僕らはそれぞれのサウンドを持っていて。
それはアイデンティティとなる。
最も身近なサウンドは声。
自分の声ってなかなか好きになれませんが。
サウンドにはいろんな情報が紐づいていて、
音を聞いた瞬間に
好きな人の顔が浮かんだり、
味噌汁の香りがしたり、
母に抱かれて揺られた体感があったり、
風景が浮かんだり、
ほろ苦い思い出が思い出されたり、
します。
自分の声を聞いている人は、何を思い浮かべるのか? 分かりませんが、
でも、
サウンドは単なる振動にも関わらず、
沢山の情報を運ぶんですねえ。
ベンジャミン・ザンダー(指揮者)が、講演会で話していたのが、
アイルランドでカトリックとプロテスタントの子どもたちと対立解決の仕事をした時のこと、
その時、参加していた男の子から
「俺はクラシック音楽を聞いたことはなかったんだけど、あんたのショパンの曲を聞いてる時、弟のことを思い出した。弟が死んだ時は涙がでなかったのに、あんたのピアノを聞いたら自然と涙がでていて、弟のために泣くのはすごくいいことだって思ったんだ」
と言ったそう。
話す側、演奏する側の思いを飛び越えたところでもサウンドは、人々の心を動かす何か大きな力を持っているのかもしれませんねぇ。
話し方、声のトーン、気にしちゃいますね。
でも、どんな物語を描くかは、受け取る側の世界。
細かいことを気にせず思いのままに話す方が僕は好きです。
その方が、ありのままのアイデンティティがサウンドにあらわれそうでしょ。
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