静寂の中の熱狂
皆さん、こんにちは。
ア式蹴球部は昨日、IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ2019に大会ボランティアとして参加させていただきました。今大会には、世界各国から8カ国が品川区立天王洲公園に集結し、熱い戦いを繰り広げました。そこには、“静寂の中の熱狂”がありました。
グループA日本(世界ランク9位)、スペイン(同4位)、コロンビア(同11位)、ロシア(同13位)
グループBアルゼンチン(同2位)、トルコ(6位)、イングランド(同12位) 、タイ(同17位)
ア式蹴球部は昨日、9時からトレーニングがあったため、朝からボランティアに参加した6名以外の約30名の部員は15時半からボランティアに参加しました。主な活動内容としては、観客の誘導や立ち入り区間の制限、ブース担当、ゴミの回収等でした。ボランティア終了後に、担当者の方に御礼のお言葉をいただきました。滞りなく、円滑に対応できたことを感じ、ホッとしました。
今回のボランティアに参加することになった経緯としては、同期の金ちゃん(金田佑耶・早稲田実業)が友人を介して、
ブラインドサッカーの世界大会がある!
ボランティアを募集しているらしい!
ア式が関われないかな!
と持ちかけてくれたところからスタートした。
また、金ちゃんの友人である岡田さんは金ちゃんと中学校時代の同級生という縁もあった。
そもそも、ブラインドサッカーはどういった競技なのだろうか。ボランティアに参加する上でそのスポーツについて知っておく必要がある。そして、知っておけば何倍も楽しめるはず。
3月13日、早稲田大学ア式蹴球部の東伏見グラウンドにブラインドサッカー日本代表である #寺西一 さんにお越しいただき、体験会を開催した!ア式蹴球部の他にもア式蹴球部女子部と女子ラクロス部の方々も参加してくれた。
寺西さんによる的確な競技説明やデモンストレーションのすべてが僕たちにとっては非常に重要だった。寺西さんがドリブルやパスを披露してくれた。見えていないはずなのに、簡単に5m先のコーンにボールを当てた。ドリブルも速くて正確だ。拍手や歓声が沸き起こった。
ブラインドサッカーは5人制でゴールキーパーは目が見える人が担う。フェンスに囲まれたコートのため縦方向にボールがラインアウトした場合、またはファウルした場合にプレーが一時的に途切れる。フェンス際での攻防は想像よりもずっと激しかった。そして、声と音を頼りにプレーするブラインドサッカーは観戦者はプレー中、静かにしなければならない。ゴールした時やプレーが途切れるたびに拍手や歓声が送られ、熱狂する。観戦者のマナーがサッカーよりも問われる。
ボランティアに参加して、試合を間近で観戦させてもらったが、ガイドというゴール裏に位置し、ピッチ内の選手に指示をする人が居た。ガイドが担う役割は大きい。
VOY!(スペイン語で「行く」という意味)と大きな声を出していた選手たちは力強かった。恐れず、ボールを追いかけ、相手もしくはフェンスと激しくぶつかっていた。盲目の彼らは互いに危険な衝突を避けるためにVOY!と叫ぶ。リスペクトを感じた瞬間だった。
参加賞としていただいたストラップ、大切にします。ありがとうございます😊
体験会の際に、学生もアイマスクをして寺西さんのようにサッカーしようと試みたものの、パスは足にしっかりとヒットできず、ドリブルはボールを見失ってしまった。サッカーはできなかった。 なにより、視野がなくなると怖い。腰が引けて、恐れてしかいられなくなる。そんな中、走ってボールを追いかけ、ドリブルする彼らはやはりスゴい。ブラインドサッカーのスゴさを肌で感じることができた貴重な機会だった。
寺西さんが、昨日のロシア戦に出場することはなかった。大勢の観客が詰めかけたスタンドで僕も一緒に日本を応援した。完全ホームだったが、結果は0-0。引き分けに終わった。それでも、戦術的で華麗なプレーに観客は何度も湧いた。勇気づけられた。
実況の方が試合前に必ず言う言葉があった。
“静寂の中の熱狂”をお楽しみください!
たしかに、そこには静寂があった。
そして、何度も熱狂に包まれた。
彼らの本気が伝わってきた。
見ていて気持ちがよかった。
最後に片付けを部員みんなでやっていた時に、グラウンドの端っこでドリブルをしていたのは、寺西さんだった。きっと今日の試合に出たかっただろう。勝たせたかっただろう。
明日は勝たせてくれるかもしれない。
3月21日木曜日 品川区立天王洲公園
日本vsスペイン 15時キックオフ
僕たちは #寺西一 さん、日本を応援しています!!!
また機会があれば、ご一緒させてください⚽️