荒れたところの言語の価値

(2023.7.16Threadsより移設)

 言語の価値を考えさせられました。ドキュメンタリー映画「ぼくたちの哲学教室」では、感情的になって喧嘩してしまった後に、言語を使ってどうすべきかを考える場面が何度も出てきます。
 哲学教室というだけあって、小学生ではあるけど「彼は君にとってどういう存在だい?」などと段階を踏んで話していきます。そうして仲直りするのだけど、しばらくするとまた喧嘩する。そしてまた哲学的に話し合う。
 言語は認識を構築することに一役買っているように思いました。感情が表に出ることは決して悪いことではないのだろうけど、暴力などに発展しては火がついて消えなくなることがある。そうなる可能性を認識し、今自分が起こしてしまったことを認識し、どうすれば良いのだろうかと(仮)でも認識としてもつ。言語によってつくられた認識が抑止として少しずつ働いていく。
 哲学教室の舞台は、北アイルランド紛争によりプロテスタントとカトリックの対立が長く続いた街でした。群集心理も働いたのではないかと考えられるかつての暴動が二度と起こらないように、哲学で対抗しようとしているように感じられました。


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吉田大樹
リベルというのをやっています。 http://liber.community/