私ごときも繁殖している
内田春菊先生の「私たちは繁殖している」を長年愛読している。
凝った装丁の本に惹かれて手に取ると、可愛らしいキャラクターに柔らかそうな艶かしい曲線。
飾り気のない赤裸々な妊娠出産育児を描いたマンガ。
私にしてはなかなかのスピードで読み終えた。
そしてなんどもなんども読み返す。
私の七不思議のひとつ。
良い親に恵まれず酷い目にあったのに家庭を持ちたい、子供を産みたいと思うことは無くならなかった。
そんな願いを持つことさえ許してくれるような気がしてくる。
自分らしさを今ほどわかっていなかったけど、一筋の光のように思えた。
こんなに面白おかしく育児をするのは私の理想だ。
子を持つならこんな日々を送りたい。
出産育児のひとつの形として憧れにさえ変わっていった。
自分と重ねると果たしてこんな風に出来るか未知数ではあったけど、身近にみる家庭のほうが私には非現実的なものに思えてならなかった。きっとまっさら綺麗な黒歴史なとない人間だったならと思うけど、もう今更どうにもならないもの。
過去の呪縛を振り払える手段としてもどんどん思いが強くなっていった。
※まだ不器用に一途に人を愛すことしか知らない、今よりちゃんとしていた頃の話です
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