檜浦大河

調べた事、訪れて感じた事を言葉にしていきます。

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最近の記事

知的生産に立ち返る:note投稿方針の転換

今年のテーマ唐突だが今年のテーマは「粛々と」である。ここに至る経緯はいろいろあるのだが、いちいち整理する気はない。とにかく、自分が決めたことを着実に前に進めるために行動していきたい。 そのために見直したことは、第一に健康である。睡眠を最優先事項にした。それにより、日々の余計なマイナス思考が減り、やるべきことに、前向きに取り組めるようになった。 脳の容量という問題やるべきことと書いたが、それは端的に「地理学」と「仕事」である。この1年は、両方のインプットとアウトプットの量を

    • Perfect Night

      金曜日の深夜にてK-POPのガールズグループ「LE SSERAFIM」の新曲「Perfect Night」。その日は同期の影響でどハマりしたこの曲を流しながら、もう一人の同期と3人でただただぼーっと過ごしていた。その時私は、この時間を過ごすために今までの人生はあったんだと感じた。そしてこんな時間が永遠に続いていくのだと思った。そんなはずないのは当然なのだが、その瞬間だけは真面目にそう感じたのである。 ずっと分からなかったこと話は変わるが、社会人になってからずっと分からなかっ

      • どうしてあの時、地理学だったか

        大学4年の冬、卒論を書き終えあとは卒業を待つだけだった私は、なぜ最後に地理学という学問に突然目覚め、残りの時間のほとんどをそこに費やすことにしたのだろうか。それをし始めた時にもnoteにまとめようとしたが、結局納得できる結論を得ることができなかった。卒業までには一旦やりきって、そこで振り返って結論を出すつもりだったのだが、そこから既に一年半が経過していた。 気づいていたこともある。当時の私は、充実した学生生活を総括したかった。4年間で私は何を学び、どう成長してきたか。その過

        • 株式会社の風土化:風土学②

          農業ベンチャーを現地調査先日、とある企業(A社と呼ぶ)をフィールドワークさせていただいた。ホームページを見てみると、農業を通じた地域課題の解決を掲げ、農産物の生産、企画、販売支援、コンサルティングを行っているとあった。特に職人の経験と勘を、データ分析により「見える化」する、という趣旨の内容が目を引いた。 訪問前にこれを読んでいて、心配なことが1つあった。それは、この取り組みは大切なものを破壊するのではないか、ということだ。その土地の歴史を考慮しない在り方だったらどうしよう。

          風土への偏愛:風土学①

          「地域のために頑張ってくださいね」。 この有り難い言葉を、私は素直に受け取れたことがない。地域のためと唄いながら、実際には自分が好きでやっていることがほとんどだからだ。かと言って地域のためにならないことをしている訳ではない。なぜこんなことに引っかからないといけないのだろうか。 私たちは誰のために活動しているのか。このもやもやは、大げさかもしれないけどこんな問いにつながると思う。別に気にする必要もないと思い曖昧なままにしてきたこの問いだけど、最近自分なりの結論が見えてきた気

          風土への偏愛:風土学①

          社会のためのGIS−その歩みと実践【地図の可能性:後編】

          地図の可能性について探求するシリーズ後編、テーマは「GISと市民参加」です。前編では地図のアート的な側面をクローズアップしてお話しました。今回は科学的な側面を、地理情報科学とも言われるGIS(地理情報システム)に着目します。 ただし、この記事でやるのは技術の紹介ではありません。技術と社会との関係が、どのような過程をたどってきたのか、そしてどのように使われるようになったのか。そこが焦点です。後半に進むにつれて具体的に、そして筆者(私)の考えも交えてお話していきます。 そもそ

          社会のためのGIS−その歩みと実践【地図の可能性:後編】

          地図とは物語を伝えるメディアである【地図の可能性:前編】

          この記事は、地理学初心者が地図の可能性について、タイトルだけ決めて自由に語ったものです。前編では地図と物語について考えます。 地図って何だろう地図とは何でしょうか。それは地表に関する事実を伝えるものです。この答えは何ら違和感のあるものではないでしょう。では次の場合を想定してみてください。あなたが友人に「旅行の場所を決めたいから日本地図を見よう」と言ったとします。そこで友人はこのような地図を持って来ました。 あなた「おいおい、都道府県がごちゃまぜじゃないか。これ、何かの間違

          地図とは物語を伝えるメディアである【地図の可能性:前編】

          初めての散策マップづくり:その過程と気づき

          2021年の5~7月の間の2ヶ月にかけて、初めて散策マップを作るという経験をしました。先日作り方を聞かれたことがあったのですが、半年前のことなので、「どうやったんだっけ?」と、思い出すのに時間がかかりました。この記事では、次作る時により良いものにするために、そのプロセスを記録としてまとめてみたいと思います。これから散策マップを作る人、作成に興味がある人の参考になれば嬉しいです。 散策マップを作るという決定をする私はプロジェクト型の授業に参加しました。地域の神社を盛り上げると

          初めての散策マップづくり:その過程と気づき

          地理学初心者とゆく白川郷:2つの衝撃を解き明かす旅

          白川郷に着いて間もなく、私は2つの衝撃―すなわち圧倒的な風景美と、おもてなし―を受ける事になった。特に後者、毎年100万人が訪れる観光地にもかかわらず、なぜこんなにも温かいのか。この状況で、ただ景色を楽しみおもてなしを有り難く頂戴するだけで終わらせて良いだろうか、いや良いはずがない。これは調査だ。 この記事は、そんなひねくれ者が白川郷を散策して疑問を解き明かしていく、ちょっと変わった旅行記である。 まずは地図から旅の前に地図を見るのは当然だ。一般的にイメージされる白川郷は

          地理学初心者とゆく白川郷:2つの衝撃を解き明かす旅

          どうして今、地理学なのか

          「最近、地理学の自主ゼミ始めたの」。 友人にこの話をすると、だいたいは怪訝な顔をされる。それもそのはず、私は3月に卒業を控えた大学生であり、4月からは地元の金融機関で働くことになっている。これから必要となる資格ならまだしも、ぜんぜん関係のなさそうな地理学なのか、というか地理学ってなんやねん!そう思われても仕方がないだろう。 今回は、地理学を学び始めた3つの理由について考えていく。一本目がたくさん見られたため自分の中で投稿のハードルが上がっているため、ハードルを下げるための記

          どうして今、地理学なのか

          【思い出】運命の眼鏡と出会いについて

          私は一人背筋を伸ばし、烏丸御池駅の南側の改札に向かって歩いていた。それは意思が揺らがないようにするための、私なりのファイティングポーズだ。「本当にそれ必要?」と問う声に対し、天使とも悪魔とも思える別の声が語りかける。「覚悟を決めるだけだよ」と。 11月8日、私は学生生活2度目の高額の買い物をするために街に出てきた。前回はカメラ、そして今回はメガネだ。普通、メガネなんて10,000円もあればある程度の種類から選べるだろう。しかし、今日行くお店「グローブスペックス 京都店」には

          【思い出】運命の眼鏡と出会いについて