5.bug's life

 まるで、バカだ。でも、実はバカじゃない。バグなんだと思う。

 煩悩というか、欲望というのか、己の欲するところに素直に流されている、オートマチックでシステマチックな法則に従っている、当人は、そんなつもりなんだけど…。いや、むしろ何も考えてないのに等しいくらい、至極自然に。

 寄せて返す波に揉まれ、流されてるうちに、気づけば沖にでて、見渡す限りの水平線。
 苦悩の大海で遭難して、未だ見ぬ夢の大陸を求めて彷徨ってた。

 いつしか、満たされた。足りた。という岸を見失った。解らなくなった。そう、煩悩・欲望の波にはリミッターがついてない。一度それに必死になったら、レッドゾーンまで振り切る。

 個人的な問題じゃない。だって人間はひとりじゃない、ひとりじゃ幸せになれない。

 バグをバグと気づけない、バカもバカみたくいて、人間だもの。
 ヒトとヒトの間で支えあって、欲望や怒りや不満というバグに向き合って、人間だもの。

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