米国のラテン音楽市場 過去最高収益を記録!
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國井大河が毎週お届けするポッドキャスト「MUSIC BUSINESS JAPAN」へようこそ!MUSIC BUSINESS JAPANは、アメリカを中心に最新エンタメニュースや音楽ビジネス情報を深堀しながら解説する番組です。
今回は、数字で見たアメリカのラテン音楽市場の成長について解説していきます!
それでは、Let`s get started!
皆さん、ご存じだったでしょうか?
アメリカにおけるラテン音楽の収益は、今年中に10億ドル以上の収益を上げると予測されています。
この予測は、今週発表されたRIAAの報告書で、2021年にアメリカでラテン音楽が小売ベースで8億8610万ドルを生み出したという新しいデータを元に予測されています。
この8億8610万ドルという金額は、前年度のアメリカにおけるラテン音楽の収益に比べ、35%以上も増加しました。
この年間収益額は、12.9%の成長率で、2022年には1億1400万ドル増加すると予測され、10億ドルという一つの大きな市場になります。
アメリカにおいて、ラテン音楽の2021年の小売収益は8億8600万ドルなので、アメリカのレコード音楽産業全体から見ると6%くらいの市場シェアということになります。
一見小さいように見えますが、あくまでアメリカにおいてのラテン音楽の市場規模なので、今後さらにラテン人口が世界的にもアメリカの移民としても増えていくと考えると、成長部門であると思います。
実際、5年前の2017年のデータでは、ラテン音楽は米国のレコード音楽市場のわずか3.97%を占めていました。アメリカのレコード音楽市場自体も成長し、ラテン音楽市場も伸びているということです。
▼ストリーミングフォーマット
J BalvinやBad Bunny、Becky G、Anittaといったラテンのスーパースターが誕生したことで、米国におけるラテン音楽のストリーミング収益は2021年に合計8億5700万ドルに達し、ラテン収益全体の97%を占めたという。
この8億5700万ドルという数字は、前年比36%増で、あらゆるタイプのストリーミング収入が含まれる。例えば、インタラクティブおよび非インタラクティブ・プラットフォームにおける広告収入やYouTubeやSpotifyなどストリーミング配信によるものです。さまざまなストリーミング・プラットフォームから、ラテン音楽は昨年、米国のストリーミング市場シェアの6.89%を達成しました。
別の言い方で例えると、昨年の米国ストリーミングレコード産業が生み出した1ドルのうち、約14分の1がラテン音楽によって生み出されたことになる。ちょっとわかりにくい例えだったかもですね。笑
■有料音楽配信
さらにラテン音楽を深堀すると、有料音楽ストリーミング配信の契約が、ラテン音楽の収益増加の最大の原動力となっています。
最新のRIAAのデータによると、音楽配信の有料会員によるラテン音楽の収益は、2021年に35%増の5億9300万ドルに達しました。したがって、音楽配信の有料会員による収益は、2021年の米国noラテン音楽の全収入の3分の2以上を占めた。
この収益は、完全な「プレミアム」サブスクリプション(Spotify Premium、Apple Musicなど)と制限付きカタログサービス「限定ティア」サブスクリプション(Amazon Prime, Pandora plus)の制限付きカタログサービスの両方から生み出されています。
2021年の米国における有料配信サービスで発生する全収入のうち、ラテン音楽の市場シェアは6.25%であると主張した。有料配信サービスによる収益の成長率は、5−6%となっています。
■広告付きオンデマンド・ストリーミング・プラットフォーム
最後に、アメリカにおけるラテン音楽の長年の牙城(がじょう)である、広告付きオンデマンド・ストリーミング・プラットフォーム(YouTubeやSpotifyの無料層を含む)について解説していきます!
2021年のアメリカにおけるラテン音楽の、広告つきオンデマンド・ストリーミング・の売上は1億8700万ドルで、前年比46.1%増であった。
これは昨年、アメリカの広告つきオンデマンド・ストリーミング市場の10.62%をラテン音楽が占めたことを意味します。
この10.62%のシェアは、2020年に達成した10.67%のシェアを若干下回っているが、昨年のアメリカのレコード業界の広告収入全体が大きく伸びていることを考える必要があります。
昨年、アメリカのレコード業界が、インタラクティブな広告資金によるプラットフォームで生み出した収益の総額は17.6億ドルで、前年比で5.5億ドル以上増加しています。
最新のRIAA年末ラテン音楽のレポートについて、RIAAのCOOであるMichèleは、次のように述べています。「ラテン音楽は音楽市場全体を牽引し、昨年は8億8600万ドルという史上最高の売上高を記録しました。ラテン音楽の成長率は35%で、レコード音楽全体の収益成長率をはるかに上回っており、ラテン音楽は歴史的な方法でファンとつながっています。
日本から考えると、ラテン音楽は遠くの国の市場であり、参入が難しいと感じると思います。過去にラテン音楽で活躍しているアーティストと言っても、パッと思い出せないでしょう。
しかし、最近で言うと、スターダストプロモーション所属のボーイズグループONE N’ ONLYは、TikTokを通じて、ポルトガル語の曲をカバーしたり、踊ったりしたことで、ブラジルのファンを中心に、440万人のフォロワーを獲得しています。
こうした、TikTokを屈指し、マーケティングコストをかけず、海外のファンを増やし、ストリーミングを中心とした収益モデルを構築することができます。
ラテン音楽も、中南米の総人口6.3億人に加え、アメリカ在住のラテンアメリカ人や移民を中心に、ストリーミングで視聴回数を増やすことで、アメリカにおけるラテン音楽全体を成長させることができています。
日本においては、国内の音楽市場は世界的に見ても大きいとは言えども、成長産業ではないですし、長期的に見て海外のマーケットをどう獲得していくかが、大きな鍵となります。
韓国だけでなく、ラテン音楽の成長からも学べることはたくさんあると思うので、ぜひみなさんもこれを機会に、ラテン音楽を聴いてみてくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
Music Business Japanの國井大河でした!
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