見出し画像

グランメゾン・パリ レストラン・ケイの物語


一言で言うととっても良い映画でした!期待以上。
もちろん、これはグランメゾン東京、及び映画への伏線スペシャルドラマを観ているのが前提で、ラストもストーリーも想定通り出来レースであったのですが、かえってそれが良かったのか、二時間一気に駆け抜けていきました。
技術的なディテールの詰めが精巧に手抜きなく仕上げていたのがリアリティがあった。
よくぞここまで仕上げたな!


これは、日本人がパリで初めて三ツ星(映画では二つ星からスタート)を取るまでの紆余曲折を描いたストーリーで、それはある意味レストランケイの小林シェフの三ツ星への軌跡でもあると断言しちゃっていいかもしれない。
まず、設定としてパリの三ツ星店の紹介が出てくるシーンがあり、そこではデュカス、パッサール、アレノ、ガニェールが紹介され、全てフランス人であり、外国人が三ツ星を取ることがいかに難しいかを印象付けられる。
三ツ星であるレストランケイは存在していないことで、これから三ツ星を取りに行く尾花夏樹と小林シェフが重なる。
ちょっと引っかかるのが、グランメゾン東京では尾花夏樹がパリの三ツ星ランブロワジーで修行した体になっていたのが、今回は、架空の三ツ星ブランカン(二代に渡り三ツ星キープの大御所レストラン、息子はパスカルと言う名前でパスカルバルボ似だったのは偶然か?)というレストランが尾花夏樹の修行先に変更されていた。
ちなみに、最後のエンドロールで確認したのだが、ブランカンの料理監修はティエリーマルクスのクレジットがあった。
小林シェフがパリで味わった外国人故の苦労話が随所に散りばめられている。

「フランス人が日本で寿司屋を開いたとして、最高級のマグロを卸してもらえると思うか?」
特に仕入れの困難さには時間を割いていて、二つ星レストランでもトップの食材を入手できないもどかしさが小林シェフにあったのではないかと想像します。ただ、映画の設定ではグランメゾンパリはブランカンのシェフに店を借りているので、コネ社会フランスではブランカンの名前が通るはずなんだが。。。
てか、貧乏な尾花夏樹がどうやって開店資金を捻出したんだろ?女性三ツ星シェフ倫子の肩書で借入した?

三ツ星を取りに行くにあたって尾花はフランス伝統料理だろってことで、でもなかなか良い料理ができずに、結局は伝統を軸にアジア人らしいエッセンスを取り入れるハイブリッド型にシフトしていったのも、小林シェフの料理を見ているとそのような経験からでは無いかと推測するところだ。この辺りの脚本作りにはかなり小林シェフの思い入れが入ってるように思われる。あ、だからボクが去年行ったときに出た料理が中華っぽく甘いのもあったんだなと疑問回収できて個人的によかった。

小林シェフのスペシャリテ、サラダのくだりはミッシェル・ブラスへのオマージュがあって我々世代には胸アツなシーンだった。(プラスは3回くらい行った)

2024.10 レストランケイで

昨年10月に訪れたレストランケイの記事を含んだ旅行記事です。映画にも出てきた料理を味わってきました。
その本音はどうだったか?

しかし、メイン料理でジビエのピティビエが来たのは、えっなんでこの流れでクラシックかい!手島シェフやないかい!となったけどね。

これまで見た料理映画の中でもトップじゃないかな。
nomaとかドキュメンタリーもあったけど、なんかこう料理本が動画になっただけで、情熱パッションが感じられなかったけど、この映画はじつにエモーショナルだった。三ツ星取るって分かっていても。

それを支えていたのは料理のリアリティさもさることながら、フランス語をかなりセリフに取り入れ、しかも日本人の役者みんながハイレベルな発音だったことも臨場感アップに強力な後押ししている。
特に沢村一樹演じる京野は良かったなとおもう。一瞬、フランス人喋ってるって思ったら京野さんだったりするくらい。
名役者の矜持、脱帽でした。リンダもドラマの時よりかなり上達してた。
食べ方もの所作なんかもみんな綺麗で見ていて気持ちよかった。

ベストレストラン50(グランメゾン東京ではトップレストラン50)の話は一切なしでした。
たしかにストーリーブレるから要らんかな。
もちろん、ミシュランガイドは協賛です。

しかし、レストランケイの宣伝効果は絶大でしょうねー。
今日本でボコボコ出店してるし。
儲かるやろなー。

リンダのセーターはざわつきましたね。
意図が汲めず謎。(笑)

ミシュラン発表1か月前のディナーという設定は無理があるけど、まあどうでもいいですね。

この映画を見て一番悔しがっているのは、パリの〇〇シェフじゃないかな。。。ぜひ三ツ星取って欲しい。

やっぱフランス料理最高!!

にしても、江藤オーナーが出てこなかったのはつくづく残念。
次シリーズでの復活に期待。

いいなと思ったら応援しよう!