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末寺の末事 202

 真の理に従順でいることより、我の利を追求するヒト本来の姿に戻ってしまった。

 人間の本質的な可能性など、合理的であっても、まるで合利性はない。ここを語り伝え遺すことができるのは、言葉を使い文字を操る人間だけが秘めた可能性。久遠の真理を刹那に切り取り、固定することができる奇跡的生命体。

 本能にプログラムされた記憶が、老いぼれて失われる前に、思い出しておきたい。

 何に泣き、何を笑った?
 何に包まれて心が安らいだ?
 何の夢を見て眠った?

 人だろ、人。

 別の言い方をすれば、

 愛だろ、愛。w

 慈悲だよ、慈悲。

 我利より、利他。

 結局、覚りや幸福なんてものは、そこにしか無いんよ、たぶん。残りは虚仮不実の夢や幻。

 人生が無駄に長くなって、寝てていい時間も随分と伸びた。目が覚める頃には認知症にでもなって、古い記憶、畜生だった頃の記憶くらいしか残ってなかったら、寂しいだろうな。

to be continued



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