in the morning、in the afternoon、なのになぜ夜だけat nightなの?
英会話講師のTaigaです。
今日は英語の学習方法についてではなく英語自体について興味深い内容をシェアします。
まずは以下3つの文をご覧下さい。
①午前中、本を読む。
I read a book in the morning.
②午後、本を読む。
I read a book in the afternoon.
③夜、本を読む。
I read a book at night.
なぜ、③の夜だけinではなくatがつくのでしょうか?
そしてなぜtheがつかないのでしょうか?
これは説明が難しいかと思います。
疑問1:atの謎
まずin nightではなくat nightとなる理由からいきましょう。
理由になるのは前置詞 「in」と前置詞「at」それぞれの意味のイメージの違いです。
「in」は~の中や~の範囲内といった、内側に収納されているようなイメージ。
「at」は指で位置をピンポイントに指し示しているようなイメージ。
(慣用句などで例外的な用法もありますが基本的にはatもinも上記の解釈で良いです。)
これを踏まえた上で、、
in the moriningという言葉は人間に「あー大体朝8時~12時くらいまでの事か」と具体的な時間の範囲を想像させる事が出来ます。
これはin the afternoonでも同じで、人間がこれまで仕事などで活動した経験を元に体内時計が共通認識で養われているからです。
一方でat nightではそうではありません。
現代では夜に遊びに行ったり働く事もあるかと思いますが、言葉が生まれた時代、つまり電気が発明される前の昔の人々にとってはnightは「人間が寝る時間」でした。
人間が寝ると、目を閉じて眠りについた瞬間と目を覚ます瞬間の間どのように時間が流れているかの感覚はありません。
屁理屈っぽく聞こえてしまいますが、、
そのため夜は寝た瞬間と起きた瞬間という、時間の「点」になるのです。
そのため、at nightには範囲が分かっている場合に使うinではなく、点を指し示すatが使われるようになりました。
疑問2:theの謎
theは、聞き手が「あーあれの事を言っているのね」と具体的な対象をハッキリと認識出来る時に使います。
例えば、I like going to a restaurant.だと「レストランに行くのが好きなんです。」という、レストラン一般が好きだという事を意味する文になりますが、
一方でI like going to the restaurant.だと「あのレストランに行くのが好きなんです。」という、ある1つの具体的なレストランへの好意を示す文になります。つまりその話を聞いている人が、どのレストランの事を言っているか分かる場合にtheがつくという事です。
これを踏まえて考えると、、
in the morningやin the afternoonでは大体何時から何時くらいという共通認識が人間の間にあるので、theがつきます。
しかしnightは疑問1にて前述の通り、夜寝ている事が前提となっている単語のため、人間にはそのnightの時間帯に対するハッキリとした時間的な意識が無いです。意識的に活動している朝や昼とは違って鮮明に思い描く事が出来ません。
(今は私達は夜も活動している事が多いので納得出来ない方のお気持ちも分かります..)
以上のような屁理屈に聞こえるような理由のためにat the nightではなくat nightになります。
気にしすぎなくてOK
とここまで説明してきましたが、at nightをat the nightやin the nightと言ったとしても意味が通じなくなる訳でも、大きな誤解に繋がる訳でもありません。
今回はモチベーションの1つになり得る皆さんの好奇心を掻き立てるべく、また言葉の面白さをお伝えしたく、豆知識としてご紹介しましたが、
実際に英語を話したり書く時にはあまり心配しすぎなくて大丈夫です。
こまかなルールよりも、まずは英語でのやり取りを楽しむ事と、言語を超えた思いやりのある意思伝達を心がけて下さいね。
(ちなみにat nightよりも長い時間を示す、起きているくらいの薄暗い夕方から始まる”in the evening”という表現もあります。)