大森きりん

ロシア文学、聖書などに強く関心があり、 主に読書の備忘の為、noteを始めました。

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ロシア文学、聖書などに強く関心があり、 主に読書の備忘の為、noteを始めました。

最近の記事

人に何かを求めたく思う時

人に何かを求めたいと思う時、 まずその想いを(相手のことがもう想い浮かばないくらいに)深く深く押し沈めて、 ひとりの時間の中で、全く純粋に、自分の怠惰や悪癖、粗雑さを想い起こす。 ひとつひとつ、それらを恥ずかしく思って、 自分の心が見据えるものを再認識し、行動を改める。 そうすると、物事を見る目が清められ、 以前まで相手に求めていたものは、 全然無関係にも思えるような、自分の言動や心の卑しさが相手をそうさせてた、少なくとも、その大きな一端を担っていた事に気付く。 他者を

    • 福音書 ルカ12章-22

      命の事で何を食べようか、身体の事で何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物より大切であり、身体は衣服よりも大切だ。 世の理のひとつが易しく平素な言葉で表現されているように思う。 自分の生活を豊かにしようと食べ物の事を考えたり、着飾って格好よく見せようと衣服の事を考えたりするべきでない。むしろ自分の生活には無頓着で、周囲の人の生活を自分の事のように想い、献身の心で働きつづけるような人間こそ、どんなに美味しい食事よりも心の豊かさをもたらす生活が授けられ、どんなに見かけの良い服装で着

      • 福音書 ルカ9章-57

        鋤に手をかけてから後ろを顧みるものは、神の国にふさわしくない イエスに従って生きる(他者の為にこの身を賭して生涯を送る)と誓う弟子が、「しかし、その前に家族に暇乞いをさせてください」と言った際のイエスの返事。 "自分以外の人の為に生きる"という志は、独立した感情や意志をもって、他のあらゆる想念を押し除けてこそ、自らの内に起こりうるものであるので、 それが世間事との折り合いの上で決心されるようではいけない、ということ。 愛する家族へ別れを告げる事自体が悪いのではなく、ただ

        • おはぎ/茶菓工房たろう(金沢市)

          値段:184円 甘さがかなり控えめの粒あんが美味しい。 素朴な小豆の風味と、柔らかくもずっしりみずみずしいお餅。食事感覚でいただけるおはぎ。

          トルストイの民話/トルストイ(ロシア)

          「戦争と平和」を書いたロシアの文豪トルストイによる珠玉の短編集。神は愛である――と喝破したトルストイならではの思想が、民話の装いを借りて、美しく力強く語られます。【福音書館HP】  福音書館より、小学校上級以上向けの童話として出版された、トルストイの民話集。”キリスト”とは何か。人の正しい生き方とは何か。労働とは何か。人生における根源的な問いを民話という平易な言葉、素朴な物語を用いて、表現している。  物語の前には聖書の言葉が掲げられ、聖書の言葉を深く理解するための物語と

          トルストイの民話/トルストイ(ロシア)

          車輪の下で(1905)/ヘルマン・ヘッセ(ドイツ)

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          木③ イチョウ@二条公園

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          おおきな木(原1964)/シェル・シルヴァスタイン(アメリカ)

          おおきな木(原1964)/シェル・シルヴァスタイン(アメリカ)

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          木② イチョウ

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          小さな出版社のつくり方/永江朗

          小さな出版社のつくり方/永江朗

          ひとり出版入門/宮後優子

          ひとり出版入門/宮後優子

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          木① エンジュ

          木① エンジュ

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          カラマーゾフの兄弟(1879)/ドストエフスキー(ロシア)①

          はじめに 20代前半に初めてこの本に出会い、この上なく強い印象を受け、読む時期があったり、無かったりしたものの、精神的な側面から言えば、文字通りの”聖書のように”、いつも自分の傍にあったこの小説について、 いま思い浮かぶ限りの、断片的な記録を書きたいと思う。 あらすじ あらすじではないですが、まず作者が意図していたこの小説の位置づけについて… つまり、私たちが手にするこの”カラマーゾフの兄弟”は、主人公のアレクセイ(以下:アリョーシャ)の伝記として綴られる大長編の前半

          カラマーゾフの兄弟(1879)/ドストエフスキー(ロシア)①

          旧約聖書-創世記

          旧約聖書-創世記

          メモ:虫を殺さない心理

           小さな生物、花や草木のいのちを想う事。 それは一体の小さな昆虫の神秘的な生態から見出しうるものだけではなく、自然全体の美しさを感受し、それをその昆虫の内に見出すことからもある。  自然全体を人がその全てを眺める事ができないような大きな機関だとする。それはそれ以外には考えられない程の完成された美しさを持つもの。小さな虫はその機関における、小さな一つの歯車。この歯車は美の完成の内にいて、人はこの壮大な機関の恐ろしい程の美しさを感じることができれば、たちまちその小さな一つの歯車さ

          メモ:虫を殺さない心理

          貧しき人々(1846)/ドストエフスキー(ロシア)

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