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末寺の末事 353

 考えてみればみるほどに、よく考え抜かれた仕組みであるなと気付かされてしまう、末寺を支えてきたアレコレ。
 随分と前にもふれたが、『お講』や『お斎』という会食システムでも、輪番制で当番を回し合い、食事や酒を振る舞ってきたのだが、これ単に門徒同士・同朋たちが親睦を深める為だけのものでなく、当番の人間(家庭)は、自分の時に、それなりに出資しなくてはならない。労力は勿論、金銭面も。だから、招かれる側の時にその苦労も解る…と言えばキレイ事で、行かなきゃ自分(家庭)だけ振る舞い損の取られ損だ。だから、行く。ここが肝だが、寺参りの後の『お講』や『お斎』に、自然と足が向くように工夫が施されている。単純に昔は貧しくて飲み食いが楽しみであったと言う人もある。それもあるだろうが浅い。実はギブ&テイクの仕組みが作用していて、それは必然的に楽しみを演出していた。更に、これには裏がある…

to be continued



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