いすみ鉄道問題3「パッケージツアーの主催は移転するものなのか?」
この記事は2022年6月16日時点のものです。
以下のTwitterに投稿したツイートのスレッドを時系列に加筆修正しまとめたものとなります。
いすみ鉄道は千葉県、大多喜町、いすみ市が合わせて65%の株式を保有する第3セクター企業です。 また赤字含めた補助金は税金から補填されます。 これらも念頭において頂けるとありがたいです。
2020年2月、いすみ鉄道は社長肝煎り企画として「いすみ酒BAR列車」を発表、プロデュースは日本旅行が行うことになった。
日本旅行のプレスリリースは以下PRTIMESにて確認してください。
ところが新型コロナウィルスの上陸、蔓延に伴いイベントは開催されず普段のレストラン列車同様中止となった。
具体的ないすみ酒BAR列車のイメージとしての記事はこちらを確認してください。
なお直接今回の件に関連する訳ではないが、この記事にていすみ鉄道古竹孝一社長は「月のうち半分はいすみ鉄道に勤務」していることが判明する。
公募社長でありながらいすみ鉄道経営に注力している訳ではなかった。
なお同様のいすみ酒BAR列車の記事は日経でも紹介された。
新型コロナウィルスが落ち着くかに見えた2020年7月、日本旅行は改めて「いすみ酒BAR列車」再開のプレスリリースを発表したが、またも猛威を奮われ中止の憂き目となった。
このまま再開しないと思われた「いすみ酒BAR列車」、しかし2021年秋、どういうわけか日本旅行ではなく「JTBの企画で受付が再開」された。 価格も9,800円から12,800円に変わった。
以下JTBのツアーページの魚拓をご確認ください。
つまり「いすみ酒BAR列車」1年の時を経て全く同じ企画(しかも旅行会社の企画)が別の旅行会社にそっくりそのまま置き換えられてしまったのである。 個人的に同業者に過去例はあるのか確認したが「企画丸々移転は聞いたことがない」と返答された。
当時の日本旅行の記事のスクリーンショット
当時のJTBの記事のスクリーンショット
当然、企画した日本旅行の社員がJTBに転職したという話もない。 いすみ鉄道のいい加減さが日本旅行に門前払いされたのかは知りませんが、いすみ鉄道が一方的に企画をJTBに持っていってしまった、という話なのであろうことは窺える。
なお、JTB版「いすみ酒BAR列車」については新型コロナウィルスではなく、「突然のキハ28の故障」により全日程が中止となったのは記憶に新しいところ。 JTBの受付サイトにも故障の為中止の旨が記載されていた(魚拓残っておらず)。
ところが年明け早々いすみ鉄道側は中止の理由を 「再開時期に関しては、業者様の店舗移転のため 只今 調整中でございます。」 と変更した。キハ28の故障が明けたからなのか。 ただこれも今ひとつ疑問がある。
料理を担当する飲食店は確かに移転建築中ではあるのだが、このいすみ酒BAR列車予約前から移転しており、デリバリーやオードブルなどのケータリング注文は移転以降も2022年4月までは休みなく続けられていたからだ。 いすみ鉄道の調整中とは一体何を調整していたのだろうか。
結局のところ、 いすみ鉄道はこれらの問題を有耶無耶にしたり勝手に依頼先を変えたりと誠意のない対応を繰り返しやり続けているのである。
これが千葉県を始めとした地方自治体が過半数の株式を持つ以上、きちんといすみ鉄道という企業を監査していたのか大いに疑問が残るし責任は重い。
自覚はないのだろうが自治体の威を借りて企画を旅行会社から奪ったり、一方的な言い訳をして取り繕ったり業務を放置したり、優越的地位の濫用に結びつくようなことはやめていただきたくこの度取り上げました。 無視していれば時が過ぎて忘れられると思うな。
(追記)
周知の通り、いすみ鉄道は2022年5月20日にキハ28の定期運行終了を2022年11月27日に決定したと発表。
続いていすみ鉄道は2022年6月20日にレストラン列車などの企画は2022年9月をもって終了するアナウンスがされた。
結果として「いすみ酒BAR列車」についてもなし崩しに終了となってしまいこの問題は有耶無耶のまま終了してしまうのだろうが、いすみ鉄道は今後何をもって客寄せを図っていくのだろうか。
「今後はレストラン列車にかわる様々な企画・イベントを実施してまいります。」
間もなく1ヶ月が経過するが音沙汰がないのはここ最近のいすみ鉄道あるあるであった。
株主総会も終了し、千葉県、大多喜町、いすみ市など主要株主は引き続き古竹孝一体制で継続することを決定した。
山積する様々な問題に対し続けて責任をもって経営していくとの意思と受け取り今後の動向を見守ることにしよう。