12.between people

 この苦悩の世界、無常の世界を解脱する存在が仏であり、その前段階としてのヒト。
 生命体としてのヒトの命の本質は、紛れもなく動物である。ヒト同士の集団、世の間にあって人間と表されるが、基本的にはヒト科の動物、つまりは畜生。それが鬼になったり、神になったりして、苦悩の世界で蠢いて、やがて死ぬ。
 ヒトが人間になるということは、人の間があるということ。間があるとは、つまり限定的な時間がそこにあって、

 次がある

ということでもある。そこで畜生でも天でもなく、ヒトを超えるところを目指す間のヒトを、人間と考えるとしっくりくる。
 そしてそれが仏、イ(人偏)にム(無・无・弗)。ヒトでは無く人間として亡くなって、次に無常の苦悩から解放された仏と成る。
 その為の実践方法が仏教であって、それを宗として、自己の中心に据えて生きる(実践体現する)ところだけに宗教が成立し、それが人以外の道との分岐なのではないだろうか。

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