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診療放射線技師って何してるの?
皆様こんにちは。Taiです。
前回が初回ということで軽く自己紹介であったり、抱負的なことを書かせていただきました。まだご覧になられていない方はお時間ありましたら是非覗いてみてください。
前回書かせていただいたのですが、僕は地方の整形外科クリニックで診療放射線技師として働いています。
整形外科の単科なので行う検査(以下モダリティ)が限られますし、全ての検査に詳しい訳ではありませんのでご承知おきを😌
そもそも放射線技師って何してる人なの?
診療放射線技師は、医師や歯科医師の指示のもと、放射線を用いた検査や治療を行う医療専門職です。レントゲンやCT、MRIなどの検査や、がん治療のための放射線治療などを行います。
そういうことです!
だけでは物足りないかと思いますが、ほぼこれに尽きます。
僕が務めているクリニックではレントゲン、骨密度検査、CT、MRI、下肢エコー検査などを放射線技師が請け負っています。
それ以外にも核医学の検査や癌の放射線治療など放射線技師ができる仕事はありますが、今回はここに絞らせていただきます。
それぞれについて軽く触れていきましょうか。
レントゲン
これは皆さん馴染みあるかと思いますが、一般的に最初に病院に行って「写真撮りましょうか」と言われて撮るアレですね。
X線と言う放射線を人体に照射し、体内の構造物による透過度(通り抜ける具合)の違いによって体内を画像化しています。
もちろん被ばくはしますが1度での被曝量で言うと全く問題はなく、癌などの病気になる線量の1/10000くらいで、普段生活している中での1年間の被曝量より少ないんです。
骨密度検査
こちらの検査も基本的な原理はレントゲンと同じX線を用います。骨脆弱性骨折の頻発部位(腰、股関節、手首等)で骨密度を測定することが多いかと思います。
スクリーニングの検査でしばしば「踵(かかと)の骨を使ってしたことがある!」という方もいらっしゃるかと思いますが、その検査はX線ではなくて超音波を使った検査になります。精密性がX線の検査より劣りますので、しっかり調べたい場合は整形外科で腰や股関節で調べることをおすすめしております!
こちらもレントゲンと同様被ばく線量はとても少ないものになりますので心配はいりません。
僕は診療放射線技師の免許とは別に、「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)マネージャー」という資格も持っています。骨密度と骨粗鬆症についてはまた深掘ってみてもいいかもしれませんね。
CT
CTも上記2つの検査と同じくX線を用います。
体内の構造物をレントゲンより精密に見られる機械になっています。
僕は整形外科のみですので、トンネルに入り2~3回の往復で検査が終わります。主に骨折の精査(詳しく見ること)に用いられます。レントゲンではよく分からない骨折の程度を判別したり、骨がくっつく過程を追ったりする時に使っていますね。
内科等では造影剤を用いて腹部などの臓器をより詳しくみることもできますね。
1回の撮影で含まれた範囲の画像をいくつかの断面で見せたり、3Dで立体的に見せたりすることができるため、診断に有用なわけですね。
こちらは上記の2つの検査より被ばく線量が多くなりますので、短期間での頻回の検査は注意が必要です。
MRI
CTやMRIの検査をしたことない方から実際に来られる患者さんまでたくさんの方がこういうこと思ったことあるかと思います。
「CTとMRIって何が違うの?」
皆さんも思ったことありますか?
思ったことがある方はぜひ見て欲しいです😌
結論からお話すると、MRIは磁場を使った検査になります。CTはX線を使うと先程ありましたが、大きな違いはそこですね!
MRIは強力な磁石があるトンネルの中に入り、そこにたくさんの周波数を持つ電波を当てることにより体の中の磁場の変化を画像化している検査になります。
ですので磁場の変化や画像ができるまでに様々な過程を必要とします。そのため、1つの画像で1~5分かかるんですね。(画像の種類によってかかる時間が異なります。)大体5種類以上の画像を揃えて診察に渡しますので1検査で15~30分程度要します。
検査の特徴として
・時間が長い
・うるさい音がする(耳の保護必須)
・動きにとても弱い
・撮影部位が暖かく(熱く)なることがある。
などが挙げられますね。
こんなに時間がかかって、危険な検査かと思われるかもしれませんが何故するのですか?
ズバり、レントゲンにもCTにもない良さがあるからです。
(整形外科に限った話にはなりますが)MRIでは骨ももちろん、筋肉や腱、膝の半月板など関節組織を細かく綺麗に見ることに長けています。
色んな疾患(怪我)の確定診断に役立っているわけですね。
下肢エコー検査
エコー検査は超音波を用いて体の中を見る検査になります。皆さんに馴染みがあるものでいいますと、妊娠中に赤ちゃんを見る腹部エコーとかですかね。
イメージしていただいて分かる方もいらっしゃるかもしれませんが、上記の他の検査と比べて画質はものすごく劣ります。
ですが、被ばくもありませんし、簡単に見ることができるため診察で医者の先生たちもよく使っています。
僕は診療放射線技師として下肢エコーの検査をやっています。
そもそも何を見たいのかと言いますと、血管です。
その中の血栓(血のかたまり)が見たいのです。
深部静脈血栓症というのですが、エコノミークラス症候群と言われたりもします。
こっちだと聞いたことある方もいらっしゃるかも?
足から心臓へと血液を戻す血管(静脈)に血の塊(血栓)ができて詰まってしまう病気です。
ふくらはぎや足の表面にある静脈に血の塊ができても大きな問題とはなりにくいのですが、下腹部や太もも、膝の中心を走る深部静脈に血の塊ができた場合、重症となってしまいます。血の塊が足の静脈から心臓や肺に向かって流され、肺の血管に詰まった場合、肺塞栓症を引き起こします。
主に膝や股関節などがすり減ってしまうと人工関節という手術を行うことが多いのですが、その手術を行うと長時間の安静による血液の滞留や、出血による自己機能で血液が固まるように働くため、下肢静脈に血栓ができやすくなるのです。
手術した病院で退院前に検査を行い、血栓があった患者さんの後追い検査を担当しています。
やりがい
ここまで聞いてややこしい!と思った方もいらっしゃるかと思いますがこの仕事にも何かしらやりがいがあるんです。
どの仕事もそうですが、やりがいがないときついですよね、、、。
僕が思う1番のやりがいは「診断に貢献できている」という自己満足と、画像の綺麗さがレベルアップできるという点ですかね。
診断に貢献しているというのは、医者が確定診断を出すには画像検査が必要なことがほとんどです。
レントゲンでの写真や診察でのテストや所見で伺わしい疾患をCTやMRIで確かめるといった感じで何かしらにかかわれているのは嬉しく思うことですね。
もう1つは画像のレベルアップですね。
これは何も分からない1年目と知識がついてきてからの画像では明らかに綺麗さが違います。
それにはもちろん多少の勉強が必要にはなりますが、いざ綺麗な画像を撮影できると嬉しくなるものですね。
最後に
今回は僕自身思っていた以上にボリューム満点の内容になってしまいました。
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます!
診療放射線技師って病院の中で目立つお仕事では無いですし、仕事の中身をよく知らない方もいらっしゃったのではと思います。
そういった方々に興味は持たずとも「こういう仕事あるんだね」くらいに思っていただけると嬉しいです。
これからも仕事についての思ったことや、仕事関係なく家庭のことなど共有していこうかなと考えております。
スキをいただけると頑張る励みになりますので良かったなと思っていただけましたらよろしくお願いします!
また、他の皆様と情報共有したいなと思い、Xのアカウントを新しく立ち上げました。
何気ないことで構いませんので色々教えてください。
ではまた次回、今日もお疲れ様でした。