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末寺の末事 115

 慰労会をどのようにするか、論点は、昔ながらの所謂「一杯飲み」形式の打ち上げではなく、世相に合わせて報告会程度の形で済ますのかどうかという事だったが、それよりも心に引っ掛かったのは、役員や世話役全員参加にするより、婦人会と分けた方が良いという意見があったことだった。

 解る。現代の田舎「ならでは」の感覚だろう。女性の社会性が高まり、男性の封建的権力の著しく衰退した結果。昔ながらの「しきたり」や「風習」は形が合わない。でも、それ以外の形も思い付かない。

 要するに、男性側の意見だが、気を遣うから嫌なのだ。男性が「一杯飲み」する場では、女性陣が給仕するのが当然の田舎だから。でも、女性側も同じく、気を遣うのだ。普段は軽くあしらう男性を立てねばならないのだから。

 互いを思いやる優しさともとれる。が、辻褄の合わない現実からの逃避だろ。見て見ぬフリするイジメ問題と大差はない。

to be continued



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