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スペインで考えた、暇がもたらす独創性

スペインは、経済的にはあんまりイケてなくて、失業率は高い(2023/4時点で12.6%。日本は2.3%。ちなみに2013年のスペインの失業率は驚きの26%越え。4人に一人以上が失業ってヤバいwww)し、皆昼から飲み始めるし、結構いろいろテキトーだし、これでどうやって社会が回っとるんじゃ、と思うこともあります。

昼から公園のベンチとかに座っていい天気の中ぼーっとしたりして暇そうにしてる人も結構います。

一方で、ピカソやミロ、ベラスケスやゴヤみたいな偉大な芸術家を輩出してきたり、ダンスやアートなどの文化で世界をリードする分野があったり、サッカーでは常に世界トップレベルのチームがあったり、面白い国です。

で、一つ思ったのは、暇だからこそ独創的なものが生まれるんではないか、ということです。

僕も今、一日4時間しか働いていないので、暇な時間が結構あります。ダンスのクラスに行ったり、ダンスを練習したりする時間を考えても、結構暇な時間がある。

ということで、暇と独創性、創造性についてちょっと心理学的に考えてみました。

人の脳は基本的に怠惰である

人の脳は基本的に怠惰で、すぐなまけようとします。脳は人間の臓器の中で最もエネルギーと酸素を消費するので、なるべくエネルギーを節約しようとするからだと思われます。(人工知能が大量の電力を消費するのと似ている気がします。)

なので、人は、特に忙しいと、すべての物事をゼロベースできちんと順序だてて考えることはせず、簡単な方法(Mental ShortcutとかHeuristicsと呼ばれる)で物事を考えようとします。

その「簡単な方法」の一つは、大多数の意見に従う、とか慣習、規範に従う、とかです。

そうすることによって、自分でゼロから考える必要がなくなり、複雑な物事にさくっと答えを出せるようになります。

一生懸命働くことは良いことだ、不倫はいけない、人を殺してはいけない、などなどです。

時には自分の頭でゼロベースで考えると独創的、創造的になれる

そして、それがいけないことだとは全く思いません。というか、通常はそれでいいと思います。

毎日毎日、なぜ今日も会社に行かないといけないんだっけ?なぜ上司の奥さんを寝取ってはいけないんだっけ?なぜうざい同僚をホームに突き落としてはいけないんだろう?などと考えていたら、頭がパンクしますね。ヤバい人です。笑

Mental Shortcut、Heuristicsは、進化の中で人間の脳が備えた武器だと思います。これを有効に使わない手はありません。脳の消費エネルギーを抑えることによって、他の部分にエネルギーを回すことができます。
(人工知能はHeuristicsを備えているのかな?そうしたらもうちょっとエネルギー消費を抑えられるんでしょうか?最新の人工知能研究に詳しくないのでちょっとわかりませんが。。。)

でも、いつもいつもMental Shortcutを使って、大多数の意見や、規範、慣習に従った行動をしていると、当たり前ですが独創的にはなれません。

独創的になるには強制的に暇を創ろう?

なので、独創的、創造的になる一つの方法としては、忙しい毎日から解放され、脳への負荷を減らし、脳がMental Shortcutを使わずに思考をできる状態を強制的に創る事なのかもしれません。

それができるのは一部の恵まれた人だけだよ、という意見があるのもわかりますし、それはそれで別で考えるべき問題だとは思います。

が、今の日本社会ではそれができるのに、してない人も多いのではないかと思います。
すこし古いデータですが、日本の金融資産の約6割は60歳以上の人が持っています。(これは2014年のデータなので、今はもっとだと思います。)

つまり、多くの人は、お金を貯めて貯めて定年を迎えている、ということが推察されます。
この本、Die with Zeroの著者が言うところの、「多くの人は、晩年にどれだけ資産が残っているかを競うゲームをしている」というところでしょうか。

でも、だったら、晩年に残ってる資産を少し前倒しして若いころにつかって、暇な時間を創るのも、人生を豊かにするためにありなんではないでしょうか、ということです。

暇は人生を豊かにする可能性がありそうです。

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