Journal du 22 au 29 septembre

9/22
2時か、一味が机に。公園には半分埋まったタイヤ。潰れた空き缶、よく見えるように、窓際に。今日もよく飲んだ。もういいでしょう、よく寝よう。

9/23
どうも落ち着かない、スマホを置く手が戸惑っている。土曜日、十一時の喫茶店で、角の一人席に通された。
タバコを忘れてきたので、タバコありますかと聞くと、メビウス、マルボロ、ウィンストンがありますと言われる。新人っぽいパーマの青年がいくつか箱を持ってくると、僕はあせって六ミリのやつをと、特に考えもなくメビウス六ミリを選んでしまった。無際限に吸ってしまえるくらい、引っ掛かりのない味だ。

この前、O氏がもうすぐフランスに行くということで引っ越しを手伝った。O氏の蔵書をW氏の家に運ぶ仕事で、結果的に軽トラック三台分くらいの量があった。W氏の家の近くの道路に軽トラックを停めて、他の二人が台車で本を運んでいるあいだ、僕は違法駐車として通報されるのが怖かったから、トラックの傍の歩道に腰掛けて、タバコを吸っていた。タバコの火を消そうとかがみ込んだとき、右膝に涼しい感覚がして、見るとジーンズが破れていた。横にビリっといっていた。作業が終わる夕方頃には、裂け目は縦にも走り、ダメージジーンズという言い訳も効かないところまで行ってしまった。

平日はスーツを着ていたから、引っ越しぶりにそのジーンズを着て、自転車に乗ると、やはり視線が気になる。膝が涼しい。誰かに裁縫セットを借りてパッチを当てるしかないな、しかし縫ったなと思われるような下手な縫い方だと余計恥ずかしいかもしれない、などとごちゃごちゃ考えてしまう。交差点は人が多い、そうだ、僕は破れたジーンズを履いた恥ずかしい人間だ。
そうして喫茶店で、灰皿は四角い形をしていて、このジーンズはいつ買ったのだろうかと思い、ヒラヒラと昇るタバコの煙を眺めながら、以前の日記を見返している。

9/24
セルに数字を打ち込む作業をひたすら三〇分くらいして、マイクロソフトのアカウントが切れていてファイルを保存できないことが判明した。間接照明に羽蟻が止まっている。僕は喫茶店に逃げることにした。
外に出ようとしたが、服が乾いていない。洗濯する段取り間違えた。でももういいかと思う。だらしないと思う服装で行ってもいい日にしよう。
逃げるってどこへ?喫茶店の二階席に。パソコンを開き、タスクを洗い出す作業をする。

昨日の夕方から急に寒くなった、秋が来た。お腹が空いたが、さっき家でお昼を食べたところだ。ハンバーグ弁当を食べた、冷凍しておいたバイトのまかないだ。二階席で作業をしているあいだ、人が来て、去っていった。夏が来て、去っていった。
Tシャツ一枚で出てきてしまったが、帰りは寒くなければと思う。行きはちょうど良かった。家にはいまラジオコンポがあるから、何かCDを買って帰ろうかと考える。山下達郎とか。TSUTAYAが三条にまだあっただろうか。
そうだ、一四時に配達が来るんだった、もう帰らないと。喫茶店の一階では、たまたま会った知り合い同士が、ご無沙汰です!いまから出勤です!と言っているのが聞こえた。レモンティーを飲み干して、サンダルで歩く。僕の皮膚はまだ日焼けで黒い。

納豆をかき混ぜていると、電話が来て、宅配便である。梱包を開けると函に入った『文学空間』であった。

9/25
うーん、昼寝していた。寝過ぎた。

9/26
ハイネケン飲んで寝る。

9/27
暑かったり寒かったり難しい季節。午後の暑い頃、道端の芋虫を踏んでしまいそうになる。めまいがして膝から崩れ落ちそうになるのを、物に掴まりながら建物の外に出る。めまいがするということは、休まなければならないということだ。膝の高さくらいの家のベッドに......

9/28
まだエアコンがないと寝れない。
ブラッド・メルドーの”Live in Tokyo”を聞く。実習で和歌山に行ったとき、夜に自転車で海まで漕いだのを思い出す。知らぬ土地に放り出され、衛星都市という言葉が頭の中をグルグルとしていた。

9/29
今日もよく働いた。タスクは全部明日に投げた。明日にやるべきことを残しておくことを「明日に投げる」と言う。
大学の文学部棟の中庭は喫煙所になっている。いなくなったところに別の人物がやって来る。手提げバッグ。人が人に話しかける。
友達二人と待ち合わせている近所のレストランに向かう。明日はそのうち一人がフランスに旅立つ日だ。
紙ナプキンの上にナイフとフォークが置かれている。腹が減ったと、ナイフの上に手を置いてみる。蛾が店の奥から来て、椅子の陰に隠れた。シャツをクリーニングに出さないといけないことを思い出した。

(日本語:1705字)

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