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「砂の美術館・FRANCE」鑑賞記【鳥取県・鳥取市】

鳥取県は鳥取砂丘の目前に建つ「砂の美術館」。定期的に展示内容を替え15回目を迎える今回のテーマは「FRANCE」。さて フランスと言えば何が思い浮かぶでしょうか?エッフェル塔凱旋門、それとも ナポレオンルイ14世とベルサイユ宮殿?、はたまたフレンチ料理やシャンゼリゼ通りを闊歩するパリジェンヌでしょうか?今回の「FRANCE」ではそれらを余すことなく一堂に会した展示になっています。コンセプトの「砂で世界旅行」どころか誰もが知るフランスの文化や歴史にまで世界観を広げ、フランス歴史の目撃者になれる「時間旅行」を心行くまでご堪能下さい。・・・と言うわけで 昨年の「エジプト編」に続き、今回の「フランス編」も鑑賞して来ました。🙂👍



砂の美術館

鳥取砂丘の目と鼻の先で砂像を展示するプロジェクト「砂の美術館」がスタートしたのは2006年11月のこと。当初は野外展示のみでしたが、2012年より世界初の砂像専門屋内展示施設が誕生し現在に至ります。ここでは世界各国から砂像彫刻家を招き、毎年世界最高レベルの砂像の創作と展示を行っています。コンセプトは「砂で世界旅行」・・・2006年以来定期的(1~2年)に世界の国や地域をテーマに選定し 展示内容を替えています。15回目を迎える「24年~25年」のテーマは「FRANCE(フランス)」です🙂👌

砂像
砂像
は水だけで固めた砂の塊を彫刻して造形化して行きます。セメントや凝固剤など一切使用せず「」だけで作品を制作するため、制作時には常に崩れるリスクと背中合わせです。😱そんな通常の彫刻作品では味わうこともない制作時の不安の中、細心の注意を払いながらやっとの思いで完成した作品でも、展示期間後には全て崩して元の砂に戻してしまいます。😭そして次回テーマに向けてその砂を使用して新たな作品を制作するのです。🤔

1年~高々2年と言う限られた期間でしか存在することができない砂像。そんなはかなくも美しい造形を創り上げることに、世界中から招かれた砂像彫刻家らは情熱を注ぎこみます。夏の花火のようなその瞬間だけに人々に感動を与える刹那的な美こそが 砂像の絶対的な魅力と言えます🤓👍


砂の美術館へのアクセス

■所在地
 〒689-0105 鳥取県鳥取市福部長湯山2083-17

■自動車で
 ◎山陰近畿自動車道 福部ICより4分
 ◎山陰自動車道   鳥取西ICより16分
※県道265号線から入り砂丘交差点から県道319号線に入って右側2つめの建物です(左側には鳥取砂丘が見えます)。
■列車で
 ◆広島・岡山方面からお越しいただく場合
  JR岡山駅~JR鳥取駅(特急スーパーいなば) ※岡山から約2時間
 ◆京阪神からお越しいただく場合
  JR大阪駅~JR鳥取駅(特急スーパーはくと) ※大阪から約2時間30分
 ◆JR鳥取駅から「砂の美術館」まで
  ◎路線バスで
   鳥取駅バスターミナル→→→砂の美術館前バス停までは約21分です。
  ◎タクシーで
   移動時間
    タクシーでお越しいただく場合の移動時間は 次の通りです。
    ・鳥取駅から砂の美術館まで・・・約20分
    ・鳥取空港から砂の美術館まで・・・約20分
    ※上記の時間は目安です。交通状況によって変化します。

砂の美術館公式HP>アクセス より抜粋
砂の美術館と最寄り駅、IC
砂の美術館の所在地


館内マップ

砂の美術館内部のマップは、
砂の美術館」公式HP>館内紹介
から参照できる「館内見取り図」が参考になります。

館内見取り図


入館

砂の美術館 フランス編」タイトルが刻まれた砂像からスタートです🙂👉

砂の美術館・フランス編
「トンネルのような入口を進むと・・・」
「入館料:大人一般:800円小中高生:400円・・・値上がりしてなくて良かった😮‍💨」
フランス編に携わった彫刻家達Sculptors
「・・・いよいよ砂像展示室へ🙂👉」


鑑賞記

1.ノートルダム大聖堂
入口から入ってすぐ目の前、待ち受けていたのはドカンとそびえ立つ建築物の砂像「ノートルダム大聖堂」です😮

ノートルダム大聖堂(フロント・ビュー)」
ノートルダム大聖堂(実物)」
ノートルダム大聖堂(クォータロー・ビュー)」
ノートルダム大聖堂(ミクロ・ビュー)/細部まで忠実に再現された像群😮」
ノートルダム大聖堂(リア・ビュー)/砂像のアーチ状造形物は非常に困難と言われています🤔」
ノートルダム大聖堂(ドローン・ビュー)/3階から撮影🫡」
ノートルダム・ド・パリ/ヴィクトル・ユーゴー作の小説:邦題『ノートルダムのせむし男』からカジモド(せむし男)とエスメラルダ(大聖堂の横壁ってところがオシャレ🙂)」

2.パリの風景

パリの風景/バルコニーから眺めるパリの街セーヌ川とナポレオン三世の命令で架けられたシャンジュ橋、遠景にエッフェル塔が見えます🫡」
パリの風景ノートルダム大聖堂の塔にあるキメラ像コンシェルジュリー(ドーム屋根の裁判所・フランス革命で監獄として使用されました)😱」
パリの風景/パリジェンヌとオルセー美術館キメラ像
キメラ像(実物)」

3.建国の クローヴィス

建国のクローヴィス/フランク王国の初代王です(フランク王国が分割されてできた西フランク王国が後のフランス王国です)🤓」
建国のクローヴィスクローヴィスローマ教会や貴族の後ろ盾を得るためにカトリック教に改宗したとされています🤔」
建国のクローヴィス/左側大群衆はレリーフで・・・🫡」

4.百年戦争

百年戦争/1339年~英仏間で続いた百年戦争。フランス王シャルル7世の時に仏勝利で終結🤨」
百年戦争/兵士の重厚な甲冑や・・・」
百年戦争/遺体に掛けられた布の質感がリアルです🙂」
「~遺体を担ぐドクロ兵士😱」

5.ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク百年戦争終盤に登場しフランスを勝利に導いたジャンヌ・ダルク
ジャンヌ・ダルクオルレアンの戦いイギリスから拠点都市を奪回した騎乗のジャンヌ😀」
「・・・その2年後に火刑に処されるジャンヌ😭」

6.絶対王政

絶対王政/16~18世紀の西欧は国王が絶対的な権力を持つ絶対王政でした。👑太陽王と呼ばれた黄金期のルイ14世を表現しています😌」
絶対王政ルイ14世をとりまく貴族たちA」
絶対王政ルイ14世をとりまく貴族たちB」
「~フランス王家の百合の紋章フルール・ド・リス)をあしらったデザインのマントを身にまとい威厳に満ちた姿を見事に造形されています😮(これが砂像と言うから驚きです!)」

7.フランス革命

フランス革命/処刑場の革命広場に集まった人々とフランス革命前の国王と王妃との対比表現です🤔」
フランス革命ルイ16世マリー・アントワネットの優雅な姿😍」
フランス革命ギロチン(断頭台)で断首された首を観る群集😱」
「~何かを叫ぶ太鼓叩き🤔(悲壮感が伝わってきます😨)」

8.ベルサイユ庭園-バッカスの泉水

バッカスの泉水ベルサイユ宮殿には約1,400の泉水があり、バロック様式の彫刻が施されています😮」
バッカスの泉水/ワインを司るローマ神話の神バッカスと天使たち🙂」
バッカスの泉水(実物)」
バッカスの泉水/泉を中心に周囲を曲線的なロココ調のレリーフで囲む構成です🙂」
「~ロココ様式の繊細で優美な花のレリーフ🙂」

9.ベルサイユ宮殿

ベルサイユ宮殿ルイ14世により建造されたバロック建築の最高峰。豪華絢爛な『鏡の間』をはじめ宮殿内には700以上の部屋があります😮作品は一点透視遠近法を応用した構成になっています(天空にはギリシャ神話の太陽神アポロンが馬車に乗り天に上る姿が・・・)🫡」
ベルサイユ宮殿(実物)」

10.ナポレオンの戴冠式

ナポレオンの戴冠式/1804年ノートルダム大聖堂で35歳で即位したナポレオンの戴冠式です😌(ダヴィド作『皇帝ナポレオン1世~』をモチーフに造形化されています🤔)」
ダヴィド作『皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式』(一部切り出し)」
「~皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌ
ナポレオンの戴冠式(サイド・ビュー)」
ナポレオンの戴冠式/外には戴冠式を祝う群集が・・・🙂」


フランスの国章を基にしたデザイン/会場内のどこかに隠されています・・・🤫」


11.フランス文学-レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル/小説(ヴィクトル・ユーゴー作)の表紙絵を中心に小説のシーンを再現しています😮」
レ・ミゼラブル(右)/幼いコゼットジャン・ヴァルジャンが出会うシーン🙂」
レ・ミゼラブル(左)/コゼットの恋人マリユスジャン・ヴァルジャンに助けられるシーン😮」
レ・ミゼラブルレ・ミゼラブルのヒロイン コゼット
砂像は映画のコゼット役(アマンダ・セイフライド)がモデルと思われます🤔"Hair style" ga sokkuri!😮」
「オリジナルの小説『レ・ミゼラブル』の表紙」

12.フランスの森

フランスの森ルイ14世(右)と狩人(左)がフランスの森へ狩りに出た様子を表現しています🙂」
フランスの森の動物/シカ、クマ、オオカミ、フクロウ、ヤマネコ、ウマ、リス、ヒツジ(・・・まだいますよ🤫)・・・遠景にはアルプス山脈が見えます🫡」

13.フランス美術-民衆を導く自由の女神

民衆を導く自由の女神/1830年パリで起こった七月革命を描いたドラクロワの傑作を砂像で具現化しています😮」
ドラクロワ作『民衆を導く自由の女神』
民衆を導く自由の女神/胸を露わにしている女性は人ではなく女神様です😮」
民衆を導く自由の女神/足下には市民らのが・・・」

14.ベル・エポック

ベル・エポック/19世紀~第1次大戦前までフランス文化が繫栄した華やかな時代は古き良き時代ベル・エポックと呼ばれています🙂」
ベル・エポック/背景は市民や芸術家の社交場であったダンスホールを表しています💃」
ベル・エポック/前景に立つ女性はこの時代の画家デュアール・マネ作の絵画がモチーフです🙂」
マネ作『フォリー・ベルジェールのバー』

15.自由フランス

自由フランス/ドイツ軍からパリ解放し凱旋門パレードをするシャルル・ド・ゴール将軍(左)と亡命先からラジオで国民にナチス抵抗運動(レジスタンス)を呼び掛けている様子(右)の対比表現です🤔」
自由フランス/ラジオを通して国民にレジスタンスを演説中のド・ゴールとその原稿&パリ解放を報じる新聞」
自由フランスシャルル・ドゴール将軍(左端)と凱旋門前パレードの様子を再現しています😀」

16.観光大国フランス

観光大国フランス/高さ12m、重さ48tの巨大な機械仕掛けで動く象こと『グラン・エレファン』最大50人まで搭乗可能だそうです。もちろん現役😮(背景には欧州アルプスの最高峰モンブラン(左)とアヴィニョン教皇庁(右)のレリーフ)」
観光大国フランス世界遺産のロワール渓谷の古城群の一つ『シュノンソー城』🙂」
観光大国フランス/こちらも世界遺産のカソリックの修道院『モン・サン・ミッシュエル』🙂」

17.フランスのファッション

フランスのファッション/20世紀初頭クリスチャン・ディオールが発表した[new look]は細く絞ったウエストとフレアスカートが特徴です🙂」
フランスのファッション/背景はパリのRESTAULANTレストラン前🙂」
「~生き生きとしたパリジェンヌ😍」
「~帽子もオシャレ😍」

18.フランスの食文化(屋外展示)

フランスの食文化/元は宮廷料理から進化した世界三大料理でもあるフランス料理は文化・芸術として考えられるようになりました🤤」
フランスの食文化(サイド・ビュー)」
屋外にあるミニ砂像群/左上から時計回りに、ファルコン、モグラ、ニワトリ、タマムシ、アルプスマーモット🙂」
19番目の砂像/プロデューサー兼砂像彫刻家茶圓勝彦ちゃえんかつひこ氏が現在制作中・・・でした🤨」
茶圓氏の活動を紹介するポスター」


屋内会場全景

「・・・こんな感じ🫡」

・・・砂の美術館・FRANCE編 鑑賞記はここまで。


感想

 昨年に引き続き 二度目の砂の美術館。オリンピック年と言うことで今年は開催国フランスが世界中から注目されそうな年です。遠くファー・イースト在住日本人の私でさえも「フランスと言えば?」と問われれば五~六つ位は人名、建築物、歴史上の出来事、食文化や芸術作品等が思い浮かびます(今回の展示作品で全て網羅されちゃってますが・・・😓)。(「フランスへ行って本場のフランスパン🥖を食べたい!」との夢は未だ叶わぬものの「宝塚歌劇団でそら組の「ベルばら」が観た~い」位は死ぬまでには叶うかしら?😍)

 さて、砂像作品は(・・・どの作品にも共通することですが)一つの作品でそのタイトルを語り尽くした大胆な構成、作品の細部まで緻密に再現されたマクロ的ミクロ的にも優れた表現力に感動しっぱなし。「」と言う「崩れ易い素材」のみで よくぞここまで作り込んでるよなぁ・・・と驚かされるものばかり。

具体的作品については何が一番だったかと問われると難いところですが・・・圧倒的存在感を放つ「ノートルダム大聖堂」はまさに「砂のお城」を彷彿とさせ、「民衆を導く自由の女神」や「百年戦争」なども強く印象に残った作品です。そして何と言っても「絶対王政」の威風堂々としたルイ14世の立ち姿。そのインパクトの強さに全盛期 太陽王のオーラを感じました。

これだけの力作ですが 期間終了後には全て「」に戻り、次のテーマの制作の材料になります。そのはかない中にも、砂像彫刻家らが注いだ情熱が作品に昇華されているからこそ、感動を呼び起こし凛々しさ潔さすら覚えるのではないでしょうか?😭

FRANCE編2025年1月5日(日)までの期間限定展示です。機会があれば是非実物の砂像を間近まぢかでご鑑賞下さい。🙂👍

最後まで本記事を読んでいただき、ありがとうございます。😌


おまけ

よく見りゃ似ている砂像とそっくりな有名人シリーズ。どの砂像だったか探して見るのも面白いかも?🤔himanarane~

今回「砂の美術館」に興味を持たれ 第14期「エジプト編」のnote記事を未だ読まれていない方、宜しければバックナンバーもご覧いただければ幸いです(砂の美術館の他、砂丘会館でのランチ鳥取砂丘についての記事です)😌


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