PDCAサイクル、OODAループ
本日はPDCAサイクルとOODAループについて書かせていただきます。
帝京大学ラグビー部在籍中、1年の間に何度も監督から教わる内容です。
今でも全ての学生がそれぞれの英単語や意味を理解していることと思います。
PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったもので、ラグビーなどのスポーツや業務、事業などの継続的な改善を目指す手法の1つです。
こちらのPDCAサイクルはほとんどの人が知っていることなので説明は割愛させていただきます。
僕が大事だと思うのはOODAループです。
OODAとはObserve(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Action(行動)の頭文字をとったもので、ラグビーなどのスポーツ、業務や私生活などあらゆるシーンの改善に役立つ考え方です。
OODAループはPDCAサイクルのDO(実行)している時に起こる予想外のことに対応する考え方になります。
大学の時ももちろん理解していましたし、常に聞かれた時に英単語と意味を答えれるような状態になっていました。
しかし、意味を理解しているだけで実行に移せていたかと問われると、できていませんでした。
ここで2つの例をお伝えします。
1つ目はラグビーにおけるOODAループです。
まず試合前にラグビーだけではなくあらゆるスポーツで行われているのが、相手チーム、個人の分析です。
相手チームの強み・弱みは何か、どのような傾向があるか、つけ入る隙はどこかという「計画」をたてます。
つまりPDCAサイクルを行います。
その上で試合に挑みます。
しかし、試合になると天候に左右されたり、相手が分析したこととは違う戦略でくる場合があります。
その時に陥りやすいのが元々のプランを変えずに実行し、相手の策略にはまるということです。
PDCAサイクルだけだとこの状況では負けます。
なぜならプランをそのまま実行すれば相手が仕掛けた罠にハマり相手に有利に試合が進むからです。
しかし、相手との実力差が大きい場合は勝てます。
実力差が拮抗している場合のみの話です。
試合後に評価して、改善しても既に負けているので遅いです。
もちろんプランはチームの方向性を示す上でとても大切なことです。
ただ、プランに固執しすぎずに柔軟に対応できることが重要でその為にOODAループがあります。
このシーンでいうと、相手チームの違う策略を「観察」し、その上で計画を変えるべきかどうかを「状況判断」し、今までの計画を変え相手の策略に対応するプランに変更するという「意思決定」を行い、実際に「行動」に移します。
この柔軟さがあると試合に勝てる確率が上がります。
ラグビーは試合中の選手の状況判断が特に求められる競技だと思います。
他のスポーツだと監督が指示を出してその指示に従えばうまくいくという競技もあります。
ただ、ラグビーはその時々で状況が変わるため、監督の判断よりグランドでプレーをする選手の判断が何より重要です。
要素としては天候や自チーム相手チームの調子、後半にかけてみられる体力低下による乱れなど様々あります。
僕は帝京のキャプテン時もこのことを理解していましたが、実際に実行できていませんでした。
というよりも実行できる心の余裕も実力もありませんでした。
試合中にチームのことばかり考え、自分のプレーに集中できず、パフォーマンスを全く発揮できない。
パフォーマンスを出せないから焦りや不安が生まれ視野が極端に狭くなっていてOODAループどころではありませんでした。
しかし、これも振り返ると全て良い経験で同じ失敗をしないように心に余裕を持って行動できている今があります。
心の話が出たのでメンタルについてお話しします。
まずメンタルは人それぞれ違います。
感情の起伏が見えやすい選手もいれば、外からはあまりわからない人もいます。
感情の起伏が激しいことは選手にとってマイナスなのではないかと思う人も多いですが、そうとは断言できません。
「「大事なことは「自分ならではの感情の動き」に気づくことで、その動きに合わせた対処法をつくり出し、試合で結果を出すための行動に繋げていくしかありません。本当の自分の感情に気づき、対処する。ただそれだけです。」」(こころの整えかた 田中ウルヴェ京さんの一部抜粋)
2つ目の例をお伝えします。
それは、メンタルにおけるOODAループです。
例えばラグビーの試合中、どんな時に緊張しやすいか、イラつきやすいか。どんな失敗に落ち込みやすいかなど、特定の状況で起こりやすい様々な種類の感情にあらかじめ気づいておけばそれらの場面の感情の種類に応じた対処が可能になります。
その対処法は状況に応じて違うのだ、ということに気づくことが大事になります。
その対処法が分かっていればOODAループがすごく簡単になります。
例えばラグビーで自分のタックルミスでトライを取られてしまうという状況を想定します。
僕はそうなるとかなり落ち込んでしまいます。
ただ、その状況になることをイメージして、その時の解決策を事前に考えておくとOODAループが簡単になります。
つまり、未然にありとあらゆる最悪の状況を想定し、その対処法を考えておくと想定外を想定内にすることができるのです。
もし自分のタックルミスでトライを取られたら、自分が落ち込んでいるという感情に気づき(「観察」)、ここで落ち込むのか、今に集中するのかを「状況判断」し、今落ち込んでも何も変わらないから次のプレーに集中しようと「意思決定」を行い、メンタルを安定させ今に集中するという「行動」を起こします。
これができればどんな状況でもテンパることなく普段の力を発揮できるメンタルが作れると思います。
メンタルが強い人、弱い人それぞれいると思いますが、その人の特徴に合わせてメンタルをコントロールする術(スキル)を知っていれば、簡単に対応できると思います。
そのやり方や手法をみんなが知らないだけです。
僕は京都成章高校1年時の京都府予選決勝で司令塔というポジションを任されていました。
しかし、自分のミスでテンパり、頭が真っ白になり、負ける要因を作り、初めての挫折を味わった試合があります。
もしその時、メンタルを安定させる術を知っていれば勝ちに導くことができたのではないかと思います。
高校時代、大学時代に大きな挫折を味わい、今の自分があります。
その経験を活かすも殺すも自分次第の考え方で全て決まります。
これが「こころの整えかた」という本を読んで過去を振り返り感じたことです。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!