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末寺の末事 170

 フラフラ、ユラユラしてる。けどギラギラ、グラグラは減った。決して消えない、けど気にならない。年老いて色褪せた暮らしに、生命は安らぐ心を知る。満ち足りる。
 信じている心が偽りでない限り、普く久しく抜けない根っこが育つ。育まれて育てられる。自分じゃ無理だと思い知る。反省のうえに感謝が成り立つ。染々有り難いと思う。それなのに躍り上がるほど興奮もしない、完璧に色褪せている。

 念仏もうしそうらえども、踊躍歓喜のこころおろそかにそうろうこと、またいそぎ浄土へまいりたきこころのそうらわぬは、いかにとそうろうべきことにてそうろうやらん

歎異抄 9

 信が根っこに無かったら…、と考えると実に恐ろしい。碇のない小舟は大きな苦海で彷徨い陸地を探すだろう。水も食料もわずかで、助けだって何時になるかわからない。とても正気ではいられないと思う。

 この世で正気が保てなかった人の気持ちも解る。

to be continued



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