「SNSはGIVE精神で伸びる」総フォロワー15万人・コンクリのGENさんに聞く、フォロワーゼロからのSNS戦略
240日インスタを投稿し続ける営業マン
森:GENさんのTikTokアカウント『コンクリのGEN』の世界観が好きで、以前からフォローしていました。GENさんの投稿を参考にして、インテリアを買ったこともあるくらいです。もともと、インテリアやルームメイクに関心があったのでしょうか?
GEN:社会人になる以前から、家具や家電が大好きでした。好きが高じて、ファーストキャリアは家電メーカーです。
森:センス抜群の家具や家電をセレクトできていたのには、ファーストキャリアも関係しているんですね。Instagramを始めたのは、発信者になるためですか?
GEN:発信者になった理由は、キャリアアップのためです。どちらかといえばWebに疎いタイプでしたし、インフルエンサーになろうと思っていたわけではありません。
家電メーカーの仕事は好きでしたし、それなりに安定していたものの、業界の成長は鈍化していたんですね。
一方で、インターネット業界は年々成長しています。どちらに身を置くべきかを考えたところ、やはり後者の方が自分のためになるだろうと思っていました。
ただ、インターネット業界に関して、知識も経験もありません。このまま転職活動をしても門前払いになると思い、少しでも実績をつくるために始めたのが、「コンクリのGEN」の前身となるアカウントでした。
森:「コンクリのGEN」はもともと、転職を成功させるためのアカウントだったんですね。当時から、発信するテーマは暮らし系のジャンルに絞っていたのですか?
GEN:コンセプトは異なりますが、暮らし系のジャンルです。初期は前職の知見を生かして、「家電メーカーで働く」という枕詞を付けて家電を紹介するなどしていました。
森:アカウントのコンセプトを“コンクリ部屋”に変える以前から、アカウントにはたくさんのフォロワーが付いていたのでしょうか?
GEN:いえ、全然です。8ヶ月間、1日も欠かさずに投稿し続けても、フォロワーは4,000人程度でした。
森:思ったような成果が出なくても、更新を続けられたのですね。SNSの毎日更新はハードだったと思いますが、更新を諦めそうになったことはありませんでしたか?
GEN:フォロワーが2〜3,000人のときに、2週間ほど投稿をやめてしまった期間がありました。毎日投稿しているのにもかかわらず、フォロワーは1日1人増える程度で、希望を失ってしまったんです。
ただ、「転職活動を成功させる」という目標を持っていたおかげで、踏みとどまることができました。「ここまで頑張ってきたのに、今やめてどうするんだ」と自分を鼓舞し、運用を再開できたんです。
すると、その努力を認めてもらえ、企業のマーケティングを支援するディレクターとしてWeb業界へと転職することができました。
森:業界未経験での転職はハードルが高かったと思います。まさに、SNSを使って人生を変えられたんですね。
GEN:そうですね、SNSに人生を変えてもらいました。転職に成功したタイミングで投稿をやめてもよかったのですが、本業と副業をかけ算することで、より大きな飛躍ができる予感がしていたので、今日まで投稿を続けています。
今では独立していることを考えると、僕にとってSNSは人生を変えるツールだったと思います。
コンセプトにこだわれば勝ち戦になる
森:GENさんはInstagramだけでなく、TikTokでもミリオン再生動画を出されています。どのようにして、コンテンツをバズらせているのでしょうか。テクニックがあれば、教えていただきたいです。
GEN:投稿をバズらせ、アカウントを伸ばすためのテクニックはいくつもあるのですが、大前提として「コンテンツを見続ける」ことが重要です。
自分の頭で考えても、優れたアイデアはそう簡単に思いつきません。でも、コンテンツをインプットしていると、「こんな投稿がバズっているんだ」「このフォーマットは自分のアカウントにも生かせそうだ」と発想が膨らみます。それを積み重ねていくことで、バズらせるためのアイデアが出せるようになるんです。
僕は発信者ですが、他人の投稿を日頃から欠かさずチェックしています。真似したいと思ったアカウントはジャンル問わずフォローして、自分のセンスをブラッシュアップしているんです。
森:僕もまったく同感です。日頃のリサーチが生かされた投稿があれば、ぜひ教えてください。
GEN:サムネイルのテキストをL字に挿入したコンテンツがあるのですが、これはカフェ紹介系のアカウントを参考にしました。
僕の「暮らし系」のアカウントと「カフェ系」のアカウントは、ジャンルは違えど「綺麗な世界観を強みにしている」という共通点があります。つまり、フォローしてくれるユーザー層はかなり似通っているはず。そのまま横展開すれば、きっとハマるという確信があったんです。
森:GENさんの場合、“コンクリ部屋”という独自のコンセプトがベースにあるので、他人のアカウントを参考にしても、二番煎じにならないんですよね。これこそ“コンセプト勝ち”だと思います。
GEN:ガチッとハマるコンセプトに出会えるまでコツコツと投稿し続けたことも、一つの成功要因だったと思っています。
アカウントを“情報屋さん”で終わらせない
森:暮らし系のジャンルは、コンテンツが情報として消費されやすいと感じています。個人として前に出るのが難しいからです。
しかし、GENさんは、フォロワーの“ファン化”に成功されていますよね。発信を情報として消費させず、ファンをつくっていくための秘訣を教えていただけませんか?
GEN:自分の投稿が、視聴者にとって「ノイズ」にならないように気をつけています。動画一つにしても、写真一つにしても、納得がいくまで何度も撮り直したり、PR案件を極力控えたりと、視聴者を不快にさせないようこだわっているんです。
たとえば、「コンクリのGEN」ならではの投稿を期待しているフォロワーの方に、誰もが発信している投稿を届けたところで、それはノイズです。「どこかで見たことあるな」と流されてしまうでしょう。
また、PR案件を引き受ける場合には、自分が本当に使いたいと思った商品しか紹介しません。その際は「案件です」としっかり伝えるようにもしています。こうした細かい積み重ねが信頼を生み、ファンになっていただけているのだと思います。
また、自分の思いをしっかり言葉にしたり、弱みを開示することもしています。自分が活動する意味や目指す未来を、コンテンツを通じてフォロワーに伝えるんです。
森さんがおっしゃるように、たしかに暮らし系のジャンルは、コンテンツが情報として消費されやすい。だから、運営者の人格を出すことで、唯一無二のアカウントとして認知してもらうようにしています。
このときに忘れてはいけないのが、たとえ自分の思いであっても、フォロワーにとって有益でなければいけないということです。
自身の価値観を開示されているインフルエンサーさんは少なくない数いますが、自分よがりでは見向きもしてもらえません。自分の思いが誰かの背中を押したり、開示した弱みが誰かの助けになったりするよう意識すると、ノイズにならずにファンになっていただけると思います。
森:コンクリ部屋に限らない投稿も見かけますが、メインテーマから外れるコンテンツを発信しても、ノイズにならないのでしょうか?
GEN:適切な頻度であれば、メインテーマから外れる投稿をすることは、むしろファン化につながるアクションだと思っています。僕はファッションや旅行の投稿をすることがありますが、そこで「GENさんは部屋以外もオシャレだな」と思っていただければ、「コンクリのGEN」という人間そのものを好きになってもらえるからです。
似たような投稿ばかりだと、逆に飽きられてしまう可能性もあるので、ときに捻りをくわえることも重要だと思っています。
森:“オシャレなコンクリ部屋”という土台があるからこそ、メインテーマから外れた投稿でもファン化を促せているわけですね。
GEN:おっしゃる通りです。テーマをずらすのは、アカウントがある程度成長してからの戦い方にはなりますが、ただの“情報屋さん”として終わらないために大切なアクションです。
インスタグラマー視点で見るTikTokの長所と短所
森:GENさんはInstagramからSNS運用を始められて、TikTokでも発信を始められています。インスタグラマーから見たTikTokのメリット・デメリットがあればお聞きしたいです。
GEN:TikTokのメリットは、やはりコンテンツの拡散性です。新規層にリーチできるので、フォロワーの獲得スピードが段違いだと感じています。
一方で、フォロワーのファン化は難しい。TikTokは新規ユーザーのアクションが評価されるので、ファン向けの投稿が伸びづらいんです。
森:たしかにTikTokは、Instagramに比べてファン化が難しいですよね。TikTokで獲得した新規フォロワーをファンに育てていくためには、どのようなアクションが必要だと思いますか。
GEN:僕の場合、ファンを育てる場所は、Instagramのストーリーが中心です。もちろん投稿でも自分の思いを表現することはありますが、投稿を見てくださったフォロワーの方に、ストーリーで日常を開示することで、自分らしさを表現しています。
特に僕の場合、InstagramとTikTokで投稿するコンテンツは同じものなので、ストーリーが唯一自分らしさを表現できる場所なんです。いかにここに誘導できるかが鍵になると思っています。
森:ストーリーズに似た機能として、TikTokにはライブ配信があります。僕のクライアントである「妊活相談*よし子先生」は、毎日22時からのライブ配信を300日間継続し、2万人のフォロワーを獲得しました。
ひんぱんにチェックしてくれている方は、お正月も休まず、ときに飛行機を降りた瞬間にライブ配信をしている姿を見ているので、自然とファンになってくれたんです。投稿ではなく、リアルタイム性のあるコンテンツは、やはり人を引きつけますよね。
GEN:おっしゃる通りです。ファンになってもらうには、フォロワーさんに僕のことを身近に感じてもらう必要があって、コンテンツだけではそれが難しい。近い距離に感じてもらう手段として、リアルタイム性のあるコンテンツは不可欠だと思っています。
GIVE精神のないところにファンは付かない
森:大ファンであるGENさんから、直接SNSの運用ノウハウを聞かせてもらえて感激でした。最後になりますが、GENさんが考える「SNS運用でこれだけは忘れないで欲しいポイント」について教えてください。
GEN:「視聴者へのGIVE精神」に尽きます。視聴者の気持ちに寄り添うことなくして、ファンになってもらうことは不可能です。
僕であれば、「自分の動画を見て暮らしを豊かにしてほしい」という思いで日々コンテンツをつくっています。その思いが伝わるからこそ、これだけ多くの方にフォローしていただけているはず。これから先も視聴者へのGIVE精神を持ち続け、常に期待を超え続ける投稿をしていきたいですね。
森:視聴者の時間をもらってるという意識がないと、応援されるアカウントにはなれないですよね。
先日、ご自身のインテリアブランド「#MONOLITH」を立ち上げられていましたが、やはりGIVE精神を意識されているんですか?
GEN:もちろんです!夢だったブランドを立ち上げられたのは、紛れもなくフォロワーさんたちのおかげです。だから、ブランド名を決める際にはフォロワーさんたちからの意見を募りましたし、試作している製品も、フォロワーさんの意見を取り入れながら試行錯誤を重ねています。
もう少しで、皆さんの手に届く段階です。少しでも気になった方は、ぜひ手に取っていただき、生活を豊かなものにしてもらえたらなと思います。
◾️ 『コンクリのGEN』のTikTokアカウントをフォローしよう!
◾️ TikTok運用に困ったらSI株式会社に相談しよう!
SI株式会社は、ヒカルやラファエルなど有名YouTuberを輩出したインフルエンサープロダクション・VAZのファウンダーであり、アジアを代表する30歳以下のリーダー「Forbes Asia Under30」Media, Marketing & Advertising 部門に選出された森泰輝が代表を務めるマーケティング・エージェンシーです。