメルセデスベンツのようないわゆる高級車ではなく、一般の乗用車でした。奥様のペット仲介も有償だったか無償だったかまではわかりませんが、少なくとも経営を称するような店舗でなかったことは確かです。
事実を知っている者にとって一連の報道は、【報道に対する違和感】しかありませんでした。
その動機・目的は何なのでしょう?
番組制作側が単に、よりショッキングな事件として扱いたかっただけでしょうか?それとも・・・・・。
奥様の容疑は死体遺棄と横領ですので、遺体が他殺死体であるならば殺人の容疑者は不明です。しかし状況を考えれば真っ先に疑うべきは奥様と思われます。が、奥様は殺人は否定しており証拠もなかったようで、先の容疑での逮捕となったと聞きました。で、あるならば警察が欲しいのは奥様の自白かな?
「収入を超えた豪奢な生活で金に困り、会社の資金に手を付けて、それが露見したので社長を殺害した」という思考に誘導しているように思えたのです。この誇張された報道が広まることで興味本位の周囲が「奥様が殺人犯に違いない」との空気感を抱くことによって、奥様の心理に圧力がかかり「心が折れて」自白をするかも知れない。自白があれば容疑者としての逮捕はできることでしょう、立件できるかは別として。報道を誇張して印象付けを行ない対象を追い詰めていくことは、手法としては良い策だと私も思います。その策に対する好悪の念は別ではありますが。
私は昨今の新型コロナウイルスに関する情報(主にTVを中心とした報道)にも違和感を感じています。
「何か」を進めたい「誰か」が、それを進めるにあたって都合のいい情報を切り取り誇張して拡散し、一方、都合の悪い情報は封じ込めないまでも極力拡散しないように、都合のいい情報の量で押しつぶしているように思えるのです。いったい何処へ誘導したいのでしょうか?
TVを信じない。と言い切ってしまうといかがなものかとは思いますが、「TVだけ」の情報を鵜呑みにしてしまうのもどうなのか、と考えます。 情報の収集は出来る限り広範囲から様々な視点で行ない、取捨選択をした上で最終的には「私はこう考える」で結論を出せればいいな、と思います。
大したことではないと思いますが、ごくごく普通のオジサンの経験や思考が読まれた方の何かしらのきっかけやヒントになればいいなと思っています。
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