歌手も事務所やレーベルから脱退が増える理由。
前置き
最近、ジャニーズ事務所から脱退する人が増えている中で、同じ時期にUUMさんからクリエイターの脱退も増えている。
「組織」の時代から、「個」の時代に入った。
今後、さらに歌手も事務所やレーベルからの独立がどんどん増えていくだろう。
今や、多くの芸能人がテレビからYoutubeへ移行している。メディアやテレビが衰退し、今度はYoutubeだ!という流れが来ていますが、すでに「個人」の時代なっています。
大手の事務所やテレビ、音楽レーベルなどの「組織」の力より、発信力のある個人が単独で力を持っていく流れです。
実は、これには共通点が3つあります。
1. 「情熱」や「社会貢献」より「実践」へ
2. 自由度の低下
3. 「ファンクラブ」から「ファンコミュニティ」の時代へ
今回は、この3つの共通点についてお話ししたいと思います。
それでは、いきましょう!
「情熱」や「社会貢献」より「実践」へ
音楽の道へ進むぞ!と決意する歌手には、3つの思考タイプがあります。
1. 好きを仕事にしているタイプ
2 音楽を通じて社会に貢献するんだ!というタイプ
3. 音楽活動は仕事だからと割り切って、自分の能力がこの仕事にどう使われるかと現実的に考えるタイプ。
そもそも、歌手のほとんどが「音楽が好きだから、歌うのが好きだから」という理由で音楽を始めたはずです。(僕は、モテたいという理由で始めました。笑)
しかし、好きなことや情熱頼りにしていると、音楽活動中止、もしくは辞めやすいというデータがあります。
情熱頼りにしていたり、音楽が好きだから活動を続けている歌手でも、現実的に考える実践思考を持っている歌手が、20年30年と長期的な活動ができている。
実践思考の歌手の方が、スキルの上達も速いし、活動中止になる確率も低い。
そして、何より、世の中の流れやファンに対し、どのような音楽を、どのようなタイミングで届ければ、どう共感されるかを客観視することができます。つまり、究極の一般人目線で音楽活動ができるから、成功し続けられるのです。
情熱頼りにしていたり、歌うことが好きで活動を続けている情熱的な歌手ほど、意識が高いため、ストレスに弱くなっています。
実際、レーベルや事務所のおかげでステップアップはできたものの、自由度が減ってしまったり、やりたいことができなかったりして、心が折れてしまうことはたくさんある。
例えば、これから「個」の時代に入りいろんな人が成功してく中で、歌手たちもっといろんなことをチャレンジしたい!と思っても、ジャニーズの手越さんのように「やりたいことができない」となってくると、音楽業界の中でせっかく上の方にのし上がったにもかかわらず、意外と自由度や権限がなく、事務所とうまくいかなくなるケースが増え、事務所やレーベルをやめるケースが増えています。
最悪な場合、レーベルがそのアーティストを売らなくなり、消えてしまうこともあります。
今までは、レーベルがタイアップや主題歌を獲得してくれたりと、個人単位ではできないステップアップの手助けになってくれました。
しかし、今では、レーベルの力よりも、個人の発信力や繋がりによるプロジェクトの展開になっています。つまり、歌手が思っていた期待値に達していないケースが増えている実態です。
ここ最近の音楽チャートを見ても分かる通り、有名アーティストやレーベルが関与している新人アーティストよりも、無名やインディーズのアーティストのチャートインの方が多くなっていますよね。
自由度の低下
歌手やアーティストは、自分の音楽に対する裁量権、つまり自分の音楽やクリエイティブに対してどのくらいコントロールできているかで、活動へのモチベーションや幸福度が決まる。
これは、人間の人生全体に影響を与えるトピックでもある。
自分の人生や生き方に対しての自由度と、幸福度は比例してます。
つまり、歌手が自身の音楽やクリエイティブに対して自由度が高い場合、幸福度が増し、長く活動を続けられるケースが増えます。
ここに相対的な問題があります。
例えば、昔はAvexさんに所属しているからできることがたくさんあったし、大きい事務所に入っているからアルバムの予算を組んでもらえたり、主題歌を獲得してもらえたり、と可能性がどんどん広がっていた。
もっと言うと、大きい事務所やレーベルと契約すれば、歌手としてできることが増えたのです。自由度も権限も増えたので、みんな大きい事務所に入っていたんですね。
ところが!今や、スタジオにいかなくてお宅録で済みますし、SNSマーケティングを屈指すれば、ファンは増えます。
前回の記事でもお話ししましたが、無名のアーティストが音楽チャートを独走している程なのです!(詳しくは、以下のリンクからご覧ください!)
また、個人でSNSを通じて発信したりすることで、テレビやレーベルのような忖度はないので、関係もないわけです。
つまり、事務所に入っている方がやりたいことができなくなっているわけです。
当然なのですが、事務所になってくると、周りの意見だったり責任もあるので、しょうがないのはわかります!
でも、所属している歌手の目線で考えてみると、周りのタレントがどんどん新しくYoutubeを始めたりして成功していると、自身の相対的自由度が低いことに不満が出てくるわけです。
既存の有名なアーティストの弱点は、ファンクラブ に頼っているからです。
今までは、ファンクラブによってライブや新曲をリリースしなくても、ファンクラブの収益によって事務所もアーティストも活動を続けられるシステムです。
しかし、ファンクラブによってベーシックインカムはあるけれども、ファンクラブ会員への優遇ばかり気にすることで、クリエイティブなことをSNSでアップしたり、ムーブメントを起こすことが難しくなり、事務所としても社員などの人件費や固定費、契約や責任などを考えると、クリエイティブファーストな自由度を歌手に与えることが難しくなっている状況です。
その結果、歌手がどんどん独立し始めています
「ファンクラブ」から「ファンコミュニティ」の時代へ
「組織」の時代から、「個」の時代に入りましたが、さらに、「個人」の力を十分につけ、次のステップに進んでいる方々もいます。
「コミュニティ」の時代です。
音楽業界の目線で考えると、ファンクラブですでにコミュニティ化ができている!とお思いでしょう。
しかし、ファンクラブでは歌手からの一方的な価値提供に過ぎないのです。
僕が言う「コミュニティ」とは、一方的なものではなく、「個」同士が横で繋がっていて、助け合い、共感しあえる場です。
すでに、キングコング西野亮廣さん、落合陽一さんやShowroom前田裕二さんなどは、オンラインサロンを中心に、「コミュニティ」の時代へと先回りしていますよね!
今や、世の中には情報が溢れている。
音楽業界においても、全く新しい楽曲が生まれにくくなっている。
同じような楽曲、同じような声ばっかりになっているから、どの曲を聞いても一緒だから、「だったら、この歌手を応援しよう!」とか「この歌手のコミュニティは温かいから仲間に入れてほしい!」と言う選び方になっていく。
つまり、音楽業界において「ファンクラブ」から「ファンコミュニティ」へと変わっていく時代になったのです。
一方的な価値提供で、「新曲聞いてください!」ではダメだ。
ファンも体験できる楽曲制作やライブなどをすることで、応援してくれる人がどんどん増える「ファンコミュニティ」になる。なぜなら、コミュニティ内でお金を回すため、人も体験も豊かになっていきます。
まとめ
今一度、自分がどんな思考タイプで、どのくらいの自由度があり、コミュニティの構築ができているかを考えてほしい。
1. 「情熱」や「社会貢献」より「実践」へ
2. 自由度の低下
3. 「ファンクラブ」から「ファンコミュニティ」の時代へ
今や、今年何が起こるかわからない。
ましてや、来年のことなんて予想ができない。
今回お話しした3つのポイントを掴んで、前進してほしい!
たいが