監査法人の就職活動
※監査法人は2022年度のbig4の就活しか経験してないので、その前提でお話しを聞いて下さいませ
基本原則
①(例年通りのスケジュールなら)8月中、遅くとも9月初旬までには、BIG4各法人のHPからマイページ登録と全体説明会の申し込みだけはする。
②興味のあるものから順に、部署やチームごとのイベントも申し込む。
③興味のある部署・チームに所属する方との個別懇談・面談・相談も申し込んでアピールする。
④落ちた時の為に、短答合格採用を考えている人は、各法人のリクルーターに聞く。
保有顧客から見る各監査法人の強み
上記のサイトの各監査法人をクリックして、各監査法人の監査報酬上位10社を見れば、大体その中に各監査法人が就活生に自社の強みの根拠として名前を挙げる会社が入ってきます。実際に、就活生の中にも一定割合は顧客で志望先を決めたり、法人側も特定の業界に自分たちの監査法人が強い理由として特定の顧客がいる事を挙げたりする事もあるぐらいには、保有顧客は就活においても重要な要素になってます。特定のクライアントチームの人と話す時は、企業のHPや企業に関する最近のニュース、有価証券報告書の事業の内容、事業のリスク、監査報告書のKAMの内容をある程度把握した状態で臨むと、話しもスムーズに進み、好印象な感触がありました。それらの簡潔なメモを手元に置いておく事をお勧めします。注記は余程気が向けば見てもいいかもしれませんが、基本的に監査法人側もそこまで就活生が準備しているとは想定しておらず(多分)、就活生にそこまで込み入った話しをしてもあまり理解できないし面白くもないだろう、という認識の為、注記について話す機会は無いか少ないと思うので、あんまり意味が無い気もします。というか、企業のHPを一緒に見ながらどういう企業か説明してくれるところから始まる面談も結構あるので、事業の内容やリスク、KAMあたりを事前に把握してるだけで本当十分真面目で準備している人だと認識されると思います。(笑)
監査法人の就職活動におけるその他の考慮要素(箇条書き)
・big4か準大手か中小か
・監査か非監査か(アドバイザリーやfasなど)
・監査なら、金融か非金融か
・金融なら、大雑把に銀行か保険か証券かその他(フィンテック分野とか)か
・非金融なら、無数にあるどの業界か
・国内志向かグローバル志向か
・IPOかミドルサイズかビッグクライアントか
・それぞれの法人、部署、チームの雰囲気
特段やりたい事が決まっている就活生でなければ、大雑把にこんな感じの切り口から、志望を絞っていく就活生が多いと感じています。
後は、将来独立志向の人とかは自己査定を通して、多くの業界・企業の財務状況を幅広く見れる銀行監査を志望したり、まずは監査法人に行きたいけど将来的に投資銀行やfasに行きたい人は証券監査を志望したりとか3年後、5年後、10年後のイメージを持って決めている人もちらほらいるイメージです。
個別懇談・面談・相談等で話す事が無いと思う人へ
監査法人の就職活動をド真面目にしていくと、空いている日はほぼ毎日法人の方とお話しすることになります。当たり前ですが、毎日話すので、直ぐに「最早聞きたいことなんてねえよ…」という状態になります。それでも、法人の方から個別懇談・面談・相談のお誘いが来ると思います。私は、論文に落ちた場合、倍率が高いと言われるトレーニー採用を考えており、個別懇談・面談・相談を申し込んだ数で志望度の高さをアピールしようという作戦を立てていたので、空いている日はずっと法人の方とお話ししていました。あとは、色々な監査法人で実際に公認会計士として働かれている人の話を聞く機会も貴重だよな…、という思いもありました。特にパートナーレベルの方とお話しする機会は年次が浅い間はあまりないと聞いていますが、就職活動時は自分が望めば話し放題です(笑)。まぁ、とはいえ、何度も「もう聞きたい事ねぇ…」という状況になりましたが、法人の方も基本、「気になってる事にお答えします」的な感じなので、質問を無理矢理捻り出す必要があります。(笑)そんな状況に置かれている人にお勧めしたい事が3つあります。
1つ目に、先程も書きましたが、特定のクライアントチームの人間と把握できている場合は、有価証券報告書の事業の内容、事業のリスク、監査報告書のKAMの内容をある程度把握した状態で臨む事です。これをしてるだけで、監査上の論点や実務に関連して、興味や疑問点が自然に湧き、基本的に30分ぐらいはスムーズに話しを進められます。試験後にだるいと思うかもしれませんが、準備せずに臨むより有意義な時間を過ごせます。
2つ目に、◯◯法人、◯◯チームで働いている誰かと話しているという認識では無く、これから目の前の人の部下になるのだという認識でお話しを聞く事です。第一志望とか第二志望とか関係なくです。精神論や上下関係として就活段階からそうあるべきだと主張しているのでは無く、実際にその意識でお話しする事で、自然と対談中もチームに入る前提かの様に会話を進めていく事ができ印象が良い気がするし、何より疑問点など聞きたいことも自然と色々浮かんできて、結果的に面談を有意義な時間にする事に寄与し得るというメリットがある事からお勧めさせて頂いてます。
3つ目に、目の前の個人の経験に価値があると思って話しを聞く姿勢を持つこと、もしくは、その様な姿勢を持っている人間になりきる、演じる事です。法人や事業部、特定のチームに興味を持ってその事について話しを聞くというより、色々な経験をされている目の前の先輩方自身に興味を持つという風に言い換えてもいいかもしれません。その意識を持つだけで、色々応答も変わってきて好印象かつ、そうしない場合よりも有意義な時間を過ごせると思います。
正直思うことは他にも色々とありますが、基本的に就活して法人の人と話していけば自然に色々と見えてくると思うので、これ以上自分が書くことも無い気がします。強いて言うなら、このブログの記事で書かれている事よりも、実際に面接している時に感じる空気感や距離感にちょうど良い対応を心がけようという事です。
あと、真面目な感じで色々と書きましたが、監査法人の就活は少なくとも2022年度は売り手市場でしたし、全然緊張することはないという事ぐらいは改めて言わせてもらいたいです。四半期開示がどうたらこうたら騒がれてますが、今後も少なくとも一般の就職活動とは比べられないぐらい緩いのは変わらないと思います。毎年1500人未満の合格者しか出ず、その全員が監査法人向けに就職活動するわけでもない上に(ほとんどではあるけど)、BIG4監査法人だけでもそれぞれが200~400人ぐらい新たに採用する訳ですから。また私もどうしようもない人間ですが、3法人申し込んで3法人内定を頂けましたし、実務補習所で出会った方々もそんな感じの印象を受けます。特に就活について話したりしないので、根拠はないですが。(笑)
とりあえず、舐めプみたいなことはせずに、その場の空気感や距離感を感じ取って、相応の違和感のない応答を心掛けましょう(笑)
それだけで試験合格までの全ての苦労が報われるはずです。