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私人逮捕・世直し系Youtubeなどのコンテンツに共通する現代の錬金術
最近、私人逮捕・世直し系Youtubeなどのコンテンツが伸びており、賛否両論です。これらのコンテンツでは共通して、現代の錬金術が行われています。この記事では錬金術について解説していきます。
私人逮捕・世直し系Youtubeとは
痴漢や盗撮を実際にしている、もしくは疑いの強い犯人を取り押さえ、駅員や警察官に身柄を引き渡す様子を動画に納めてアップするのが世直し系/自警団系YouTuberです。
逃げ出す犯人を追いかけて、押さえ込み制圧する姿が荒々しかったり、怪しい行動をしていた人物に「今、悪さをしようとしていただろう?」などと声をかけ、謝るまでの様子をモザイクなしで配信するといった行為を行います。
法律違反やマナー違反をしている人を見つけて注意して回る動画ようなものから、場合によっては電車内で相手の胸ぐらをつかんだり、床に押し倒して制圧したりと、顔や車のナンバーなどにモザイクをかけずにさらしたりする非常に過激なコンテンツもあります。
現代の錬金術とは
現代の錬金術について説明する前に、現代の社会構造について説明していきます。
現代の社会の弱者の価値
格差の拡大が進んだ現代の社会では、弱者の経済的・資産的価値はないのが普通です。
弱者が経済的・資産的価値を弱者が創出できない要因には、多くの側面が存在します。以下にいくつかの主な要因を深堀して解説します。
条件・機会の不利
弱者として生まれる、もしくは、弱者となる状況に陥ることは、健康、住居などの基本的なリソースのほか、経済的価値を生み出す機会へのアクセスが限られる可能性が高く、その後の人生の機会や結果に大きく影響します。
能力的に劣っている
メリトクラシー的な思想を推進するわけではありませんが、弱者の多くは能力で劣っています。その理由は、環境などの自分の努力でどうにもならない要因から努力不足など様々です。
いずれにせよ、弱者は能力が不足しているために経済的・資産的価値を生み出すことが難しいのは事実です。
文化的・社会的なスティグマ
貧困や社会的弱者に対するスティグマや偏見は、彼らが経済的なチャンスや支援を追求する際の障壁となることがあります。このようなスティグマは、自己評価の低下や自己効力感の喪失を引き起こす可能性もあります。
これらの要因は複雑に絡み合っており、一つの問題が他の問題を引き起こすこともあります。これらの問題を解決するための方策は多岐にわたりますが、社会的格差が拡大した社会においては弱者から価値を創出するのは困難であると言えます。
人の不幸を笑うコンテンツが伸びやすいという話
人の不幸や失敗を中心にしたコンテンツが人気を集めることがある背景には、いくつかの心理的、文化的要因が考えられます。
まず、人は他人の不幸や失敗を見ることで一時的な満足感を得ます。日常のストレスや困難から一時的に逃れる手段として、他人の失敗や不幸を見ることでリラックスする人もいます。
また、他人と一緒にあるコンテンツを笑うことで、集団の一部であるという感覚を得られます。
加えて、失敗やハプニングは、瞬時に理解でき、複雑な背景知識や情報が不要なため、広範な視聴者にアピールしやすいという理由も挙げられます。
弱者の不幸から価値を創出するのが現代の錬金術という話
上の現代の社会構造をふまえると、弱者から価値を創出することは、現代の錬金術と言えます。そこで、なぜ私人逮捕・世直し系Youtubeなどが現代の錬金術の一種と言えるのかを説明します。
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