映画『キラーズオブザフラワームーン』を観た
★ストーリー
先住民族を20世紀に誘った男の企みに、若い夫婦が巻き込まれていく、実話を元にしたサスペンス。
監督がマーティンスコセッシで、レオナルドディカプリオとロバートデニーロが共演ってだけで、もうすごい映画やわな。
★女優
リリーグラッドストーンは37歳。
先住民族を演じるが、先住民という野生的な印象と知性を合わせ持つ女性を見事に体現している。
普通、女性の〝美〟というと、きれい、かわいい、セクシーみたいな単純な表現を使いがちだが、こうした野生的な、もう少し柔らかく言い換えれば、超自然的な美もあるのだ。
欲を言えば、知的さと意思の強さが溢れる役であっただけに、レオ演じる夫に対して、もう一言、効果的な言葉が用意されていれば、もっと印象に残ったはずだ。ま、リリー自身は表情と所作で、言葉にならない気持ちは表していた。
★長澤まさみ研究
37歳は来年の長澤まさみだ。
▶︎なぜ、リリーグラッドストーンは野生的なのか?
まさしく〝血〟だ。リリーは劇中同様にインディアンの血を継いでいる。〝野生的〟という言葉が適しているかは別にして、僕の勝手な印象でしかないのかもしれないが、そこに自然美がある。
長澤まさみに求める分野ではないかもしれないが、実は似た役を演じてはいる。キングダムの楊端和だ。
ま、物語自身がファンタジーであり、リアリティのある存在ではないが、山を支配する野生的な役だ。
とはいっても、楊端和はリアリティではなく、ビジュアルが求められている。野生味を本能的な部分での表現は難しい。そこを、長澤まさみは、表面的には鋭く、内面的には慈しみ深さを瞳で表している。併せて、尖らせた顎も、普段の長澤とは少し印象の違う面立ちになっている。
リリーの野生的な自然美は尊厳を感じるが、長澤まさみの創造美も、改めて、さすがと思った。
★まとめ
何と言っても3時間40分の映画。長い。
でもさすがレオナルドディカプリオとロバートデニーロやね。
長さを感じさせない、というよりは、ずっと観ていられる。
ふたりとも、影が射すんだよね。マリオンコティヤールもそうだけど、このレベルになると、人間の陰陽の光を操るんだなぁ。
これはね、長いけど、劇場で観た方が、ふたりの凄さが分かる。多分、DVDやスマホで見ると、長く感じるんではないかな。
ちなみにパンフレット販売はありません。
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