今こそ、宇宙を作るとき!!
こんにちは。この記事では、僕自身のハマっていることと、僕自身のこれまでの(物理学を修士まで勉強してきた)経験の関連について書いてみようと思います。
具体的には、デジタルで作られた世界の話をしようと思います。デジタルで作られた世界とは、いわゆるバーチャルリアリティー(VR)やコンピュータグラフィックス(CG)と呼ばれる世界のことです。僕がCGに興味を持ったきっかけは、Oculus QuestというVRデバイスでした。これまで、VR、ああ、あれねという理解があったのですが、やっぱり、一体験は百見に如かず(百聞は一見に如かず)で、本当に印象が変わりました。そこには、デジタルな世界が広がっていて、リアルでした。( 自然と比較すると、もちろん全然リアルではないです、ただ自分の想像力で頑張って思い描いているVRというものはこういうものという頭の中のVRに比べて100倍リアルだったという意図です。)
そんなわけで、このリアルなデジタルな世界で何か作りたいと思ってしまったわけです。現実の世界で家を立てるには、数千万円というお金がかかり、時間も必要です。大きなピラミッドを作るにはもっともっと多くの富と権力が必要です。しかし、デジタルの世界では、ほんの数日と少しのお金でできてしまいます。VRのデバイスに出会っていない世界線の僕なら、この数日でできたピラミッドは0と1の数字の羅列にしか見えず、そんなもののために数日も使うことに絶望していたと思いますが、自分が今生きている世界線では、その数字の羅列がリアルに輝き価値を放っています。
次に考えたことが、このデジタルな世界でのルールです。僕は、これまで数年間物理学という現実の世界のルールを解き明かす学問を勉強していました。特に宇宙論という、宇宙のルールとそのルールが宇宙をどう作ってきたかについて興味を抱き勉強してきました。そのルールは、一つの数学的な方程式にまとめられるはずという宗教のもと、この方程式を探し体系化することが物理学の一つの目標です。
このような経験で、世界が数学的な何かの構造でできていると信じる教徒の僕は、逆に数学的な構造で世界を作ってみたくなってしまいました。これは、すごく単純な話です。例えば、デジタル空間にあるランプ(つまりCGで作ったランプ)がどう点滅するか、デジタル空間の中にあるボールがどう動くかということを決めるということです。ランプが点滅するときに光の減衰が指数関数的減少にするか、二次関数的減少するかを決める行為は、このデジタル空間のルールを決める、あるいはデジタル空間の物理を決めている行為だと思っています。デジタル空間に実在する物質、光や水の流れ方、時間発展を決めていく、念力という第5の力を許容するなどここで起きる全ての現象について制御する、あるいは数学的なモデルとして扱えるはずです。(映画テネットではエントロピーを減少させることができるというルールのもと作られた世界観でした。)
こうやって作られたデジタルな世界をリアルとい感じられるのであれば、そこには我々が住んでいる宇宙とは別の宇宙が存在しているはずなんです。そんな宇宙を作っていく、これこそ僕がVRやCGを好きだと思う一つの理由です。