FOD『大空港2013』を見た
★ストーリー
松本空港に降り立った1家族の噴出する問題に、振り回されるグランドスタッフを描いたコメディ。
★女優
竹内結子
ワンシーンワンカットで撮影された作品で、竹内結子はほぼ映りっぱなし。
僕の初見は朝ドラ〝あすか〟。
上手い下手のカテゴリーを超えた、ケッタイな大阪弁が衝撃的だった。まるでミュージカルのように大阪弁を喋る竹内結子を、僕は天才やと思った。
天才はめちゃくちゃ秀でたものがあることばかりに注目しがちだが、実はめちゃくちゃ欠落したものも持ち合わせている。竹内結子の〝あすか〟には、そんな印象が強い。
その秀でたものが、この作品では溢れている。
三谷幸喜監督の主演女優は、深津絵里にしても、〝スオミ〟の長澤まさみにしても、コメディらしい不自然さを自然にするために、ひと手間を加えているが、竹内結子は自然なままだった。かといって、ちゃんとコメディになっているし、ヒューマンドラマ的な生真面目さも演じていた。
竹内結子は星というよりも、季節や場所を問わずに、いつも美しく高貴な花を咲かせる胡蝶蘭のような女優だな。
そんな竹内結子だから、ワンシーンワンカットの撮影を何なく仕上げたのだろう。
★長澤まさみ研究
長澤まさみと竹内結子。
言わずと知れたコンフィデンスマンJPのダー子とスターだ。
恒星であることが、すでに長澤まさみは天賦の才の持ち主だと言うことだが、それイコール天才であるかは別だ。センセーショナルに世に現れた〝セカチュー〟の長澤まさみから、今日まで、何か欠落したものを見た記憶がない。
どちらかといえば、若い頃はレールの上をバランス良く走り、何かを崩さないことで、より大きな才能である恒星の光が守られてきたのだ、と最近は勝手に考えている。
だから、長澤まさみは、竹内結子と違って天才ではない。
ただふたりが共通しているのは、恒星も胡蝶蘭も通年輝くことだ。
そんな絶えることのない美の共演が実現した、コンフィデンスマンJPは、何とも贅沢な作品だろう。
★まとめ
明日13日から公開される長澤まさみ主演〝スオミの話をしよう〟の予習として三谷幸喜の観ていない作品を観た。
このドラマもマジックアワーのような瞬発的な笑いはなかったけど、じわりじわりと笑いが沁みてくるような内容だった。やはり入念な稽古を重ねた上で、ワンシーンワンカットで撮られたらしく、〝スオミ〟と似た空気は漂っていた。
この大空港が好きな人は、スオミはどえらくハマるはずだ。