十倉 好紀先生と実験の実習教育
2023年5月10日、物理工学専攻 十倉 好紀 卓越教授が英国王立協会外国人会員に選出されました。十倉先生はトムソン・ロイターによりノーベル賞候補にも選出されていました(Thomson Reuters Names Their Nobel Guesses - Asian Scientist Magazine )。また2023年現在の経団連会長の十倉雅和さんの弟でもあります。
研究分野を非・物理科学者向けに説明すると、モノは何からできているかの究極単位を探す「素粒子物理学」ではなく、原子や分子を巧妙に組み合わせて作りだした新物質が超伝導などの興味深く、かつ素材としてテクノロジーに応用できる可能性を探求する「物性物理学」の実験研究がご専門です。小生(高橋たいき)が学部生のころは理学部物理学科の教授をされていましたが、研究設備や、学生さんの気質としては理学部物理よりも工学部の応用物理系のほうが適しているとのことで、工学部に異動されました。理学部物理におられたころは学生の実験実習の教育を担当されたり、統計力学・物性物理の教育を担当されたりしておられました。工学部に移られてからは小生のサークル時代の同期であり、やはり物性物理学の実験家である斎藤英治先生(現在・東京大学教授)をご指導され、また、斎藤氏の慶応大学時代の教え子からメンタリストDaiGoを輩出するなど、変わり種の逸材を輩出するソースにもなっています。このたびはロイヤルソサイエティー会員選出おめでとうございます。